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ルールの覚え方|体系的に整理して覚えよう

Introduction
ゴルフルールは 近年 大幅に改定され かなり分かり易くなった。とは言え、現在のルールにも 依然として分かり難くく 覚え難い側面が残っている。そんなゴルフルールだが ゴルフというゲームの本質とルールの核になっているゲームの原点と精神 そして 異なるルール間の関連性を体系的に整理すると ルールは かなり分かり易く、覚えやすいものになる。以下は そうした考え方に基づいて ルールを体系的に整理して理解し 覚えるために役立てて欲しい動画と解説である。

ゴルフルールを体系的に整理して覚える上で まず初めに知って欲しいことに「球は あるがままにプレー」という大原則がある。それをするのに支障がある場合は「救済」を受けられるが それには 罰が適用される場合と そうでない無罰の場合とがあり それに関係するのが ゴルフコースの(バンカーとか グリーンといった)エリアの概念だ。ここでは そんな「エリア」と「救済」のことから説明を始めることにしたい。

エリア (area)

エリア
まず はじめに 覚えて欲しいのは ゴルフコースが大きく5つのエリアからなり それぞれのエリアに異なるルールが適用されるという基本。バンカーとパッティング グリーンには エリアという言葉が使われていないが バンカーもパッティング グリーンも5つあるエリアの1つだと覚えておいて欲しい。実は 新ルールになって2つのゴルフ用語が使われなくなった。それは ウォーターハザードとスルーザグリーンという用語で それぞれペナルティーエリアとジェネラルエリアという新用語に取って代わられた。ゴルフを始める人にも分かり易い言葉が選ばれた訳だが、スルーザグリーンという用語は 特に 英語圏の一般人には何を意味するのか分かり難いものだった。また、水が無くとも 水に入った時と同様の救済を受けられるエリアを設定することがあるので ウォーターハザードという用語も それに適したペナルティーエリアという新用語に変更された。そして、赤杭に適用されたラテラル (lateral) という言葉もなくなり 単に レッドとイエローをつけて呼ぶことになり 旧ルールのラテラルウォーターハザードは レッド ペナルティーエリアになった。さらに、そのレッドが標準になり イエローは むしろ 特殊なペナルティーエリアになったと言えよう。

救済 (relief)

ゴルフルールを覚える上で理解して欲しいのは ゴルフというゲームが "あるがままの球を打つ" ゲームで それに支障がある場合は 救済を受けられるが それには 罰が適用される場合とそうでない無罰の場合とがあることである。それに前述の5つのエリアと コース外のエリアであるアウトオブバウンズ (out of bounds) 略して OB が深く関係している。1打罰の元に救済を受ける対象になるのは OB とペナルティーエリアに入った球で 前者の場合は ストロークと距離 即ち OB を打った所からの打ち直しの救済が与えられる。ペナルティーエリアの場合は 加えて その境界線を横切って 球がエリア内に入ったポイントを基点にした救済を受けることもできる。また、エリアに関係なくアンプレヤブルの球を宣言することで1打罰の下に その球のあった所を基点にした救済を受けることもできる。

一方、罰なしの救済を受ける条件として大切なのが 障害物 (obstruction)、異常なコース状態 (abnormal course condition) という概念である。障害物は その名の通りプレーの障害になる人工物であるが 動かせるものと動かせないもの (movable / immovable) に分けて それぞれ異なるルールがある。動かせない障害物の例には カート道路があり、異常なコース状態には 一時的にできた水溜りや修理地などがあるが そうしたものがプレーに影響を及ぼす時は 例外はあるが 救済のニヤレストポイント (nearest point of relief) を基点に救済を受けられる。なお、そこで必要になる 球のドロップを含む救済を受ける時に守るべき一連の手順に係わるルールが (詳細) 大きく変更された。他方、ルースインペディメント (loose impediment) 即ち 石ころや枯葉など 簡単に動かすことのできる自然界のものがプレーに影響を及ぼす時は 原則 自由にそれを取り除いたり動かすことができるが コースに生えている木や草、パッティング グリーン上以外の所にある砂、地面に埋まっている石などは コースと不可分の部分 (integral object) と定義されるもので この限りでない。また、動物や観戦者など 本来 ゲームに影響を及ぼすべきでないものがプレーに影響を与えた場合も 救済の対象になることがあり そうしたものは 外的影響 (outside influence) と定義され どのような時に救済が受けられるのかがルールブックには示されている。

