プレーファースト|守るべき大切なマナー
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• はじめに |
• 嫌われるタイプの ゴルファー |
• ハーフ 2時間 15分 |
• 義務でも権利でもない |
• スロープレーに対する罰則 |
• スロープレーになる理由 |
• プレーファーストの コツ |
♦ 嫌われるタイプの ゴルファー
ゴルフの楽しみ方は 人それぞれだから 他の人のプレーや言動に対する印象の持ち方が 皆同じと言うことはないが それでも 嫌われるタイプの ゴルファーには 共通した問題点がある。それは マナーに係わるものだが 中でも スロープレー の問題である。傍で見ていて プレーファーストの必要性に対する意識がない また 低いと思われる人は 一緒にプレーしたくないと思われる可能性が高い。また、意識して 努力しているように見えても 要領が悪く 結果的に プレーが遅くなっている人も 嫌われる可能性は 高い。つまり、どちらも 嫌われるタイプの ゴルファーだが、好かれる ゴルファーになるには プレーファーストに対する意識、知識、能力が 不可欠なのだ。ゴルフの経験が浅い人の中には "へぇー" と思った人が居るかも知れないが そんな人は 特に ここで 少し 時間を割いて 以下の説明を 一読して下さい。
♦ ハーフ 2時間 15分
ハーフ 2時間 15分というのは ティーグラウンドでの準備の時間やホール間の移動の時間も含め パー3 でのプレーを 10分、パー4 を 15分、パー5 を 20分で完了するようなペースである。中・上級者ばかりで ある程度スムースに プレーが進行すれば ハーフは 2時間あれば 十分ラウンド出来る。2時間 15分というペースは それに 途中でボール探しに 多少時間がかかったり、ちょっとした トラブルがあることを想定したもので、実は 普通にプレーしている 中・上級者ばかりの組の人の多くは 理想を言えば ちょっと 遅いかな 位のペースである。それでも、そのスピードでプレーをしていれば スムースにプレーをしているフォーサムを(時々は あるにしても)普通は 毎ホール 何分も待たせることはないだろう。まずは 2時間 15分以内でラウンドすることを守ることが重要だ。
♦ 義務でも権利でもない
では 2時間 15分のような ゴルフ場が お願いベースのようにして定めている許容時間を守るのは 義務だろうか。外国には そうした許容時間を守れないグループには プレーをさせないと明言しているパブリック ゴルフ場もあり、それが義務のこともあるが 近年 日本では それを守れないグループに対して 目をつぶって 何も言わない ゴルフ場が少なくない。初心者や ハイハンデの人が プレーに時間が掛かるのは 仕方がない。そんなニュアンスで 黙認してるように見える。
2時間 30分で ハーフをラウンドするグループは 2時間のペースでラウンドするグループを毎ホール平均で 4分近く待たせると言う理屈だが 7分間隔で スタート時間が設定されていれば コースには ハーフごとに 約 19組の ゴルファーがプレーしていることになり ハーフ 2時間 30分のラウンドをしたグループは ある意味 50 ~ 70人の人達を 毎ホール 3 ~ 4分間程度 待たせている可能性があると言うことだ。毎ホール、毎ホール 3分も 4分待つ ゴルフは 誰でも 苦痛に感じるものだ。自分の真後ろには 普通 3 ~ 4人の人が待っているのが見えるだけだろうが 仮に 50人の人が そのスロープレーを後ろで 待って見ているとしたら どうだろう。
一方、2時間 15分のような時間が設定されている場合、それさえ守れば プレーファーストへの配慮は 必要はない。つまり、自分たちの権利だと考えている人も居るようだが 果たして そうだろうか。前述のように 名門クラブのガイドラインが 2時間程度ということからも分かるように その辺りのペースまでは(過度に 急ぐ必要はないだろうが)配慮をすべきと言うのが 暗黙のルールであり、マナーだと考えるのが安全だと言えよう。いずれにしても、プレーファーストに関しては 義務も権利もない訳だが 自分のプレーは 少し遅いかもと思った方は 後述の「プレーファーストの コツ」を熟読し 何を変えるべきかを考えて欲しい。
♦ スロープレーに対する罰則
