誤所からのプレー|ゴルフルール解説
♦ ルール違反を犯す理由
当該違反は 以下の 3 つの理由(7 通りのパターン)で起きる可能性があるものだが、極めて有利な場所からプレーをするなどの重大な違反がない限り(詳細後述)当該違反を犯した時は そのプレーの訂正をすることなく 誤所からプレーされたボールで そのホールを終えなければならない。
1) 救済に係わる処置 |
a) 救済が受けられないのに球を動かしてプレーした時 |
b) 救済を受ける時の場所(例えば、ニヤレストポイント)に係わる条件に違反した時 |
c) 救済を受けるに際し救済エリア外の球をプレーした時 |
2) 球が動いた時の処置 |
a) 誤って球を動かしたのに ルール通りの処置をせずに プレーした時 |
b) 自分以外の理由で動いた球の処置を誤ってプレーした時 |
3) 球のプレースに係わる処置 |
a) 球を元の位置に戻すべき状況で それを怠った時 |
b) プリファードライの処置で過ちを犯した時 |
♦ 誤所からのプレーの定義
ルールブックには (1) ストロークを行ったり 球をドロップしたり プレースすることを規則が許していないコース上の場所で プレーヤーが自分のインプレーの球に対してストロークを行った場合、または、(2) ドロップした球の再ドロップや動かされた球のリプレースを規則が求めている時に プレーヤーが自分のインプレーの球に対してストロークを行った場合 が誤所からのプレーに該当すると記されている。なお、ティーイング グラウンドの外からプレーした時や間違ったティーイング グラウンドからプレーした時の処置に関しては 規則 6-2「ティーイング エリアから球をプレーする」に競技者は 2打の罰を加えた上 ティーイングエリア内から改めて球をプレーしなければならないと記述されており そうした過ちは 誤所からのプレーには 該当しない。
♦ 重大な違反
さて、ここで前述の「重大な違反」についての説明をしよう。本来 プレーすべき場所より 大幅にホールに近い所や救済を受けられない障害物なのに それを避けてプレーをした時など 誤所からのプレーによって 明らかに有利な状況が生まれる場合がルールで言うところの重大な違反 (serious breach) である。
良く起き易い重大な違反の例としては イエローペナルティーエリアに入ったボールなのに レッド ペナルティーエリア(赤杭)の救済処置であるエリアの境界線を横切った点から 2 クラブレングス内のホールに近付かない場所に球をドロップして 本来 救済処置を取ることが許される(境界線を横切って入った点とピンを結んだ 後方線上の)ポイントより大幅にホールに近い所からプレーをした時などが挙げられる。 » ペナルティーエリア|ゴルフルール解説
そのような重大な違反があったと思われる時は そのことに気付いた時点で規則に従って 正しい場所から(2つ目の)球をドロップ(状況に応じては プレース)して プレーをし そのホールを終えなければならない。重大な違反があったにも拘らず プレーヤーがその訂正処置を取らなかった場合は 次のティーイングエリアからショットをした時点、また、最終ホールであれば 過ちを訂正する宣言をせずに そのパッティング グリーンを離れた時点で競技失格となる。
♦ 球を動かした時の処置
また、グリーン上の球が動いた場合は 間違いを犯し易いので要注意だ。アドレスする時などにプレーヤーが球を動かしてしまっても 新ルールではペナルティーは科されなくなったが 球が元あったと思われる所にそれをリプレースしてからプレーしなければならず、それを怠れば 誤所からのプレーで 2打罰が 科される。2019年からの新ルールでは グリーン上でプレーヤーが一度マークし リプレースした球が動いた場合は 風など自然の力で動いた場合を含め 元あったと思われる所に球をリプレースしてからプレーしなければならなくなった。旧ルールでは 風など自然の力で動いた場合は どのような時もそのままプレーすることになっていた。但し、マークする前の球が動いた場合は 旧ルール同様 リプレースすることなく 球が止まった所からプレーすることになる。
♦ 複数の違反を同時に犯した時
なお、プレーヤーが球を動かしてしまい、それを元の位置に戻さずにプレーをした場合は 球を動かしたことのペナルティ(1打罰)と 所からのプレーによるペナルティ(2打罰)がダブルで科され 3打罰になるのではなく 大きな方のペナルティだけである。つまり、誤所からプレーをしてしまった場合は 前述の重大な違反でない限り やり直すことなく そのままプレーを続ければ良く、ぺナルテーは 2打罰までと言うことだ。 » 球が動いた時|ゴルフルール解説