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プリファードライ|ルール解説

Introduction
ゴルフコースの状態が 悪天候の影響などで悪い時に ライを改善してプレーすることを許す ローカルルールが プリファード ライ (preferred lies) である。詳細は この後 説明するが 6 インチまで動かして良いとするのが 最も一般的。英語の動詞のプリファー (prefer) には ... の方を好む という意味があり プリファード ライで 自分にとって 好ましいライという意味になる。

同じことを意味するゴルフ用語に ウィンタールール (winter rules) また 6 インチ(プレース)ルールがあるが、他にも 英語では よりカジュアルな言い方として "lift, clean and place" とか "roll your ball'" など、色々な言い方がある。また、ウィンタールールの対義語として ノータッチ(和製英語)のルールをサマールールと言うこともある。

球はあるがままの状態でプレー

ゴルフの規則 9.1 のタイトルは「球はあるがままにプレーする」だが そこには 規則に別の規定がある場合を除き 球はあるがままの状態でプレーされなければならない、英語では "The ball must be played as it lies, except as otherwise provided in the Rules." と明記されている。その「球はあるがままにプレーする」と言う規則を変える規定が プリファード ライである。

当該規定は 本来 ゴルフ場や競技委員が その日のコースの状態や競技の趣旨、性格等を考慮して設定するものだが、公式競技で プリファード ライのローカルルールが採用されることは 雨でコースがぬかるんでいる日などを除けば 基本的にはない。一方、会社のコンペなど、ハイ ハンデの人が多く参加する競技では 天候やコースのコンディションに関係なく採用されることも 珍しくないものだ。プライベートのラウンドで(良いスコアを出易くして 楽しむと言う観点から)臨機応変、採用しても良いだろうが、ゴルフは 様々なライから如何にボールを上手く打つことが出来るかを競うゲームであり 6 インチルールなどの下にプレーすることは そのゲームの本質を変えてしまう行為であることは 良く認識しておいて欲しい。

プリファード ライの条件

プリファード ライと一言にいっても その条件は 一定でないし ルールで許される行為と許されない行為があることを忘れてはならない。そうした点については 知らない人も 少なからず居るようなので 以下に 詳細を説明する。

ボールを動かせる条件 注意点
★ ファエアウェイのみ vs ジェネラルエリア
★ 6-インチ vs ワンクラブ - 稀に リプレース
(どんな時も ボールは 綺麗に拭くことが出来る)
★ 拾い上げる前にボールをマーク
★ 手でボールを拾い上げること * 注 (1)
★ 1度プレースしたら 後は動かせない
* 注 (1):クラブで ボールを転がすなどは ルール違反

つまり、ボールのライを改善できる条件が (a) フェアウェイのみなのか、ジェネラルエリア(グリーン上と ハザード内以外は 何処でもという意味)なのか (b) どれだけボールを動かせるのかなどが プリファード ライ と一言にいっても 異なる訳だから まずは その条件を確認する必要がある。最も一般的な条件は ファエアウェイ のみ 6 インチ(約 15cm)であるが、競技委員の判断によっては ジェネラルエリア、ワンクラブという極めて緩やかな条件が設定されることもある。なお、ボールを動かせる範囲を最初にボールがあった場所から ピンに近付かない範囲で 6 インチ以内にすることを(正式なゴルフ用語ではないが)6-インチルールと称し、仲間内の会話では フェアウェイのみ 6 インチルールで などとも言う。

当該ルールの条件に従って ボールを動かす時に 先ず 行わなければならないのが ボールを拾い上げる前に それをマークすることだが、その後、ボールを拾い上げて、綺麗にボールを拭き、ボールを好ましい状態で コース上にプレースするという一連の動作においても ルール違反を犯す可能性があるので 上記の注意点については 熟知しておくべきである。

ローカルルール参考例

以下は プリファード ライのローカルルールの説明の参考例である。

ジェネラルエリア(または より限定的に 例えば「6番ホールでは」)の「芝草を短く刈ってある区域」にある球は 罰なしに拾い上げて拭くことができる。球を拾い上げる前に プレーヤーは その位置をマークしなければならない。球を拾い上げた後、プレーヤーは その球を元の位置より 6 インチ (1 クラブレングスとすることも可)の範囲内で ホールに近づかず、ハザード内でも パッティンググリーン上でもない所にプレースしなければならない。

プレーヤーは 自分の球を 1度だけプレースすることができ、球がプレースされた時点で その球は インプレーとなる。球が範囲内のエリア内に止まらない場合は そこに最も近く止まる所にプレースする。プレースした球が プレースした箇所に止まり、そのあとで球が動いても、罰はない。その球は 他の規則の規定が適用となるのでなければ あるがままにプレーされなければならない。プレーヤーが球を拾い上げる前にその位置をマークしなかったり、他の方法(クラブで球を転がすなど)で球を動かした場合、プレーヤーは 1打の罰を受ける。

注:「芝草を短く刈ってある区域」とは、フェアウェイの芝の長さかそれより短く刈ってあるコース上のすべての区域(ラフを通り抜ける通路を含む)をいう。

プリファード ライは 邪道か?

以上の解説を読んで感じた人が多いことと思うが コースが悪条件でもないのに プリファード ライを認めるのは ゴルフのルール(精神)に反するものである。球は あるがままの状態でプレーしなければ ゴルフの本質が変わってしまうことは 言うまでもない。しかし、逆に言えば、コンディションが 極めて悪いゴルフ場でプレーする時には プリファード ライでのプレーの方がフェアーなゴルフになると言う考え方も出来る訳だ。ただ、正直なところ どんな状態なら プリファード ライでプレーすべきかということに対する明確な答えはない と言わざるを得まい。

また、フェアで愉快なゴルフを楽しめるようにするために(例えば、ゴルフを始めた初期の段階などで)ゴルフ場のコンディションに関係なく 上手に 当該ルールを採用することは スロープレー防止の観点からも 決して悪いこととは言えないものだ。従って、例えば、100 が常時切れるようになったら プリファード ライ から卒業するといった形で 自分のレベルと TPO を考えて プリファード ライを採用することを考えてみるのも一案であろう。自分に厳しくプレーするのは 良いことだろうが プリファード ライを 無条件に「邪道」と考える必要はないことを お忘れなく。

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