異常なコース状態|ルール解説

Introduction

ゴルフルールに定める「異常なコース状態」とは 修理地やコース上にある一時的な水 即ち テンポラリーウォーターなどのことだが 球がその中にある時 及び スタンスがそれにかかったり それがスイングを干渉する場合は ルールに従って 罰なしの救済が受けられる。2019年のルール改定では ルールの改定に加え ゴルフ用語の変更も数多くなされたが 「異常なコース状態」は それ以前に「異常なグラウンド状態」と言われていたものだ。なお、「テンポラリーウォーター」も新用語で 以前の「カジュアルウォーター」のことである。何れにしても、当該ルールの中には 間違い易い規定もあるので それらを含め 覚えておきたい関連ルールを以下に 分かり易く解説する。

異常なコース状態とは

異常なコース状態とは 以下のものを指す。ただし、ペナルティーエリア内の球に対しては 異常なコース状態による罰なしの救済は適用されない。

(1) 修理地 (ground under repair)

(2) 一時的な水 (temporary water)

(3) 穴掘動物、虫、鳥 等によって作られた穴や異常なライ
(注)カート道路 (cart path) は 動かせない障害物

穴掘動物
修理地とは 委員会が修理地と定めた場所で その限界が青杭によって定められている場合 その杭は 修理地内であり その限界は 最も近い杭 または ラインの外側の地表レベルの点によって決められる。そして、ボールの一部でも 修理地に触れていれば それは 修理地内にある球になる。また、他に移す目的で積み上げてある物とグリーンキーパーが作った穴も修理地に該当する。

一方、一時的な水 (temporary water) は ルール改定前は カジュアルウォーター (casual water) と呼ばれていたもので 雨によってコース内に一時的にできる水溜りだが プレーヤーがスタンスを取った時に水がしみ出して見える場所も それに該当する。ただし、何度か足踏みをしなければ しみ出してこないような水では テンポラリーウォーターとは言えない。雪と自然の氷 (霜は除く) は プレーヤーの選択で テンポラリーウォーターにも ルースインペディメントにもなる。球が雪の残っている場所を転がって 雪の塊が球の表面につき その雪の上にボールが乗るような形で止まった場合は テンポラリーウォーターの上に球が乗っているものとして 救済を受けることができる。



救済と救済のニヤレストポイント

規則 16-1 によれば 球が異常なコース状態の上にある場合、また、プレーヤーのスタンスが異常なコース状態にかかっている場合とスイングを干渉する場合 (interferance) は ペナルティなしに 救済の二ヤレストポイントから 1 クラブレングス内で、且つ、ホールに近づかない救済エリア内に球をドロップして(球を綺麗にすることも可)プレーすることが出来る。但し、球がバンカー内にある場合は 原則 そのバンカー内の救済のみしか許されないので 少し状況が複雑なる場合もある。(詳細後述)なお、救済の二ヤレストポイントの決め方、また、新ルールに則った正しい球のドロップの仕方については 少しでも間違うと 間違え方によって 1 or 2 打罰が科され、大きな間違いであれば 失格になることもあるので 正しい知識を身に付け 間違いを犯さないように救済を受けることが極めて重要になる。 » 詳細

完全な救済 及び 再ドロップ

一方、異常なコース状態を理由に救済を受ける場合は その救済を受ける理由になったものの影響が完全になくなる救済、即ち、完全な救済 (complete rerief) を受けなければならない。常に その考え方の下に救済の二ヤレストポイントと救済エリアは 決められなければならない訳で 例えば 有利なショットアングルを考えて 少しスタンスが救済を受ける理由になったものにかかるが その方が有利なので そこに球をドロップするというような中途半端な救済は 完全な救済の観点から 受けられないので 間違いのないよう。また、カート道路など 動かせない障害物とは異なり 異常なコース状態は その境界線が どこになるかが明確でないケースもあるから まずは その点を間違いなく 確認する必要がある。

なお、球をドロップした結果 以下の状態になった場合は 再ドロップとなるが 球を二度ドロップしたにも拘らず 同様な結果になった時は 再ドロップした際に球がコース上に最初に落ちたと思われる所に その球をプレースすることになる。

(1) 救済エリア内に球が最初に落ちなかったり、ヒザの高さから球をドロップしなかったなど 有効なドロップをしなかった場合

(2) 救済エリア外に球が出てしまった場合(完全な救済が受けられない結果になった場合を含む)

(1) のドロップは 前述の二度のドロップの一回にカウントされないので要注意。また、救済エリア内に止まった球でも (1) の球をプレーした場合は 1 打罰、また、(2) の救済エリア外の球をプレーした場合は 2 打罰が科される。なお、二つの違反を同時に犯している場合は 2 打罰である。一方、球をドロップした結果が自分にとってより有利な結果になるように ルールが許す範囲内で ドロップするポイントは工夫すべきなのは言うまでもないが 場合によっては 再ドロップになる可能性の高い所を狙って球をドロップし 最終的に 球をプレースできるように工夫することなどもドロップの際に考えるべきことの一つであろう。



救済を受けない選択肢

一方、前述の救済措置を受けられる状況に球があっても 救済を受けるより そのままプレーをする方が有利とプレーヤーが判断した場合は そのままプレーをする権利が そのプレーヤーには オプションとして与えられている。(ただし、ローカルルールで救済を受けねばならぬと定めている場合は 別。)

例えば、救済の二ヤレストポイントから 1 クラブレングス内には 深いラフしかないような場合など そのままプレーをした方が有利と考えられることは 良くある訳だから 救済を受けることが必ずしも有利だとは限らない。従って、プレーが異常なコース状態の影響を受け 救済措置を受けられるかどうかという判断をしたら すぐに球の位置をマークして球を取り上げるのではなく、ドロップできる場所を良く確認してから どちらの選択肢を選ぶかを決めるというプロセスを踏んで処理をする癖をつけておくべきだろう。

特殊なケース

さて、前述したように 異常なコース状態の影響があっても 球がペナルティーエリア内にある時は 救済の対象にはならない訳だが、ペナルティーエリア外にある異常なコース状態にスタンスがかかるような状況でも 球がペナルティーエリア内にある時は 救済を受けられない。また、球がバンカー内の異常なコース状態(例えば、水溜り)の影響を受ける時は 救済措置を受けることができるが 救済の二ヤレストポイントは バンカー内でなければならないと決められている。完全な救済が得られないようであれば バンカー内でその状態から最大限の救済を受けられ ホールに近づかずに しかも 球のあった所に出来るだけ近い所に球をドロップすることが出来る。(ジェネラルエリアで 同様の救済を受ける時は 完全な救済が得られなければならないという点と異なるので要注意。)また、運悪く ドロップが許されるバンカー内のエリアが完全に水で一杯になっている場合は そのバンカー内に球をドロップしなければ 無罰の救済は受けられない。バンカーの外からプレーをする以外なくなるが その場合は 1 打罰で ホールと球を結んだ後方線上で そのバンカーの外に球をドロップすることになる。なお、1 打罰を加えて バンカーの外からのプレーを選択する場合は バンカーの後方であれば いくら離れても距離に制限はない。なお、競技委員会が水で満たされた特定のバンカーを修理地に指定することが稀にあるが そのような場合は 例外である。

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