グリーンのコンディション|スピードと硬さ
♦ グリーンの速さ
グリーンの速さは 基本的に芝の刈り高を変えることで調整する。その日の朝に 確り刈り込まれ 転圧ローラーがかけられて 綺麗に仕上がったグリーンでは 軽くタップしただけで ボールは スーッと転がっていくが、ゴルファーなら そんなグリーンで何時もプレーをしたいと思うはずだ。
ゴルフコースのグリーンの速さは 通常 写真右の滑り台のような器具のスティンプメーター (Stimpmeter) と呼ばれる計測器で測って表記するが、7.5 以下なら 遅いグリーン、9.5 以上であれば 速いグリーン そして プロのトーナメントでは 11 〜 12 場合によっては それ以上のスピードにまで 引き上げられることも。しかし、芝を短く刈って 速いグリーンを長期間保つことは 芝の健康には 良くないので 通常 我々がプレーするコースでは 11 〜 12 といったスピードのグリーンにお目にかかることは あまりない。因みに、スティンプメーターは それを考案した エドワード・スティンプソン (Edward Stimpson) という人の名前から付けられている。以下は USGA が作成した スティンプメーター の動画(英語)で これが使われるようになった理由(どのグリーンのスピードも同じにするため)と使い方などを説明している。
グリーンのスピード表示は 平なグリーンで球を転がした時に それが転がる距離に基づくものである。従って、8 と 12 では 2 : 3 だから 8 のグリーンより 12 のグリーンは 1.5倍だけ早い訳だが 下りのグリーンでは その差がより大きくなる。そして それが 2倍以上転がるようなことも起きる訳で パットのタッチを合わせるのは より難しくなる。8 と 12 のスピードの差は 2倍以上と感じる人が(下りのパットでは 事実のこともあるが)少なくない。
また、グリーンの速さは 芝の刈り方に大きく依存するが その硬さや土に含まれる水分の量にも影響される。プロのトーナメントでは 速いグリーンにするために 芝をダブルカットした上に、さらに、グリーンを硬く、早くするために ローラーをかけるといったことが 一般的に行われる。しかし、乾燥しきったコースでそんなことをしたら 150ヤード以上あるようなショットで ボールをグリーン上に止めることは 至難の業になる。どのようなグリーンでも グリーンの硬さは プレーに 大きな影響を及ぼすが 速いグリーンでは その影響が 特に 大きくなるからだ。
♦ グリーンの硬さ
晴れた日が続けば グリーンは 硬くなるし 雨の日の後は 柔らかくなる。アイアンショットで グリーンをヒットした時にボールマークが付かないようであれば 硬いグリーンということだが そうしたグリーンで プレーをする時は グリーンセンターよりも少し短めに グリーンを攻めるのが 常套手段である。場合によっては グリーンの手前から転がして乗せていくことも有効なアプローチになる。もちろん、グリーンが硬くなっているような時は フェアウェイも硬くなっているから そうしたコンディションも考えてプレーをすべきである。
♦ アプローチでの注意点
グリーンの硬さは 短い アプローチショットにも影響するものだ。硬いグリーンでのチップショットでは ボールが落ちてから どの位 転がるかの判断が難しくなるが、ボールを上げれば 上げるほど その傾向は強くなるから、そうしたグリーンでは 出来るだけ 低いボールで転がした方が有利になる。また、グリーンの硬さは 風の強い 高台のグリーンが固くなる傾向にあるなど バラつきがあることも覚えておくと良いだろう。さらに、硬い下りのグリーンでは ボールが非常に良く転がるから スピードのコントロールが 特に 難しくなる。つまり、硬いグリーンで 受けていない場合は グリーンオーバーをしないように 十分注意してプレーしなければならない訳だ。
ラウンドの前に練習グリーンで練習する時には グリーンの速さだけでなく 硬さや芝目のことも考えてグリーンのコンディションを良く観察しておくことが スコアメイキングの鍵になる。練習グリーンで チップショットが禁じられている場合などは ボールを手で投げてグリーンの感触をチェックしておくと良いだろう。