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テンポラリーウォーター|ルール解説

Introduction
テンポラリーウォーター テンポラリーウォーター (temporary water) とは 雨の後のコース上に 一時的にできる しかし 暫くすると消える水溜りや泥濘のことで 2019年のルール改定前は カジュアルウォーター (casual water) と呼ばれていたものである。ルールブックには「ペナルティーエリア以外のコース上で プレーヤーがスタンスを取る前や スタンスを取った後に見える 一時的な水溜り」だとも定義されている。以下は そんなテンポラリーウォーターのルールについて 分かり易く解説した約 3分の動画である。詳細は その下のテキストで説明しているので そちらを参照下さい。

テンポラリーウォーターの救済

TW は 異常なコース状態の一つであり それがプレーに影響を及ぼす時は 修理地がプレーに影響を及ぼす時と同じ規定に従って 救済を受けることが出来る。ただし、何度か足踏みをしなければ しみ出してこないような水では テンポラリーウォーター (以下 TW) とは言えない。なお、雪と自然の氷 (霜を除く) は プレーヤーの選択で TW もしくは ルースインペディメント (» 詳細) として扱えるが 露と霜は TW にはならない。詳細は 規則 16-1 異常なコース状態 に定められているが 基本的に 以下の3通りのケースについて その処理の仕方を整理して覚えておくべきであろう。

1) ジェネラルエリア 2) バンカー内 3) グリーン上

下のテーブルは 起こり得る 自分のプレーと TW の関係 及び その救済について分かり易く纏めたものだが 救済が受けられる時は 完全な救済の概念に基づいて ニヤレストポイント(» 詳細)から 1クラブレングス内の ホールに近づかない所に 球を ドロップしてプレーをすることが出来るが この時 プレーヤーは 救済を受けずに その球をそのままプレーする権利も有する。

プレーと TW の関係 補足 救済
球が TW の中 TW とは水溜り、雪と自然の氷が対象で 霜と露は対象外
スタンスが TW の上 スタンスを取る前 及び 取った後に見える一時的な水溜り
プレーの線上に TW パッティング グリーン上の球以外の全てのケース ×
パッティング グリーン上の球

完全な救済 / ニヤレストポイント

ニヤレストポイント
障害物や異常なコース状態などを理由に救済を受ける場合は その救済を受ける理由になったものの影響が完全になくなる救済、即ち、完全な救済 (complete rerief) を受けなければならない。常に その考え方の下に 救済のニヤレストポイントは 決められなければならないが カート道路などと異なり TW の境界線が どこになるかが明確でないケースもあるはずだから まずは その点を間違いなく確認する必要がある。

また、当然のことながら、有利なショットアングルを考えて 少しスタンスが救済を受ける理由になった TW にかかるが 球を取り敢えず その TW の外にドロップするというような 中途半端な救済は 完全な救済の観点から受けられないので 間違いのないよう。なお、二アレストポイントの概念を熟知していない人は こちらを参照下さい。» 詳細

ジェネラルエリアの TW

ジェネラルエリア 即ち グリーン、ペナルティーエリア、バンカーを除く コース上のエリアにある TW の救済措置は 修理地や穴掘り動物の穴の中や土の上などに球があった場合の処置と同じで 救済の二アレストポイントから 1クラブの範囲内で ホールに近づかない所に 球を綺麗にしてから ドロップ出来るが TW になるエリアと境界線については 十分注意して確認をした上で 二アレストポイントを決める必要がある。この時、前述のように、完全な救済を受けなければならないが、加えて、救済のニヤレストポイントは ペナルティーエリアやバンカー内 また パッティンググリーン上であってはならないとも定められている。

また、比較的 稀なことだが、例えば、カート道が TW の中にあり、そのカート道の上に球がある場合など、複数の理由で救済を受けられるケースもある。そうした場合は カート道を救済の理由にしても良いし、TW を救済の理由にしても良いが、最初に どちらを選択するかによって 最終的な救済の二アレストポイントが異なることもある。つまり、最初に カート道という理由で救済を受ければ、その救済によって TW という別の救済を受けられるエリアの中が最初の救済の二アレストポイントになり、そこを基点に球をドロップすることが出来、その後で TW の救済を受ければ 最初に TW を理由に救済を受ける場合と大きく異なる場所から球をドロップし プレーをすることも可能になるのである。当然、自分に都合の良い方の選択肢でプレーすべきである。

