エクスプロージョン|砂の飛ばし方
♦ エクスプロージョン
それでは クラブヘッドをどのように砂に入れれば 前述のように上手く砂をエキスプロードさせ ボールを柔らかく飛ばすことが出来るのかを説明しよう。まず、典型的な失敗の例だが、それは 図 (A) のようなパターンのショットで、クラブをリーディングエッジから砂に鋭角落とすものだ。これでは ヘッドは砂の中に深く入り過ぎて前に進むことが出来ずに 砂が「ドッ」と一塊で動くだけで 砂のエキスプロードする力を上手く利用できない。砂がエキスプロードする力を上手く利用するには ボールの下の砂を浅めに切り取るイメージで飛ばす必要があるが、それを示したのが上図 (B) (C) である。
♦ フェースを開かない打ち方
上図 (B) のように、比較的少ない量の砂を飛ばす場合はクラブフェースを右図 - 1 のように あまり大きく開かないのが原則である。ほぼ スクウェアなスタンスの構えから クラブを僅かに(5° - 10°)開いて打つことになるが それでも ボールを高く上げる必要がなければ 上手くバンカーショットを打つことが出来る。ボールは 右図 - 1 のように 左足かかとの内側より 少しセンター寄りに置いた方が良いだろう。そして、気を付けないとクラブが砂に深く入り過ぎて 砂が「ドッ」と一塊で動く(悪い見本のような)ショットになってしまうので クラブヘッドを打ち込むのではなく、ボールの下の砂を飛ばせるようにクラブヘッドを上手く滑らせることがポイントだ。比較的少ない砂の量でボールを飛ばすことになるが、ボールの後ろ 5 〜 10センチ程度のポイントにクラブを入れることになる。
♦ フェースを開く打ち方
一方、より多くの砂を「パーン」と花火のように飛び散らすためには フェースを大きく開いて クラブのソールを上手く使って クラブを確り振ってもヘッドが砂に浅く入るような打ち方をする必要がある。ある意味 よくゴルフの教本で教えてくれるオーソドックスなバンカーショットの打ち方である。バンカーの砂が硬かったり、砂が少なかったりしなければ、成功率の高い打ち方になると言えるだろう。このショットは 右図 - 2 のように ボールとターゲットを結ぶ線に対してオープン(ほぼ 30°)なスタンスを取り、ボールを左足かかとの内側の延長線上に置いて、フェースを大きく(スイングのラインに対して ほぼ 45°)開いて 打つ方法である。その場合、スイングの方向は スタンスの方向で ターゲットの左に向かって打つ形になるが、フェースが開いて右を向いているので 砂はターゲットの方向に高く飛び出すので ボールはターゲットの方に柔らかく飛んでいくことになる。
♦ 二通りのショットの使い分け
フェースを開かない打ち方は ボールが少し砂に沈み気味な場合や砂が湿っていたり 硬めな場合に 特に有効な打ち方であるから、この二通りのスタイルの打ち方の両方をマスターして欲しい。そして、砂のコンディションやライの状態に応じて、この二通りのバンカーショットを使い分けることが、サンドセーブのパーセントを上げるコツだとも言える。
スタンスとクラブフェースの開き具合は 前述の二通りの打ち方の中間的なものでも良い訳で オーソドックスなフェースを大きく開く打ち方では フェースが開き過ぎている感じで 打ち難いと思う人は、自分にとって最も打ちやすいスタイルが何かを考えて見ると良いだろう。原則、ライが良い場合に最も確率の高いショットは、フェースを大きく開いて 砂を「パーン」と花火のように飛び散らす打ち方であるが、砂の状態が予想以上に硬いことはよくあることで、そうした可能性があると感じた時には フェースをあまり開かない方が安全だろう。いずれにしても、砂の飛ばし方については色々な方法があることを覚えておこう。
♦ ショットの練習方法と研究課題
なお、最初に エキスプロージョンショットを練習する時は ボールを置かずに砂だけを「パーン」と花火のように飛ばす練習をすると良いだろう。砂に目印になる線を引いて 自分のスイングで どの部分の砂がどのように飛ばされたのかを確認できるようにして練習すると良いだろう。この確認を兼ねた練習は 2 〜 3度やって止めるのではなく、少なくとも 10回は行って欲しい。
砂を上手く飛ばす感触がつかめたら、ボールのどの位後ろに(通常は 10センチ程度)クラブを落とし、ボールの下のどの位の量の砂を取れば良いのか、加えて、スイングのスピードは どの位が良いのかといったことをチェックしながら、飛距離、ボールの軌道、スピンなどがどのような結果になるかをチェックしながら、リピータブルな打ち方が身に付くまで 更に 繰り返し何度もこのショットの打ち方を練習しよう。上手く打てた時の感触(音と砂の飛び方)を忘れないようにして、それが繰り返し再現できるようになるまで練習して欲しい。
ところで、バンカーショットは 何時もサンドウェッジで打つショットという訳ではなく、打ちたい飛距離に応じて ロフトの立っているピッチングウェッジや 9番アイアンなどを使っても良い訳で、そうしたクラブを使った練習もしておくと良いだろう。バンカーショットの距離の調整でも 打ち方をあまり変えずに クラブを変えることによって行うという方法が有効だとされている。
最後に、砂が十分にないとか、雨で湿っているなどの理由で非常に硬くなっているバンカーでは フェースを大きく開いたエキスプロージョンショットを試みても クラブが跳ね返されて上手く行かないこともあるから、そうした危険性が高い場合には 取る砂の量を少なくしたり、場合によっては、バンカーの中でも ボールをクリーンに ピッチショットのように打つことが得策のこともある。何が何でも バンカーからはエキスプロージョンショットで脱出しなければならない ということではないことも覚えておこう。