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ウェッジ(ゴルフクラブの選び方)

このページのコンテンツ
• はじめに
• バウンス - ウェッジ デザインの要
• ウェッジの選び方・組合せ方
• 使い方のバリエーション
• ウェッジの溝と 新溝ルール
• 主要メーカー 商品リンク

はじめに


ウェッジ (wedge) は 距離の短いショット 所謂 ショート・ゲーム用に デザインされたクラブで、ロフト (loft) があって(クラブフェースが上を向いている という意味)高いボールや バックスピンで止まるボールを 打つことの出来るクラブの総称である。しかし、一言に ウェッジと言っても 実は 色々なデザイン、使用目的のものがある。バンカーからのエキスプロージョン(砂と一緒に ボールを飛ばす)ショットや ボールを高く上げるショットに適した サンド・ウェッジ (SW)、グリーン周りでボールを少し上げてから転がす アプローチ・ショットに適したデザインの ピッチング・ウェッジ (PW) の 2本は 大方のゴルファーが バッグに入れて プレーをしている 代表的なものである。

バウンス - ウェッジ・デザインの要


ウェッジの図解どのような ウェッジを選べば良いのかを理解する上で 鍵となるのが ロフトと バウンス (bounce) だ。右図は サンド・ウェッジの写真を使って その特徴が分かるように 図解したものであるが、赤で示した箇所が バウンス。この大きさや 形状によって 使い勝手が異なるが どのような用途に重点を置くか、また 個人の好みによって このバウンスが 大きめなもの、普通、小さめなものを選ぶことになる。バウンスが大きければ それを利かせ バンカーや 深いラフからのショットが 打ち易くなるから サンド・ウェッジのバウンスは 大きいのが普通だが、フェアウェイからのショットなどでは バウンスが大き過ぎると 邪魔になることもあり、その大きさは 両者のバランスを考えて 決めるのが 一般的だ。

バウンスの大きさは 基本的に バウンス角、及び、ソールの幅と形状によって決まるが(右図参照)サンド・ウェッジのバウンス角は 例外はあるが 殆どが 10° ~ 15° で、目安としては 10° が小さ目、12°が普通、14° ~ 15° は 大き目となる。ソールの幅と形状は トレーリング・エッジ側の削り方によって 変わるが 大きく削ってあれば 有効なソール幅は 小さくなる。(詳細後述)

ウェッジの種類と選び方・組合せ方


稀に サンド・ウェッジ を含むアイアン・セットが売られているが、通常、アイアン・セットに含まれるクラブは ピッチング・ウェッジ まで。つまり、6本セットであれば 5I から PW、8本セットであれば 3I から PW まで と言うことになり、それよりも ロフトのある ギャップ・ウェッジや サンド・ウェッジは 別途 購入する必要がある。しかし、そうしたウェッジを 無造作に選んで セットにしていたのでは 合理性と言う意味で 疑問が残る セットになるだろう。

そこで、まず最初に考えるべき重要なポイントは ウェッジの好ましいロフトの流れ(差)と本数である。つまり、どんなロフトのウェッジを 何本持つか 決める必要があるのだ。例えば、4°刻みで 52° / 56° / 60° のウェッジにするとか、6°刻みで 52° / 58° にする と言うようなことである。

PW のロフトは 様々
Titleist 716 Iron
PW Loft
47°
46°
45°
44°
43°
その基準になるのが 自分のアイアン・セットのピッチング・ウェッジのスペックである。ご存知のように 市販されているアイアン・セットは 番手ごとに ロフトが決まっている訳ではない。飛ぶクラブの方が売れる という傾向があるからだと思われるが 最近のアイアンは 昔のアイアンに比べると ロフトの立っているものが多い。驚く人が少なくないかと思うが 昨今のアイアン・セットの PW のロフトは 44° ~ 46° が主流である。一方、かつての標準の 47° とか 48° の PW は 少数派になった。一部に 例外はあろうが 初級、中級のゴルファーをターゲットにしたアイアンは 44°が、また、上級者を意識したフォージド(鍛造)のクラブでも 46° が主流になった。ヤマハや プロギアの 4本とか 5本セットの良く飛ぶアイアンに至っては 40°、中には 38° のような PW のアイアン・セットまで売られるようになっている。因みに、ミズノの鍛造アイアン、例えば、MP-4、MP-5 のような 上級者向けのクラブでも PW は 46° (#5I - 27°) である。「PWのロフトは様々」のテーブルに示したように 同じメーカーのクラブでも モデルによって PW のロフトは 様々だ。

近年、上級者は 3本から 4本のウェッジを入れるのが一般的だが、その中心になるクラブが サンド・ウェッジ (SW) である。その最も一般的なロフトは 56° だが、58° の SW も 比較的 良く使われる。また、60°以上のロフトのものを ロブ (エル) ウェッジ (LW) と呼び(64°以上のものは エキストラ・ロブ・ウェッジとも言う)、逆に、ロフトの少ないものが ピッチング・ウェッジ(PW)で 概ね 43° ~ 48° のロフトのクラブになる。そして、PW と SW とのギャップを埋めるクラブが ギャップ・ウェッジ(GW)、アプローチ・ウェッジ(AW)、ピッチング・サンド (PS) などと呼ばれる クラブで、一般的には 49° ~ 53° のロフトのクラブだ。さらに、54° のウェッジも 売られているが、SW と GW の中間的なクラブで それを デュアル・ウェッジ (Dual Wedge) と呼ぶこともある。

