パターは ピン or マレット
♦ ピンタイプのパター
パターの主要メーカーは その殆どが ピン型、マレット型 両デザインの パターを販売している。ピン型に関しては 以下のサンプルのように そのデザインに大きな違いはなく どのメーカーのパターを買っても そう変わらないと思うかも知れないが それを置いて構えた時、そして ストロークした時、また、ボールとヘッドがコンタクトした時の感触には 大きな違いを感じる人が多いはずだ。スコッティーキャメロンが絶大な人気を誇るのは その辺りの違いによるところが大きいと言えよう。
Scotty Cameron | Oddysey | PING | Taylor Made |
ピンタイプのパターは もともと ピンアンサーシリーズの 大ヒットで広まった ヒールとトーに重量を配分した ヒール トー デザインで 指の上にシャフトを載せ クラブをバランスさせた時に トー側が下になる 所謂 トーハング (toe-hang) のヘッドが特徴で タイガー・ウッズや ジョーダン・スピースなど、世界に名だたる トップツアープロの多くが 愛用してきたものだ。ヘッドの動きをコントロールして 微妙なタッチを出し易いデザインのパターだと言えるが、ウッズやスピースが使っている スコッティーキャメロン (Scotty Cameron) は ピンタイプを代表するパターの一つである。(市販品モデルの詳細を チェックしたい人は このページのパターの写真を クリックで。)
♦ マレットタイプのパター
一方、マレット、ネオマレット系のパターを使用している トッププロが少なかった時代もあったが、現在では 数多くのトッププロが そうしたタイプのパターを使用するようになった。そのデザインは 多岐にわたるが、以下は そんな マレット、ネオマレット系のパターのサンプルである。
Scotty Cameron | Oddysey | PING | Taylor Made |
近年、多くのトップツアープロの間で 使われているのが 右上の写真の テイラーメイド スパイダーシリーズのパターだが、加えて、マレットと ピンの 中間的な デザインのパターの人気も高くなっている。例えば、スコッティーキャメロンの SELECT NEWPORT 3 や FASTBACK、また、オデッセイの オー・ワークス 17 #5 パターなどが その例である。L 字 パターと マレット型 パターの中間的なデザインとも マレットとピンの中間的なデザインとも言えるような デザインで フェース中央に エラストマーを インサートした デザインのパターは ある意味 新しいジャンルのパターだとも言えるが そんなパターの人気が高くなっている。
ブレード、ピン、マレットタイプのパターで 芯を外した時の結果を比べると距離と方向のブレは マレットが圧倒的に少なく 優れているから、芯を外して ストロークすることが多い アベレージプレーヤーには マレットがオススメのパターということになるが、マレットパターを選ぶ トッププロの狙いは そうした点 以外にある。トッププロの場合は 故意に芯を外すようなパットは 打つにしても アベレージゴルファーのような心配はないから 実は マレットの前述のメリットは あまり必要ない。しかし、最新のパターのモデルの特徴は 1) ラインにフェースを合わせ易いデザイン、2) 慣性モーメントの大きなヘッド、3) 順回転のボールが打てる フェースやグルーブといった デザインフィーチャーで それぞれ なるほどと思えるメリットがある。そして、そうした デザインフィーチャーを取り入れたパターが ピンタイプのパターではなく マレットタイプに多いのも事実である。
♦ ストレート vs アーク
指の上にシャフトを乗せて クラブを水平な状態に置いた時に フェースが真上を向くものを フェース バランスド パター (Face Balanced Putter) と言うが、マレットタイプのパターは L 字マレットなどの 例外を除き 基本的に フェース バランスドが普通だった。そうしたパターは クラブをストロークする時に フェースがスクウェアに保たれ易く、右図のように ストレートにクラブを引いて出すタイプの インライン パッティング ストロークをする人に適したタイプのパターだと言われてきた。それに対し 同様に 指の上にパターのシャフトを置いてバランスさせた時に クラブヘッドのトーが下を指すようなデザインのパターが トーバランスド パター (Toe Balanced Putter) で トーハング (toe-hang) タイプとも言うが ピンタイプのパターは 基本的に トーハングである。このタイプのパターは 図のアークの インサイドに引いて インサイドに出すような パッティング ストロークをするタイプの人に適したパターだと言われている。
しかし、最近は トーハング タイプのマレットパターが 実は 増えている。特に、マレットパターを使うトップツアープロの多くは そのタイプのパターを使うようになっていると言うのだ。それには トーハング タイプのクラブの方が 僅かながら ヘッドの位置を感じ易いという特徴があるからかも知れないが、それ以上に ストレートにクラブを引いて ストレートにそれを出す インライン パッティング ストロークで クラブの動きを正確にコントロールするのは 難しく そうした違いに ツアープロが敏感に反応した結果のように思える。
ピン タイプ |
Jordan Spiece Ricky Fowler Tiger Woods |
マレット タイプ |
Dustin Johnson Jon Rahm Jayson Day |