アプローチ上達のツボ
このページのコンテンツ |
• はじめに |
• チェック ポイント |
• 正しいセットアップの考え方 |
• 下半身、肩、腕、手の動かし方 |
• クラブの落とし方 |
• 様々なライへの対応 |
• 好ましいテンポとリズム |
(2) 距離感を養う
(3) 方向性を良くする
この三点は (1) (2) (3) の順に ある意味 重要度が落ちるが、これらを念頭に 正しいボールの位置、下半身、肩、手、腕の動かし方などについての理解を深め、どのようにボールを打てば良いのかを学ぶことがアプローチ上達のツボである。
♦ チェック ポイント
ダフったり、トップすることが多く、ボールをクリーンに打てないのではないかと言う心理状態で ショットをするようでは 成功率は低くならざるを得ない。どんなショットにも言えることだが まずは その心配がなくなるような テクニックの習得が重要。そこで、以下のチェック ポイントについて自分のショットがどうなのか、そして、何を変えれば 必要なテクニックの習得が出来るのかを考えてみよう。
(b) 正しい姿勢と構え方
(c) スクウェアにクラブを置く
(d) 下半身、肩、腕、手の動かし方
(e) クラブの落とし方
(f) 好ましいテンポとリズム
♦ 正しいセットアップの考え方
正しいセットアップという観点から考えるべきことは前述のチェック・ポイント (a) (b) (c) の三点である。 まず、最初のポイントの 正しいボールの位置は 右の図 - 1 のとおり、ボールをスタンス中央か それよりも 少し右に置くこと。ボールを 上げて打ちたければ PITCH の位置、一方、低いボールで転がしたければ LOW-CHIP の位置に置くべきで 打ちたいボールに応じて ボールのポジションは 臨機応変 その範囲内で変えれば良い。ただし、ボールを上げたいという理由で スタンス中央(PITCH の位置)より左に置いてはならない というのが大原則だ。
次に、正しい姿勢と構え方で スクウェアに クラブを置くと言うことであるが クラブを少し短く持ち スタンスは 右イラストのように 狭くして 膝を軽く曲げて構える。イラストは 少し ハンドファーストの構えになっているが その程度は 低い球で転がしたければ大き目に、柔らかくボールを上げたければ小さ目にすること。ハンドファーストで フェースをスクウェアに置いて構えれば 自然とロフトは立ってくる理屈だが 極端な ハンドファーストの構えで ロフトを立てるような構えは 避けるべきである。
♦ 下半身、肩、腕、手の動かし方
アプローチ ショットは クラブのリーディング エッジが地面に当たるように打つのではなく、ソールのバウンスを上手く(軽く 地面にぶつけるように)使って、ヘッドが 少し滑って抜けるように打つ必要がある。ヘッドが 少し滑って抜けるとは 平らな小石を水面に投げて 何度も はねて飛ばして遊ぶ 水切りの要領で 一定の角度と スピードがポイントである。そのためには 好ましい下半身、肩、腕、手の動かし方をマスターする必要がある。僅かな動きであるが 下半身が リードするように フォワード スイングを始動させることが ダウンブローになり過ぎずに 適度な アタック アングルで クラブを落とすためには 不可欠だ。そして、右肩でボールを打つようなイメージで 腕は 軽くクラブを落とすだけの意識で コックを リリースすることなく 一定の手首の角度を保ち 一定のスピードでクラブを振るように工夫してみよう。下のイラストの手とシャフトの動きを見て欲しい。
最も 避けたい動きは 腕の屈伸によって クラブを持ち上げて 落とすという動きである。左肘を 曲げないようにして 左腕を ほぼ垂直な プレーンの上を 動く 振り子のように動かせば 腕の屈伸という動きには まず ならないはずである。腕の動くプレーンと クラブヘッドの動くプレーンは 異なるが どちらも それぞれのプレーンから 外れないようすること。また、この時、手首の動きは 使わない(即ち、左腕とクラブのシャフトの成す角度を キープする)という意識で 手と腕の力を 適度に抜いてスイングすることも大切だ。それでも、トップの切り返しでは 手首の僅かなコックが(手と腕の脱力が正しく出来ていれば)少し入るはずで それが 正しい腕とクラブの振り方である。なるべく 大きな筋肉を使ってショットをする訳だが その時に 左手の甲が フィニッシュでも ターゲットを指すように 手首を返さずに 腕を出来るだけ パッシブに そして 多少 ハーフトップ気味になっても良いくらいの気持ちで クラブのリーディングエッジではなく ソールの底を芝に 軽くぶつけるようにしてやれば良いのである。
