(1) ボールマーカー:ルールブックに「携帯品」とは プレーヤー あるいは プレーヤーのキャディーが使用している、身に着けている、持っている、あるいは 運んでいる全てのものをいうが (a) プレー中のホールでプレーしている球 (b) 球の位置や球をドロップする場所の範囲をマークするために使用中のコインやティーなどの小さな物 は除く と定義されている。旧ルールでは 自分や自分の携帯品にボールをぶつけた場合に 1 打罰が課されたが、新ルールではそれらに対する罰則がなくなったので 携帯品とは何かを厳密に覚えておく必要性は低くなった。しかし、救済を受け 球をドロップする時に それが自分や自分の携帯品に当たった時はドロップをやり直す必要があるので 注意を要する。1 or 2 クラブレングスの計測に使用した ゴルフクラブを救済エリア内に置いたまま球をドロップせずに ティペッグやコインなどでマークして 球をドロップする癖をつけた方が良いでしょう。
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(2) 妨害物:英語の loose には もともと固定されていないという意味があり 良く耳にする言葉で その意味はご存知の方が多いと思うが impediment という言葉は あまり一般的には使われない言葉だから 始めて耳にする人も少なくないでしょう。障害物とか妨害物という意味があるが 進行を妨害するとか 邪魔をするという意味の動詞 impede の名詞形の一つで 関連する言葉には 比較的良く耳にする impedance(交流抵抗)という言葉がある。なお、障害物というゴルフ用語には obstruction という単語が使われ、動かせる / 動かせない には movable / immovable という単語が使われている。以上が関連英語に係わる説明だが、以下にルースインペディメントに関する知識として知っておきたいことの中から重要なものを纏めてリストアップしたので確認して下さい。
① 大きな石でも 地面に埋まっておらず動かせるものは ルースインペディメントとなる。 |
② 一部が地面に埋まった小石でも、簡単に動かせるものは ルースインペディメントとなる。ただし、大部分が埋まった 英語で solidly embedded と表記されるものは 地面の一部と考えられ ルースインペディメントではない。 |
③ 虫や昆虫の場合は 一部が地面に埋まっていてもルースインペディメントである。 |
④ 砂や土は パッティンググリーン上にあるものを除き ルースインペディメントにならない。 |
⑤ 一部が地面や木に付いている芝や小枝もルースインペディメントではないので、これを取り除けば 二打罰のペナルティー。 |
⑥ 氷や雪はルースインペディメント(または テンポラリーウォーター)扱いとなる。ただし、霜や露は手やタオルなどで取り除けば、その限りにあらず、ペナルティーの対象。 |
⑦ ボールが動いている場合、そのボールの動きに影響を及ぼすかも知れないルースインペディメントを取り除いてはならない。 |
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(3) ジェネラルエリア (general area):旧ルールブックで「スルーザグリーン」は (a) プレー中のホールのティーインググラウンドとパッティンググリーン (b) コース内のすべてのハザードを除いたコース内のすべての場所と定義されていた。新ルールでは ウォーターハザード (water hazard) というゴルフ用語がペナルティーエリア (penalty area) に変更されたので ジェネラルエリアという新ゴルフ用語の定義をハザードという言葉を使って 同じようにすることは出来ないが 実質 スルーザグリーンとジェネラルエリアは 同じ意味を持つものである。これらの新用語を使えば ゴルフコースは i) ティーイングエリア、ii) ジェネラルエリア、iii) ペナルティーエリア、iv) バンカー、v)パッティンググリーンという 5 つのエリアから成ると言える。そう考えると ジェネラルエリアとペナルティーエリアというゴルフ用語を使った方が説明し易いことが分かり、ゴルフ用語を変えることの意味も理解できる。
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(4) 小さな出っ張りや窪みのようなもの:本来、rub には手などでこする、摩擦するといった動詞の意味やこすることという名詞の意味などがあるが、その他に physical hump(物理的なこぶ)とか obstacle(障害)というような意味もあり rub of the green といった場合は グリーン上にある小さくて気付かないような出っ張りや窪みのようなものと解釈すべきである。そして、それがボールを思わぬ方向に転がしてしまい 入ると思ったボールが外れてしまうような「不運」という意味で良く使われる慣用句だ。英語圏では 主に「不運」という意味合いでゴルフだけでなく(特に、スポーツでは)良く使われるフレーズだが 幸運なケースに使われることもある。因みに、この rub of the green の説明を英英辞典で見ると "Any accidental deflection of the ball by an outside agency (spectator, caddie etc)" などと説明されているが、outside agency (局外者) というゴルフ用語も新ルールになって outside influence (外的影響) と変更された。他にも、旧ルールのカジュアルウォーターは、新ルールでは テンポラリーウォーターと呼ばれるようになっている。
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