競技ゴルフでは スロープレー防止を目的として 競技委員会が競技規定に準じて 正規の 1ラウンドや 1ホール、1ストロークについて それぞれの許容時間の限度を決めることも含め 最低 守るべきプレーのペースをローカルルールで定めるのが一般的だ。当該ルールに違反した時のペナルティーは 初回の違反が 1 打罰、2 回目の違反で 2打罰、その後 更に 同じ違反があった場合は 競技失格となる。但し、旧ルールでは 初回の違反に対するペナルティーを 2打罰とすることが標準だった (但し、ローカルルールで 1打罰とすることは珍しくなかった) ので 競技によって罰則が異なっていた。アマチュアの公式競技として普及しているクラブの月例競技では プロの試合のように 競技中のプレーのペースを 常時 チェックして警告や罰則を適用するのではなく、ハーフを 2時間 15分 以内で ラウンド出来ずに 且つ 前の組から 1ホール以上遅れていた場合をスロープレーと定義し ハーフ終了時に その状態であった組の全員に 2打罰のペナルティーを課すというローカルルールで競技を行っているクラブが多かったと思うが、新ルールでは 1打罰と言うことになろう。
一方、PGA や LPGA の競技では より細かなスロープレーの規定が そのローカルルールで規定される。具体的には 前のグループとの間が(大雑把に)1ホール以上開いた時点で アウトオブポジション (out of position) の状態だと判断され スロープレーに対する警告がなされ、遅れがその後も認められる場合は ペナルティが課されることになる。(» 詳細)ゴルフのテレビ中継で 選手が走っているのを見かけるだろうが それは 大抵の場合 少しプレーが遅れているグループの選手がスロープレーの警告を気にして走っているのである。一度警告を受けると時間を気にしてプレーをしなくてはならないので、精神的に大きなハンデになるからだ。
♦ スロープレーになる理由
どんなにスピードプレーを心掛けても 2時間 30分以上かかってしまう人には 色々な理由があるだろうが まず 間違いなく 以下のいずれかの理由が 最低一つは 該当するはずだ。即ち、
(1) 準備を始めるのが遅く 無駄が多い - 自分の順番になるまで 動作を開始しない |
(2) 動作が遅い - サッサと歩けなかったり、判断が遅かったり |
(3) ボールを捜している時間が長い - ボールが何処へ行ったかを良く見ていない |
(4) 何打も打つ必要がある - 特に、左右に大きく曲がると時間がかかる |
まずは (1) (2) (3) の理由で 遅くならないように心掛けるべきだが、それでも ボールがあちこちに行って (4) の理由で 時間がかかってしまう人は 必要に応じて(競技ゴルフでは そのルールを遵守する必要があるが)そのホールのプレーを ギブアップするなど プレーの一部をスキップすることも考えて欲しい。例えば、ダブルパー(パー 4 であれば 8打)を打った時点で、同伴者、又は 後ろのグループを かなり待たせていると感じたり 前のグループとの間が大きく開いていると思ったら そのホールのプレーを止めるといった位の考え方で プレーをすることだ。それでは 正しいスコアがでないと言う人も居るだろうが 競技であれば 不当な遅延で失格になる状態でプレーをしていては 正しいスコアも 何もないはずだ。なお、2019年からの新ルールでは ローカルルールで 1 ホールごとの最大ストロークを設定することが許されているので 自分たちの最大スコアを 最初に話し合って スロープレーにならないような工夫をすると良いだろう。
以上のように、スピードプレーは プロであれ アマチュアであれ 十分に配慮しなければならないマナーであり ルールである。特に、不必要なところで時間を無駄に使って 同伴者のペースを乱すことは避けたいものだが、加えて、プレーのペースは 自分のショットにも悪影響を及ぼしてしまうものだから そうした観点からも 気を付ける必要がある。
♦ プレーファーストの コツ
いずれにしても、スロープレーの最大の原因は ショットをする準備に入るのが遅いという理由にある。そうした人の多くは 大抵の場合 同伴者のショットが終わるのを待って 行動を開始するというパターンでプレーをしていることが多い。同伴者の邪魔にならない範囲で(並行的に)自分がボールを打つ準備を同時に進めることが必要だ。
勿論、動作が遅く 無駄に時間を使って プレーの遅い人は 最も嫌われる ゴルファーであるが スロープレーで迷惑をかけまいとして(要領が悪く)自分のプレーを変にしてしまう人も ちょっと考え物である。そうした人の中には 普段 時間の使い方が下手な人が少なくない。プレーファーストの実践は 第一に キビキビ動き 無駄な時間をなくすコツを覚えることである。つまり、
