ロストボール (紛失球)|ルール解説
♦ ストロークと距離に基づく処置
ゴルフのルールでは 如何なる時でも 1打罰の下に プレーヤーは 初めのボールを最後にプレーした場所に戻ってプレーをすること 即ち 打ち直しをすることが出来ると定めており、それを ゴルフ用語では ストローク アンド ディスタンス (strokes and distance) または ストロークと距離に基づく処置と呼んでいる。ロストボールと OB をした時に取る救済処置であるが アンプレヤブル、ペナルティーエリアなどのトラブルの処置として取られることもある。ティーショットの場合は リティーをして、そうでない場合は その球を打ったと思われる所を救済の起点に1クラブレングス内のホールに近づかないエリア内に球をドロップしてプレーすることになる。
♦ 捜索時間は 3分まで
なくなるはずがない と思うような時でも ボールを捜し始めてから 3 分 (旧ルールでは 5 分) 以内に ボールが見つからない もしくは 自分のボールだと確認出来なければ ロストボール (Lost Ball) で ルールに則って 前述のペナルティが科され ストローク アンド ディスタンスの処置をしなければならない。
例えば、自分のボールらしいものが木の上や藪の中に見えても それが自分のボールであるという確認が出来なければ ロストボールになる。また、3 分間 ボールを探す前でも プレーヤーが ボールは見つからないと判断し ルールに従って ロストボールに従った処置をして 暫定球でない 新しいボールを打った場合は その時点で ロストボールが確定する。
なお、許された捜索時間を経過した後に ボールが見つかっても そのボールは ルール上 既に アウト オブ プレー (イン プレーのボールではないと言うこと) だから 競技では それを プレーして ホールアウトすることは許されない。仮に、そのボールでプレーをした場合は 誤球 (wrong ball) になり、ロストボールのペナルティとは 別に 2 打罰が科される。加えて、プレーのやり直しが 必要になるが それを行わずにプレーを続けてしまえば 次のホールで ティーショットを 打った時点で 失格と厳しい処分の対象になる。 つまり、ルールで許される 捜索時間の上限は 極めて 重みのあるものと言うことだ。
♦ 暫定球|プロビジョナル・ボール
なお、ロストボールになる可能性が高いショットを打った場合は OB の可能性が高いボールを打った時 同様 暫定球を打つことが出来る。 ただし、一度 自分 もしくは 自分サイドの人間がボールを捜し始めてしまうと その後に暫定球を打つことは出来ないので注意しよう。ただ、そのルールの一部が 2014年のルール変更で改訂され プレー中のホールの状況が良く分からない時などに 少し進んでみたら 予想していた以上に最初のボールの OB やロストの可能性が高くなった場合などに 最初のボールを打った地点から 50ヤード程度未満であれば 戻って 暫定球を打てるようなった。
♦ 救済が受けられるケース
一方、自分のボールであることが確認できない場合でも (1) 見つからないボールが障害物の中にある または 異常なグラウンド状態の中にあることが分っているか ほぼ確実な場合、(2) 局外者によってボールが持ち去られたり、紛失させられた場合 あるいは ペナルティーエリアに入ったことが分っているか ほぼ確実な場合 などに対する 例外規定があるので そうした状況では 適用できる規則に基づく処置をとることができる。例えば、見える場所にある動かせない障害物や修理地、カジュアルウォーターなどに ボールが入ったことが確認できており、そこでボールを見つけ出せない場合などは その障害物 もしくは 修理地などに入った所を 救済の二アレストポイントとし 罰なしの救済を受けることが出来る。
他方、前述の例外に該当する場所でも ブラインドになって見えないものの場合は そこに入ることしか考えられないような特殊なケース(例えば、池以外には 何もない場所など)を除き、救済を受けることは出来ない。池の周りにブッシュがあるようなケースは ブッシュに入ってボールを見つけることが出来ない可能性もある訳だから ペナルティーエリアの救済措置の対象にはならず ロストボール扱いになる。
♦ 前進 2 打罰|新ルール
なお、ゴルフ場 もしくは コンペなどのローカルルールとして 前進 2 打罰 (ティーショットでは 前進 4 打) というルールが スロープレー防止などの理由で ロストボールと OB に対する対処法として 一般には かなり普及しており、公式競技以外で そうしたルールの下に 見失ったあたり もしくは 特設ティなどから 2 打罰で プレーをする場合もあるが、新しいルールでは 特設ティーの使用は 認めていない。(正しい救済の受け方の詳細は 上の動画を参照)新ルールでは この前進 2 打罰が 公式ルールが認める ローカルルールになったので 一般のアマチュア競技では そうしたルールの下にプレーをするケースが増えるだろうし、また、正しいローカルルールの下に行ったラウンドのスコアは 公式ハンデの計算にも使用できる。
なお、特設ティに ティーアップのような方法は 認められる救済の選択肢としては 不適切なものと考えるべきであろうが その辺りは ゴルフ場から 特設ティーがなくならなければ 微妙な問題が生じるだろう。実は 欧米の ゴルフ場で 特設ティを見ることは 殆どない。日本のゴルフ場も 新ルールの下では 公式ルールの規定に則った 前進 2 打罰のローカルルールを採用し そのルールの普及に努めるべきだろう。いずれにしても 正しい ボールドロップの規定に従って ボールを救済エリア内にドロップするのが 適切な処置である。以上の説明のように ロストボールには 実質 2 打罰のダメージがある訳だから ミスショットをした時には 頭に血が上るような状況でも ボールの行方を確り見ておく必要がある。同伴者が自分のボールの行方を良く見ていないことは 良くあることだし、仮に ロストボールにならなくとも 良くボールを見ておけば 不必要なボール捜しに長時間を費やすことはなくなるはずだ。ボール探しに自分の時間を取られることは 自分のプレーのペースを乱す原因になるばかりでなく 同伴プレーヤーに迷惑をかける結果にもなる。ブッシュにボールが入ってしまうようなケースは ブッシュの何処にボールが入ったか 良く見ておいて 限られた範囲のブッシュだけを対象にボール探しを念入りにすれば良いように ボールの行方を最後まで追って その状況を記憶に残す癖を付けるようにすべきである。