フェアウェイウッドの選び方|基礎から専門知識まで
一時、フェースの厚み(高さ)のあまりない シャロー・フェースで 重心を低くしたフェアウェイウッドが流行したこともあったが、最近のフェアウェイウッドのフェース厚は(下図参照)35mm 前後のものが殆どである。因みに、ドライバーのフェース厚は 50mm ~ 60mm 程度で ボールの直径が 約 43mm だから フェアウェイウッドでないと ティーアップをせずに 上手くボールを打つのが難しいことは 容易に 想像できよう。
♦ フェアウェイウッドのスペック
フェアウェイウッドの中で最も遠くにボールを飛ばせる ロフト 13° ~ 15° のクラブが 3番ウッドで 4番、5番、7番、9番、11番、13番ウッドと数字が大きくなるに従って 下表のように ロフトが大きくなり、シャフトが短くなる。メーカーにより、また、モデルにより この表と多少スペックは異なるが、下表のスペックは 標準的なものと言えよう。
番手 | ロフト | ライ角度 | シャフト |
#3+ | 13° | 56° | 43.0" |
#3 | 15° | 56° | 43.0" |
#4+ | 15° | 56.5° | 42.5" |
#4 | 17° | 56.5° | 42.5" |
#5+ | 17° | 57.5° | 42.0" |
#5 | 19° | 57.5° | 42.0" |
#7+ | 19° | 58° | 41.5" |
#7 | 21° | 58° | 41.5" |
#9 | 23° | 58° | 41.5" |
#11 | 25° | 58.5° | 41.0" |
#13 | 27° | 58.5° | 41.0" |
フェアウェイウッドのヘッドは ドライバー同様、チタン、アルミ、コンポジットなどの軽量素材を使用したものもあるが、あまり大きなヘッドではないし 総重量を ドライバーより多少重くする必要があるので スチールなど 比較的 重いメタルで作られたものが多い。チタンのヘッドに 高級グラファイト(カーボン)シャフトを装着したものも出回っているが、シャフトの長さと クラブヘッドの大きさなどのバランスを考えると スチール・ヘッドで 支障はないものだ。必ずしも、ドライバーで良いとされているデザイン・コンセプト(チタンの大型ヘッドと軽量シャフト)が そのまま フェアウェイウッドにも当てはまる訳ではないので 一部のデザインは オーバースペックといった観のあるモデルもある。
昨今のフェアウェイウッドは 昔のクラブと違って 重心が低く、深いヘッドなので 多少 クラブフェースの芯を外し 下の方に当たったボールでも ボールが上がるような クラブが多くなっている。アイアンだけでなく フェアウェイウッドも 芝の上にあるボールは 本来 ダウンブローにクラブを振ることで 芯を食うボールを打つことが出来るのだが、それが出来なくとも 最近のフェアウェイウッドは ある程度上手くボールが打てるようになっている。ただし、人によっては ボールが高く上がり過ぎる とか シャフトが長くて コントロールしずらいと感じるはずで そうした人は ユーティリティ という選択肢を考えてみると良いだろう。 » 詳細
♦ 他のクラブとの比較
以下は キャロウェイの三種類のクラブ、即ち、アイアン、ユーティリティ 、フェアウェイウッド のスペックを比較したものだが、そのロフトとシャフトのスペックを比較して欲しい。
番手 | アイアン (X Forged) | ユーティリティ (X HOT) | フェアウェイウッド (X HOT) | |||
ロフト (°) | シャフト (") | ロフト (°) | シャフト (") | ロフト (°) | シャフト (") | |
3 | 21 | 39.00 | 19 | 40.25 | 15 | 43.00 |
4 | 24 | 38.50 | 22 | 39.50 | 17 | 42.75 |
5 | 27 | 38.00 | 25 | 38.75 | 19 | 42.25 |
6 | 30 | 37.50 | 28 | 38.00 | 21 (7W) | 41.75 |
この表からも分かるように それぞれのクラブは 番手(数字)で ロフトが決まる訳ではない。基本的には 同じ数字であれば、アイアン < ユーティリティ < フェアウェイウッド の順で 飛ぶスペックに作られているのである。しかし、同じ キャロウェイのアイアンでも 例えば X2 HOT のスペックは 上述の X Forged とは 異なり、#3 (18°/39.5") - #4 (23°/38.875") - #5 (26°/38.25") のようになっているので、タイプの違うクラブの番手ごとのスペックの比較は どのタイプのクラブも 単純には出来ない側面があることも知っておいて欲しい。とは言え、一応、この比較で それぞれのタイプのクラブの番手と飛距離の関係は 概ね 理解してもらえただろう。
♦ クラブのセッティング
最後になったが、フェアウェイウッド選びで注意すべき点は フェース角のフローで ロフトが大きくなるに従って フェース角をオープンにしていくのが正しいフローである。また、重量においても アイアンとのバランスやフローを考えるとよりバランスの取れたセットにすることが出来る。(» 詳細)以下は 正しく調整された 上級者向け(やや重めの)FW のスペックである。
# | フェース角 | ロフト | シャフト | 重量 | |
#1 | ±0.0° | 10.5° | 45.0" | 320g | D2 |
#3 | -1.0° | 15° | 42.5" | 355g | D2 |
#5 | -1.5° | 18° | 42.0" | 360g | D2 |
#7 | -2.0° | 21° | 41.5" | 365g | D2 |