ロフト (°) 43°- 48° 49°- 53° 54° 56°- 58° 60°-62° 64°以上
クラブの
呼び名
ピッチング ギャップ
アプローチ
ピッチング・サンド
デュアル サンド ロブ
エル
エキストラ・ロブ
エキストラ・エル

GW のロフトは SW とのロフト差を 5° ~ 7°くらいに設定するのが 普通で(GW のシャフトの長さは 35.5 インチが標準)それで 飛距離は 15 ~ 25ヤード違ってくるのが 一般的だ。個人差はあるだろうが、ウェッジの場合、ロフト 1° ごとに 3 ~ 4 ヤード飛距離が 変わると考えれば良いだろう。つまり、PW のロフトが 44° であれば GW のロフトは 49° ~ 51°、そして、 PW のロフトが 46° であれば GW のロフトは 51° ~ 54°が 好ましいと言えよう。


使い方のバリエーション


ウェッジ・ソール次に、ロフトとバウンス角だけでなく、ウェッジのソールのデザイン(形状)を どうするかが 重要なポイントになる。その時に考えるべきことは ウェッジのソールのどの部分を使ったショットをしたいのかと言うことだ。(右図参照)つまり、

(A) リーティング・エッジ
(B) ミッド・ソール
(C) トレーリング・エッジ

ボールを打つ時に 最初にターフとコンタクトをさせたいのが (A) なら バウンス角は小さく、逆に (B) / (C) であれば バウンス角は 大きくが原則だが、スイングのタイプが 所謂 払い打ちの人は バウンスの小さいウェッジが、逆に クラブを打ち込むタイプの人は バウンスの大きなものが 適していると言われている。

もちろん、1本のウェッジを 1つの目的だけに使う訳ではないが、何本かバッグに入れるウェッジのそれぞれを 目的別に使い分けるのであれば、その目的に即したデザインのソールを選択すべきである。上級者の場合は 俗に言う (A) リーティング・エッジ・スピナー、(B) ミッドソール・ショット、(C) トレイリング・エッジ・フロップ などを使い分ける人も居るだろうが、そうであれば それに最適な ウェッジの組み合わせがあるのだ。

例えば、バウンス角の小さい ロブ・ウェッジや トレーリング・エッジ側を削って バウンスを小さくした ロブ・ウェッジは (C) のショットをするのに適しているが、バウンス角の大きな ロブ・ウェッジは (A) と (B) に より重点を置いたデザインである。また、バウンス角が 12° ~ 15° と大きめで トーイリング・エッジ側を 多く削った ソール・デザインのサンド・ウェッジが多いが、そうしたウェッジは (A) (B) (C) のすべてに対応可能なクラブと言うことになる。ソールを削ることは その汎用性を高めるための工夫だと言える。

ソール削り落としソールの削り方によって変わるソールの形状、特に、ロー・ポイントの高さと ソールの利き方は 変わることになる。フェースを オープンにして使った時に どのような 変化が起きるかは このソールの削り方によって決まる ソールの形状に 大きく左右される訳だ。ソールを大きく削り落としたウェッジは ある意味 バウンスの使い方を良く理解した 上級者向けのデザインと言うことになる。

このように ウェッジは ロフトとバウンス角に加えて そのソールの幅と形状、リーディング・エッジの丸みの度合いや FP 値 などにおいて とにかく バリエーションが豊富だから、どんなものを選ぶべきかは そうしたスペックの特徴も 十分に理解した上で 最終的に選択すべきであろう。ソールの形状や リーディングエッジのデザインは ショット・メイキングに 大きな影響を及ぼすので 各メーカーとも それぞれ 様々な工夫をしている。

Vokey M Grind例えば、人気のタイトリスト・ボーケイ (Vokey) の最新モデル SM6 の場合は L M S F K という 5 つのソール形状があるが、それぞれに 異なる ロフト(46° ~ 62°)バウンス角(8° ~ 14°)の組み合わせがあって 加えて シャフトの選択肢も 3通りあるから その中から どれを選ぶかという選択をすることになる。4° ~ 6° のような ロー・バウンスのウェッジはないが、L や M-Grind のような トレーリング・エッジ側を削ったソールタイプのクラブを選べば ロー・バウンスのウェッジと同じようなフィーリングのクラブになるはずだ。» ボーケイ (Vokey) ウェッジ 徹底 レビュー