(1) スピードアップのプロセスを 自分のルーティーンに上手く取り込むこと |
(2) 打ったボールが 何処へ行ったか 良く見ておくこと |
(3) テンポ良く サッサと歩く癖を付ける(必要な時は 小走りにする)こと |
まず、第一に スピードアップのプロセスの一つとして 心がけるべきことは ボールのある場所に 使う可能性のあるクラブを 何本か持って早く移動し 次のプレーに必要な準備をすることである。同伴者のボールの位置よりも先に行って 飛球線の近くに立つことは 良くないが そうした邪魔にならない範囲で ボールに最も近く 安全で邪魔にならない場所に早く移動し 打つクラブを決めて 必要であれば 素振りをするなど、打つ準備をしておく癖を普段から付けるべきである。なお、カートやキャディーから ボールが離れていて 何本かのクラブを持って行く時は 一緒に 少し大き目の乾いたタオルを持って行くようにすると グリップを露などで濡らすことがなくなるし クラブを忘れるようなこともなくなるので 良いだろう。また、カートに戻った時に 全員が前進する準備が出来ている場合は クラブをキャディーバックに入れることなく 手に持ってカートに乗り カートを直ぐに動かしてもらい 次のポイントで止まった時に クラブをキャディーバッグに戻すようにするのが(常識的で)必要な配慮である。
次に、カートを使ってのセルフプレーの場合は カートの先送りである。スピードの遅い自走式のカートでは 特に 注意すべき点だが、例えば、下図のような状況であれば A にカートを止め グリーンでのプレーを行い それから A にあるカートに戻って 次のホールに移動するのではなく、最初に B まで カートを移動させておいて グリーンでのプレーを済ませ(リモコンが使える場合は グリーンでプレー中にリモコンでカートを B まで移動させても良いが)B にあるカートに乗って 次のホールに向かうようにすべきである。後続のグループは グリーンが開き次第 ショットが打てるし 自分たちは 少なくとも カートが A から B まで 動く時間をセーブできる。
第三には、グリーン上でのプレーで グリーンに乗ったら すぐに自分のラインを良く観察し 自分の打つ順番が回ってきた時には 出来る限り 自分のラインの状況が把握できているようにしておくこと。特に 自分が最初に打つ必要のない場合には 先に打つ人が ラインを読んでいる間に その人の邪魔にならない範囲で 自分のラインを確り見ておくことだ。また、ホールアウトしたら グリーン上でスコアをつけたりせずに直ぐにグリーンから出るのが 正しいマナーである。
最後は 新しいホールや 自分のボールに移動した時などに 自分の打つ順番にも係わらず ボールを打つこと以外のことをするのも時間の無駄使いだ。そうしたことは ボールを打ってからでも 普通は出来るはずである。
いずれにしても、ショットの前後の動作で無駄をする人と しない人との差が スロープレーに大きく影響することになる。その基本となるのが 右の考え方 即ち 同時並行で行える動作を 同時に進行させることである。また、自分のショットの前に行う ショットのイメージ作りやクラブの選択、心の準備、素振りなどを含めた一連の動作(所謂、プリショットルーティーン)については スピードプレーの面からも無駄のないスタイルを良く研究して欲しい。例えば、ショットのイメージ作りやクラブの選択など ルーティーンの一部のプロセスは 他の人がボールを打っている間にでも出来る訳だ。また、ボールの前に立ってから迷ったり、考え過ぎたりしても良い結果にはつながらないから 流れるように ショットに入れるようなルーティーンを普段から身につけておくことも大切。構えてから ジーとして 色々なことを考え、それからボールを打つとか、何度も何度も素振りをするというスタイルは 百害あって 一利なしである。
時間をかける必要のある場面では 確り時間をかけてプレーをする。そうしなければ ミスが多くなるのは 当然だから その区別が 確り出来ることも大切である。時間をかけるべきところでは 焦るようなことがなくなるようにしたいものだ。無駄に時間を使わない人が時間を使う時には それなりの理由があり それは ゴルフを知っている同伴者であれば 通常は まったく苦にならないものである。
プレーファーストのコツが確りと身に付けば どんな時でも余裕を持ってプレーが出来るようになるから ゴルフをより楽しむことも出来るし、スコアアップにもつながるはず。普段の練習時から プレーファーストも考えた ルーティーンやプレイングスタイルの研究も心掛けて欲しい。