ところで、新ルールでは 他にも変更になったり 新たに加えられたゴルフ用語が 幾つかあるので ここで紹介しておこう 。まず、救済に関しては 救済の基点 (reference point of relief) と救済エリア (relief area) という概念が採用され 新用語として加えられた。また、異常なコース状態 (abnormal course condition) は 旧ルールでは 異常なグラウンド状態 (abnormal ground condition) と呼ばれていた。そして、その一つである 雨の後などに一時的にできる水溜りは カジュアルウォーター (casual water) と言っていたが 新ルールでは テンポラリーウォーター (temporary water) になった。また、前述の外的影響 (outside influence) は 旧ルールでは 局外者 (outside agency) と言っていたものである。

罰 (penalty)

ルールに従ったプレーをしない時は 罰が科されるが 一般の罰 (general penalty) は2打罰である。一方、救済を受ける必要が生じた場合の罰は 通常1打罰である。例えば、球を動かしてしまった場合は あるがままの球をプレーするというルールに従ってプレー不可能になった訳だから 救済を受けて球を元の位置に戻すという考え方で1打罰でプレーすることになる。救済の球のドロップをヒザの高さから正しく行わなかった場合のように どちらのケースなのか 区別し難い違反もあるが、1打罰か2打罰かが定かでない時は この考え方に基づけば ほとんどのケースは 正しく区別できるだろう。因みに、肩の高さから球をドロップしてプレーしてしまった場合は 他に違反がなければ1打罰だし、救済エリア外からプレーしてしまった場合は それが重大な違反でなければ2打罰になる。また、重大な違反をして それを訂正せずにプレーした時は 競技失格になる。なお、新ルールになり それ以前には ルール違反で罰が科された行為や事象で無罰になったものがあるが それらは 全て1打罰で救済を受ける必要があった行為に対するものである。例えば、2度打ち、自分やその道具に自分の球が当たった時、球の捜索中に球を動かしてしまった時などで これらは1打罰であったが 新ルールでは 無罰である。

プレーのペース (pace of play)

規則5.6のタイトルは「不当の遅延;速やかなプレーのペース」(unreasonable delay; prompt pace of play) である。新ルールになって速やかなプレーのペースが強調されるようになり それ故のルール変更と解釈できるものもある。例えば、球の捜索時間は5分から3分までと短縮されたし、グリーン上で旗竿を挿したままのプレーが許されるようになり、球が動いた時の罰則も緩和された。新ルールでは 理由の如何を問わず グリーン上の球が動いたことに対する罰はなくなったから 球が動く心配がある時に わざわざ球をマークし直すような行為は その必要がなくなった。また、ゴルフのプレーの仕方において大切な概念の一つに アウェイ (away) 即ち ホールに対して遠くにある球や人があり、そのアウェイの球からプレーするという原則があるが それに対する概念もプレーのペースへの配慮との兼ね合いで 臨機応変 判断する 俗に言う ready golf が推奨されるようになった。ローカルルールになるが 前進2打罰の様なプレーの仕方も選択肢に加わっており 本格的な競技ゴルフ以外では そうしたルールの下でのプレーも推奨されている。また、マッチプレーで 両者が合意すれば アウェイでない人が時間節約のために先にプレーすることも許される。

ルールを体系的に覚える

ゴルフは レフェリーの立ち会いなしに行われるゲームで そこにあるコースの状態を変えずに (course played as it is found) あるがままの球を (ball played as it lies) ルールに則った打ち方で打ってプレーするゲームである。そして、プレーヤーの一人一人が 他のプレーヤーに対して心くばりをし、ゴルフ規則を守ってプレーするという その誠実さが求められるゲームでもある。ゴルフルールの原点には そうしたゴルフの精神 (spirit of golf) と言われるものの考え方がある。

ゴルフルールを効率的に覚えるにあたっては 以上の点をまずは 理解する必要があるが その上で ゴルフのルールを体系的に学べば ルールに対する知識の質も量も格段にアップすることになるでしょう。ルールを体系的に覚えるには 自分の中で断片的に覚えているルールを体系的な視点から整理することだが、例えば、コースと道具に係わるルールを理解した上で エリアごとに定められたプレーの仕方に係わるルールと救済に係わるルールの関係を整理してみるなど、幾つかあるルールの関連性などにも目を向けてみると良いでしょう。そうした視点でルールを常に見て学んで行けば このルールは あのルールと関連性があり だからこうなっているんだ。そんなルールの理解ができるようになるだろう。ルールをどれだけ熟知すべきかという疑問を持つ人もいるだろうが ゴルフというゲームを深く学びたいのであれば ルールに対する正しい知識を身につけることは 極めて意義のあることだと言えるだろう。

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