なお、一般論になるが ソール(バウンス角とソール幅)の大きな SW は 柔らかくて細かい砂のバンカー・ショットや 深いラフからのショットに適しており、逆に バウンス角と ソール幅の小さめなウェッジは 短く刈り込んだフェアウェイや グリーン・エッジからのショット、また、湿って固めのバンカーからのショットなどに適している。大きなソールのクラブが どんなバンカー・ショットにも適していると考えている人が 少なくないようだが、必ずしも そう言うことではない。洋芝やバミューダ芝でプレーする場合は 深いラフからのショットに バウンスの大きめなものが有利な場合も多いが、日本で最も良く見られる野芝のラフでは バウンスが大きなクラブの必要性は 然程 高くないから、そうしたゴルフ場でのプレーが中心になるのであれば フェアウェイやカラーからの寄せがやり易い ローバウンス気味のウェッジを選んだ方が 良いだろう。構えた感じが良く、ピッチ・ショットなどで 抜けの良いソールのクラブを 選ぶことが 極めて重要だ。

通常は 様々な状況で使いやすい SW ということで ロフトが 56° - 58°でバウンス角が 10°- 12° 位の SW がオススメだが、3本とか 4本のウェッジを入れる場合は、それぞれのクラブの使用目的を良く考えて、そのロフトや バウンス角の組み合わせが バランス良くなるように配慮して欲しい。また、状況によって どんなクラブ(ロフト、ソールなど)を どのように使えば良いのかを判断できる能力を身に付けたいものだ。

» アプローチ・ショットの基本 » ロブ・ウェッジを持つ理由

なお、ウェッジは 最も重いクラブで 上級者が良く使うものは 総重量が 470g、スイング・ウェートが D3 以上のスペックのクラブが多く、また、シャフトも ユニフレックスで 硬めのシャフト(例えば、DG S200)という選択肢のクラブが目立つ。ウェッジは クラブの重みを利用して打ちたいクラブで 重めのクラブがオススメではあるが、アイアン・セットと ウェッジのスペックが大きく異なると 全体のクラブの流れが悪くなるので、その点も ある程度考えた上で どのようなウェッジを使うかは 決めたいものである。

他にも、FP値 / ネックの形状(例えば、グースネック)やリーディング・エッジの丸み、ヘッドの材質や色なども クラブを選ぶ時には 着目すべきポイントになるが、要するに ウェッジ選びの鍵は 以下の三点、即ち、(1) ロフトの流れ、(2) バウンス/ソール形状、(3) 重量を どうするかだと言えよう。(注:FPは Face Progression の略で、FP値とは シャフトの中心線から リーディング・エッジまでの距離のこと)

ウェッジ選びの鍵
(1) ロフトの流れ (2) バウンス角 / ソール形状 (3) 重量


ウェッジの溝(グルーブ)と 新溝ルール


グルーブの形状ウェッジのスコアライン(溝)の仕様と コンディションが スピンに大きな影響を及ぼすことについて理解しておくことも必要だ。ウェッジの溝(グルーブとも言う)には 右図のように V グルーブ と U グルーブ があるが 最近のウェッジは 殆どが スピン性能に優れる U グルーブ になっている。2010年から プロの競技には 新溝ルールが採用され、最近は 一般ゴルファー向けのウェッジも その新溝ルール適合のものが殆どになっている。また、2015年から トップ・アマチュアの競技でも 新溝ルールは適用されているが 一般ゴルファーには 2024年まで 影響のないルール変更である。 » 詳細

2010年までのルールでは(一般アマチュアは 今でも )グルーブ幅は 0.035インチ(0.9mm)以下で、隣接する溝の端と端との間隔は グルーブの幅の三倍以上で 0.075インチ(1.905mm)以上、さらに グルーブの深さが 0.020インチ(0.508mm)以下でなければならず、グルーブ(マーキングとも言う)が 指先でテストしても分かるような鋭い縁や盛り上がった縁がなく、紙ヤスリのようなクラブフェースであっては ならないと定められていた。それが 2010年から プロのトーナメントにおいては ロフトが 25度以上のクラブでは それまで許されていた Uグルーブの仕様のクラブの使用が禁止になり、上述の規定に加えて その角溝のエッジに丸みを持たせ、溝の容量を小さくしなければならなくなった。 » 詳細

マイクロ・グルーブ新ルール適合の溝でもスピン量が減らない工夫として多くのウェッジ・メーカーが採用している方法がマイクロ・グルーブ (micro groove) というフェース面の機械加工である。右の写真はタイトリストのオフィシャル・サイトに載せてあるボーケイ・ウェッジのフェース面の機械加工の精密さを説明している写真だが、近年、ウェッジのフェース面にはルールに違反しない範囲で このような小さな溝の加工が施されていて、この細くて浅い溝が マイクロ・グルーブだ。また、この写真からは ルールで定められた規格ぎりぎりの丸味を持たせたエッジの精密機械加工がなされていることも分かるはずだ。右下の写真は キャロウェイのサイトに載っている同様の写真だが、こうした写真は ウェッジの溝(グルーブ)に係わる最近の動向を良く示している。

ルール変更により ラフからのショットでは スピンが かかり難くなるはずだったが(R&A / USGA の思惑に反し)そのショットに与えるスピンへの影響は 極めて 限定的なものになっているようだ。




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