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機会費用の理論は 株や債券などへの投資などにおいても良く見られる。つまり、限られた資金を運用する投資家の場合、A という株から見込めるリターンが 5% で、そこへ 同等のリスクの B という株では 急に 10% のリターンが見込めるようになったとすれば、A を売って B という株を買うという現象が起きる。このような場合、B の値段は その見込めるリターンが A と同程度になるポイントまで上昇する。つまり、需要が増えて価格が上昇する。同じようなことが 株式市場全体で起きることもある。つまり、債券の利回りが株の利回りよりも急に良くなった場合は 株の利回りが下がらなくとも値が下がるという現象が起き、続いて、株の利回りは株価が下がるので上がり、売りがその時点で止まり新たな均衡を見る。
金利が上がったり、下がったりしたすると言うことは この機会費用が変化するということだ。金利が 2% から 3% に上がったとすると 2 - 3% のリターンしか見込めない株を持っている人は 株を売ってしまう可能性が高く、そうすると株の値段は下がる。しかし、ある程度株価が下がれば 株から見込めるリターンは上昇するから、売りが止まり、新たな株価に落ち着く。つまり、金利が下がると思えば買いで、上がると思えば売りになる訳だ。ただし、市場ではそうした予測を含んだ形で株価などが均衡しているから、仮に、実際には 金利が動いても予測どおりの動きであれば株価などはあまり影響を受けないと言う結果も起きる。当然、金利が予想以上に上下すれば、株価は影響を受けることになる。
機会費用の説明には 「大学進学の機会費用とは進学せずに働いていたら得られたはずの収入と授業料など費用の節約の合計である」などと説明されるが 機会費用の概念のみで考えるのではなく、前述のように需要と供給できまる価格の理論と組み合わせると 応用範囲が広がり、その知識がより役立つようになるはずだ。