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アタックアングル 5°

Introduction
グリーン周りの寄せで失敗しない。それには ダフり難いショットを学ぶことが有効であるが、そこで知って欲しいのが アタックアングル 5° のダウンブローという概念である。詳細は この後 順を追って説明するが 5° とは 底辺と高さが 1m:9cm もしくは 11cm:1cm の三角形に相当する角度。芝をブラッシングするようにクラブを振った時、スイング最下点の 9cm 程手前で ボールをヒットすれば そのアタックアングル 5° 前後でボールが打てる そんなイメージである。

アタックアングル 5° の効用

5° とは
通常、クラブヘッドの軌道は 円運動に近い動きをするから その円軌道の最下点に近いところでは 右図のように その角度は小さくなる。仮に、それが半径 1m の円運動だとすると最下点の 9cm ほど手前のポイントで シャフトの先端(青点)は 5° 下方向に動く軌道にある計算だ。つまり、スタンスのセンターが アプローチショットのクラブヘッドの円軌道の最下点になるとすれば(円軌道の半径を 1m と仮定すると)ボールは その 9cm 手前にあれば 5° 前後のダウンブローで クラブヘッドがボールにコンタクトすることになる。グラブヘッドの軌道が 図のようであれば 軌道の最下点の手前 0 〜 10cm の幅の間にボールがあれば ボールを上手く打つ事ができる理屈である。円軌道の半径が大きくなれば その幅は 応分に広くなるし、ボールが浮いていて 打ち易いライにある時も その幅は 少し広くなるだろう。

では、なぜ アタックアングル 5° くらいのダウンブローで打つのが良いのか、その効用について説明しよう。まずは 添付の動画(英語の音声解説付き)を見て欲しい。左は ボールを右足のかかとの外側の前に置いて ハンドファーストに 18° のダウンブローのスイングをした時のクラブヘッドの挙動で、右は それが 5° で ボールの位置は スタンスの中央である。左右の違いをよく見て欲しい。
アタックアングル 5° の効用
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ウェッジのバウンス
ご存知のように ウェッジには ソールに比較的大きなバウンスがある。ウェッジによって その大きさや形状には 違いがあるが サンドウェッジであれば 10° ~ 15° また 他のウェッジでも 普通 6° ~ 10° 程度のバウンスがある。右図は バウンス角が 12° (赤) で 少し丸みを帯びた形状のバウンスのサンドウェッジで 図は シャフトを 5° (黄) 前傾させ 若干 ハンドファーストにソールを芝 (緑) に接地させた時の状態を示したものである。ソール中央 即ち ミッドソールが接地している状態だ。また、図には 18° と 5° の矢印を書き込んである。18° の入射角で クラブヘッドを落とす場合は 参考図よりハンドファーストの度合いが大きくなるから ミッドソールではなく リーディングエッジからヘッドが接地することになり 地面にクラブが引っかかる形になって ダフる可能性が高くなる。つまり、ボールの真下にクラブが綺麗に入り込まない限り 18° のようなダウンブローのスイングでは ミスショットになることを示唆している。

どんな考えとイメージの下に チップショットをしているかは 人それそれと思うが チップショットは アタックアングル 5° くらいのダウンブローで打つのがダフリのミスをなくすには ベストなのだ。そうなるようにショットをすれば クラブは そのリーディングエッジから接地することはなく 余程のことがない限り ソールは ボールの下に綺麗に入ってくれる。それが アタックアングル 5° ± 5° の角度で見られる訳だから 5° をターゲットにしてやれば 良いのである。ソリッドに クラブヘッドが ボールにコンタクトするゾーン(以下 Solid Contact Zone = SCZ)が最大になるアングルなのである。つまり、最もミスし難い(誤差の許容範囲広い)打ち方が アタックアングル 5° で クラブを振れるように工夫されたスイングなのである。

一方、ボールを右足寄りに置いて ハンドファーストに かなりのダウンブローで ボール直前にヘッドを入れて ボールをクリーンに打とうというイメージで ショットをする人が少なくないと思うが そうした打ち方をしたのでは 成功率は 低くならざるを得ない。そうした場合、クラブは リーディングエッジから接地することになるから クラブがボールに当たる前に地面に落ちた時は エッジが引っかかる形になる。必然的に クラブヘッドは ボールに当たる前に 動きを止めることになるから ダフることになる。ボールの真下にクラブが綺麗に 正確に 入り込まない限り そのようなダウンブローのスイングでは ミスショットになる訳だ。