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バンカー内の TW

一方、バンカー内の TW がプレーに影響を及ぼす場合も 無罰の救済を受けることが出来るが(規則 16-1c)救済のニヤレストポイント(» 詳細)と球をドロップする場所は 原則 バンカー内でなければならない(規則 16.1c)と決められている。ただし、同ルールで完全な救済が得られないようであれば バンカー内で その状態から最大限の救済を受けられ ホールに近づかずに、しかも、球のあった所に出来るだけ近い所に球をドロップすることが出来るとも定められている。前述のように ジェネラルエリアで 同様の救済を受ける時は 完全な救済が Must な訳だが その点は 状況が異なる。それでも その条件下では 極めて プレーし難い場所にしか球をドロップ出来ないケースも出てくるだろう。そうした場合やドロップが許されるバンカー内のエリアが完全に水で一杯になっている場合でも 無罰の救済を受ける限り 球は そのバンカー内にドロップされなければならないとなっているから アンフェアーで アンラッキーなケースも起こり得る。

バンカー内の救済
一方、新ルールの下では 如何なる場合でも 図のように 1打罰の下に ホールと球のあった場所とを結んだ線上で そのバンカーの後方に救済の起点を決めて球をドロップしてプレーを続行する選択肢(規則 16.1c 2)が与えられるようになったので バンカー内でのドロップが出来ない時や極めて不利な状況になる時には この選択肢でのプレーも可能になった。アンフェアーさが完全に解消された救済とは言えまいが 元の場所に戻って打ち直す ストローク アンド ディスタンスの選択肢よりは 通常 有利な条件になる。

グリーン上の TW

他方、球がパッティング グリーン上にある場合で そのグリーン上の異常なコース状態(TW)が プレーヤーのパットの線上にかかる時は 救済を受けることが出来るが 球は TW がプレーに影響を及ぼさない救済の二アレストポイントにプレースされなければならない。完全な救済が得られないようであれば その状態から最大限の救済を受けられ しかも ホールに近づかない所で 球のあった所にできるだけ近い所に 球をプレースすることができる。救済のニヤレストポイントや最大限の救済を受けられる最も近い箇所は ジェネラルエリア上であれば パッティング グリーンの外であっても良い。なお、球がパッティング グリーン上にない時は TW がプレーの線上にかかっていても それだけでは 規則 16-1 の障害には当たらず 救済の対象にはならない。つまり、普通であれば パターでプレーするような カラーに球がある時でも それがグリーンの外にあれば 救済は受けられないと言うことだ。

プリファードライの規則と TW

雨の日などに プリファードライ (preferred lies)、所謂、6インチ プレースや 1クラブレングス プレース可のルールの下で競技が行われることもあるだろうが、そうした場合でも TW のエリアと境界線には 十分な注意を払ってプレーをすべきである。ルールに則り、まず、救済を受けるために 救済のニヤレストポイントから 1クラブレングス内で ホールに近づかない所に球をドロップしてから 6インチであれば その範囲内で 1回だけ 球を綺麗にしてから それをプレースすることが出来る。この時にも 自分にとって最も有利なコンディションでプレーが出来るよう 関連ルールの知識を確り整理して覚えておこう。

最後に余談になるが 新ルールになり それまでは 前述のように カジュアルウォーターと言っていたものが テンポラリーウォーターと呼ばれることになった訳だ。実は カジュアル (casual) という英語には カジュアルウェアのように リッラクスしたとか フォーマルでない (informal) という意味があり その意味の方が良く知られているので 別の意味である 不規則な間隔で起きる (occasional; occurring at irregular or infrequent intervals) というような意味もあるものの 分かり難い側面があった。一方、新たに採用された テンポラリー (temporary) と言う言葉は 別の意味に取られることがないので ゴルフ用語としては こちらの方が分かり易さの面で適していると言えるだろう。

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