グリーンの芝目|芝目の読み方
♦ グリーンの芝目 - 読み方の基本
そんな グリーンの芝目は 芝を良く観察することで その方向を見極めることが出来る。右のように 微妙な差ではあるが 芝が光って白っぽく見える角度があるとすれば それが 順目で 色の濃い方が 逆目である。この色の差が ハッキリしていれば 芝目は 強いのが普通と考えるべきだろう。パットのラインを ボール側からだけではなく 色々な角度から観察すべきだが その時に アンジュレーションだけでなく 芝目という観点から 芝の色にも 注意を払って欲しい。また、カップのエッジを見て 芝目が分かることも 少なくない。さらに、ルール違反の行為だが パターのエッジで グリーンの上を芝目に逆らってこすれば 芝目が逆立つようになるので 芝目の方向が分かる。なお、同じグリーンなら 短く刈り込んでいる時の方が 相対的に 芝目の影響が少なくなる。加えて、トップドレスをしたグリーンは 芝目の影響が少なくなる(アンジュレーションの影響は 大きくなる)と言うことも 覚えておくと良いだろう。
パットを打った後に アレッ と思うような結果になるのは 目の錯覚的なこともあるが、多くの場合、芝目が原因だ。正しくラインを読むためには グリーンのアンジュレーションだけでなく 芝目が最終的な パッティング ライン(スピードと曲がり具合)にどのように影響するかを判断できる能力が必要になる訳だ。アンジュレーションの影響は 目で見たとおりだから 誰もが グリーンを読む時に インプットしているはずだが 芝目の強いグリーンで 芝目の影響を考慮に入れなければ アレッ と思うような結果になってしまう。初めてのコースでプレーする時は ベテランのキャディーさんや そのコースを良く知っている人に 予め 芝目の傾向を聞いておくと良いだろう。
♦ 目ができる理由 - 芝目の見極め
日本のゴルフ場のグリーンで 最も多い芝は ベントで 次いで 高麗だが、関東以西の西南地域では ティフトンと呼ばれる バーミューダ芝の一種なども使われている。ベント芝は 高麗芝に比べ 芝目が出難いと言われるが それでも 山岳コースなどで 強い芝目に遭遇することは 少なくない。
では、どんな理由で 芝目はできるのだろう。芝目は 1) 水、2) 日光、3) 風の影響で出来ると言われるが 中でも 最も影響の大きいものが 水である。通常、芝目は 水の流れる方向に向くので 山の斜面にあるコースでは 谷側に そして 池や川などが近くにある場合は そちらの方向に 芝目が向くのが普通である。その次に 影響の大きいものは 日光で 芝目は 午後の太陽の光の方向に 向く傾向がある。つまり、西の方に 順目になる傾向がある訳だ。三つの要素の中で 通常は 影響力の最も少ないものだが、風が何時もある方向からばかり吹いていれば 芝目は 風下に向いていくことになり 風の強いリンクスのコースなどでは そうした芝目のグリーンが見られる。グリーンの芝目を見極める時には そうしたことを計算に入れて判断すべきであろう。
もちろん、芝目には 強弱があるということを考慮しなければならない。例えば、前述の全ての要素がある方向に一致している場合は 強い芝目になるし、逆に、どの要素も 影響力が小さい場合や それぞれの要素が逆方向に向いている場合などでは 芝目が弱くなる。従って、単純に 池などに向かって 芝目があるといった知識だけで どのグリーンでも 同じような読みをしても 必ずしも 正しいラインが読める訳ではない。
最後になったが 芝を刈る方向によっても 芝目は変わると言うことに触れておこう。右の写真のように フェアウェイの芝を刈った時に残る跡からも分かるように 芝刈り機が走った方向に順目になる訳だが フェアウェイのボールでも 順目にあるボールの方が 僅かとは言え 打ち易くなる。多少 ダフっても ソールがスムースに滑って ボールを上手く打てる可能性が高くなるからだ。
一方、グリーン キーパーは グリーンの芝を 芝目が少なくなるように 刈るのが普通である。水や風など 自然の力によって作られる芝目に対して 逆目のラインで芝を刈れば 芝目が減ることになる。芝目のない(少ない)グリーンでは 芝を刈る方向を日々変えるようにして 芝目が出ないようにするのが 一般的だ。また、芝目を減らすように 芝をカットするための(グルーマーのような)道具を使うこともある。最近では 新しい品種のベント芝が使われ初めており そうした芝は(管理に手間がかかり 費用もかさむが)密度が濃く シーズンを通して短く刈ることも可能で 比較的 早くて芝目の少ないグリーンを維持することも可能になっている。
♦ ラフの芝目 - プレーの仕方
ラフからのショットでは ボールを打つ方向に対して 芝が順目か 逆目かと言うことが プレーに大きな影響を及ぼす。クラブヘッドが ボールに(意図した方向とスピードで)当たる前に 芝に食われれば ボールを思うように コントロールできなくなる。スイングした時に クラブヘッドに対する芝の抵抗が 逆目であれば より大きくなるから コントロールがし難くなるのは 言うまでもない。
従って、グリーン周りで逆目のラフにボールが沈んでいる場合は 確りスイングしても飛距離を抑えることの出来るサンド ウェッジを使ったショットを選択するのが普通である。ラフからのアプローチで どんなショットをすべきかは そんな芝の抵抗も考慮する必要がある。例えば、洋芝のラフは 野芝のラフより 水気を多く含み抵抗の大きな芝だから そんな所で プレーする時は 芝目に より注意を払う必要がある。極めて ラフが深く ボールが沈んでいる時などは バンカー ショットのように エクスプロージョン ショットのテクニックが有効なこともある。
また、セカンド ショットが ラフからのショットで それが逆目のライにある場合も 工夫を要するケースだ。そんな逆目のラフからのショットの基本は どんなケースも クラブヘッドの入りと 抜けが良くなるようにすること。つまり、ボールは 右足寄りにし アップライトなスイング軌道で クラブ フェースは 若干オープンということになる。深い逆目のラフにボールが沈んでいる時は そこから最低限のダメージで脱出することを考えるべきだろう。