チッピング・スタイルの構築

グリーン周りの寄せで失敗しないためには 以上の観点から まずは 正しい考え方を理解すること、そして、その正しい考えに則った打ち方をするには どうすれば良いのかを学ぶこと、さらに、その理想の打ち方を 繰り返し 正確に再現できるようにする術を学ぶことである。

5°
まず、正しい考え方という点から気をつけて欲しいのは アタックアングル 5° のような小さな角度を意識すると 今度は ボールの横っ腹をリーディングエッジで打ってしまう人も出てくるということ。ドライバーやパターでは アッパーブローになるゾーンで ボールを打った方が良いという考え方になるが チッピングでは あくまでも ダウンブローにクラブを振ることが重要である。シャフトが 5° だけ ハンドファーストになるイメージを意識してみると良いのだが どの位にすれば 5° になるのかを 鏡を見たり ビデオに撮ってチェックするなどの方法で 確認しておくと良いだろう。

次に考えて欲しいのが 円軌道の半径を大きくすることである。そうすることで SCZ が応分に広くなるからだが、その観点からは コックを抑え気味に クラブ振ることが有効。クラブをパターのように振るのも一案だが オーソドックスな チッピング・スタイルで打つのであれば 次のようなスタイルが オススメである。

スタンスの中央にボールを置き シャフトも フェースも スクウェアにセットする。そこから 手の位置を 僅かに 5° 分だけ ハンドファーストにし(フェースは 応分に少し開く) それをバックスイングをする前の構えの形とする。そこから 手首の動きを抑えて クラブを 5° だけ インサイドに引いていくが その振り幅は フォワードスイングで 躊躇なく 確りクラブを振った時に 距離が合うような大きさに調整すること。スイング軌道の最下点は ボールの真下に イメージすれば良いだろうが あまり多くのことを考えずに シンプルにクラブが振れるように工夫すべきだろう。そうした意味では 全て 5° が基準になると覚えておけば シンプルで 迷うこともなくなると思う。

以上のように シャローにクラブを振って ソールが上手く滑るような打ち方ができれば ミスの許容範囲が広がる訳だが その許容範囲を最大限に生かすために 実は 綺麗にボールをヒットしに行くのではなく ほんの少し手前に ある意味 故意にダフり気味に打つようにするテクニックを使っているツアープロも居る。状況にもよるが 多くの場合 そうすることがダフらない秘訣であり ショットの成功率を高めるのに効果的なテクニックと言うことだ。その考え方からすれば ボールの位置は スタンスのセンターにして スイングの最下点がボールの真下にくるようなイメージで スイングすれば良くなる。以下は チップショットは シャローにクラブを振ることと説いたビデオ(シャローが 何°くらいかの言及はない)であるが 併せて 参考にして欲しい。

チェック・ポイント

このように リストの動きを最小限に抑えて シャローにヘッドを入れるテクニックが 最もオススメな方法であるが 注意すべき点は スイング軌道ばかりに気が行って 体が左右や上下に動いたりすれば 狙ったポイントにクラブを落とすことができないことも多くなるという点。そうした意味では ホールまでの距離の短いアプローチでは パターのイメージで 下半身の動きを利用しない打ち方をするのも一案である。また、自分のイメージと実際に起きていることに違いがある可能性もある。ボールは 前述の SCZ の中央にあれば ミスの可能性は 最小限になる訳だが 自分の SCZ がどうなっているのかについても よく確認して欲しい。

一方、ホールまでの距離が長くなると 腕とクラブの振り幅も大きくなるが 結果として コックも大きくなるので アタックアングルも大きくなる傾向がある。そのような時でも シャロ―にクラブを振るには 下半身の動きを上手に使い 前傾姿勢をキープして ヘッドアップにならないように 体を回転させながらボールを打つことだが 体の重心がブレないようにし 打つ瞬間に伸び上がらないようにすることなどにも注意して欲しい。そんな発想で 自分にとって最適な打ち方が どうあるべきかを研究してみると良いだろう。

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