♦ クラブの落とし方
さて、ここで前述もした ソールの底が上手く芝にぶつかるクラブの落とし方について補足説明しよう。ショットの時に クラブヘッドがアドレスした時の位置に戻り、クラブのリーディング エッジがボールの真下の芝(地面)に コンタクトするというイメージ 即ち 右図 (1) のようにクラブを 比較的 鋭角に(右手主導で)落としていく人も居ると思うが そのイメージでは 少しでも手前にクラブが入れば ダフって ミスることになるだろう。
そうではなく、右図 (2) のように シャロ―なダウンブローで ボールの少し先が スイングの最下点になるように そして クラブのソールの底で軽くブラッシングするように クラブを(左腕の振り子の動きを使って)落とすのが 正しいアプローチ ショットの打ち方のイメージだ。そうすれば、クラブの抜けが良くなり、ショットのリズムも良くなるだろう。ただ、クラブでボールを ピックアップしようとすれば トップすることが多くなるから そうしたイメージで スイングするのは NG である。いずれにしても、ほとんどの ミス ショットは ボールの手前に クラブが ドスッ!と入って ダフるケースで それは (1) のようなイメージで 鋭角に クラブを落として ボールを打とうとするからである。(2) のように クラブを シャロ―に振ってやれば ヘッドが 多少 手前に入っても 致命的なミスになる確率は 低くなる。
♦ 様々なライへの対応
さて、平らなフェアウェイや カラーなどにあるボールであれば 以上の基本を身につけることで 成功率は かなり高くなるはずだが そのボールのライの状況によっては 成功率が 一気に低くなるのが ゴルフの難しさだと言える。例えば、芝が薄い、ボールが沈んでいる、左下がりのライなのにボールを上げる必要がある、ラフが深い などといった状況である。そんな悪いライからのショットでは 幾つかの点を 基本となるショットの考え方とは 臨機応変 変えるべきである。まず、第一に 目標設定。普通にショットをしたのでは 失敗する確率が高いと判断したら 大きなミスが出難いショットの選択をし 必要であれば ピンの近くにボールを止めることを目標にするのではなく、グリーンに ボールが乗りさえすれば良いという考え方で ショットをすることが得策になる場合もある。常に、失敗のリスクと 成功のリターンのバランスを考えて ショット セレクションをするのが 正しいマネジメントだと言える。
ボールが上がり難いライからは ロフトのあるクラブを選択したくなるものだが、ロフトのあるクラブは ミスをした時のダメージが大きくなるのが普通で そうした選択は 必ずしも 賢いとは言い難い。場合によっては グリーン上に ボールを落とすのではなく 手前に ボールを落として ワン クッション入れるショットが有効なこともある。そんなことを念頭に ボールの上げ方、転がし方を 色々と研究してみることが アプローチの上達には 必要なことである。
右図のように クラブは 同じウェッジでも ロフトの違いだけでなく、ソール幅、バウンス角などが異なるので 状況に応じて どのようなクラブを使えば(例えば、7番アイアンからサンド・ウェッジまで)どんなボールが打てるのかということが判断できる クラブの知識(ボールの上がり方と転がり方の知識)も ショットの打ち方と一緒に覚えることで アプローチの実力は 更に アップするはずである。
♦ 好ましいテンポとリズム
最後になるが 好ましいリズムでクラブが振れるような スイングの大きさとテンポについて考えてみよう。使用するクラブと ボールからターゲットまでの距離に対して 適切な大きさのバック スイングと 好ましいスイングのテンポがある訳だが 緩まず 慌てずに クラブを振るという観点から 正確な距離感が習得できるまで 距離のコントロールを意識して研究を重ねて欲しい。必要最小限のバック スイングの大きさで ゆっくり、但し、確りクラブを振るということを考えてみよう。多くのミス ショットは (a) 大き過ぎるバック スイングで 確りクラブを振ることが出来ない、(b) 小さ過ぎるバック スイングのために(テンポが速く)慌てたスイングになる、の何れかである。ボールを打つ前に そのショットに最適なバック スイングの大きさと スイング スピードを 明確に イメージ出来るようにすることが上達の鍵である。また、ショットのメカニクスに注意を払い過ぎると フィーリングやリズムが悪くなって ミスにつながることもあるから 新しいアプローチ ショットの打ち方を導入するにあたっては あまり多くを考えずに クラブが振れるまで練習してから 実戦で使うようにすることもポイントであろう。