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インプレーの球|ルール解説
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♦ インプレーの球とは
ルールブックでは インプレー (In Play) という用語を「コース上にあり、ホールのプレーで使用しているプレーヤーの球の状態」だと定義している。そして、球は プレーヤーが ティーイングエリアから その球にストロークを行った時に インプレーの球になると定めている。ただし、マッチプレーでは プレーヤーがティーイングエリア外からストロークを行った球でも、対戦相手がそのストロークを取り消さなかった時、その球はインプレーの球になるとも定めている。一方、球はホールに入るまでインプレーのままとなるが、次の 1 〜 4 の場合には インプレーではなくなる。
1. | その球がコースから拾い上げられた時; |
2. | その球が紛失した時 (コース上に止まっていたとしても); |
3. | アウトオブバウンズ (OB) に止まった時; |
4. | 別の球に取り替えた時 (規則で認められていなかったとしても) |
加えて、ルールブックには インプレーでない球は 誤球で どんな時でも プレーヤーは複数のインプレーの球を持つことはないし、規則が「止まっている球」または「動いている球」に言及する場合は インプレーの球を意味するとルールブックには記述されている。さらに、ルールに従って インプレーの球をマークしてプレーする時は 球が拾い上げられるまで その球は インプレーであるし、その後に球をリプレースした場合、そのボールマーカーが取り除かれていなかったとしても 球をリプレースした時点で その球はインプレーになるとも定めている。
♦ 球の拾い上げと球をプレーに戻す時
インプレーの球をルールに従って拾い上げることは良くあることだが、その球、または、別の球をインプレーの球としてプレーに戻す時は注意を要する。例えば、救済を受けた時に球がルールに従って正しくドロップされなかったり、プレースされていなければ、ルール違反になる。ただし、その球をプレーする前の段階で間違いに気がつけば、球はインプレーの球になっていない訳だから その球を拾い上げて 正しい方法で球をインプレーの状態に戻すことが出来る。しかし、正しくドロップされなかった球をプレーしてしまえば 以下の例のように ペナルティーが課されることになる。
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♦ 暫定球の処置
ロストボールや OB の可能性が高い時に打つことがある暫定球のルールを正しく理解する上でも インプレーの球の知識は一助になるはずだ。暫定球を宣言して 二つ目の球を打つことにより 最初の球がインプレーの状態で見つかれば それ続けてプレーすることが(義務にはなるが)許されるのが暫定球のルールである。ただし、暫定球宣言をせずに二つ目の球を打ってしまえば その時点で 二つ目の球がインプレーの球になるから 後に最初の球がコース内で見つかっても それをプレーすることは出来ない。一方、暫定球は それをもう一度打ってしまえば それがインプレーの球になると思っている人もいるだろうが、実は必ずしもそうではない。暫定球として打った球がインプレーになるのは それが最初の球よりホールに近くある時だとルールは定めているので 最初の球より手前にある暫定球は それを幾ら打っても最初の球が見つかった時に 最初の球をインプレーの球としてプレーする(義務でもあるが)権利を有するのである。暫定球に関わる判断では どの時点で どっちの球がインプレーの球なのか、そのように考えてプレーをすれば 良いのである。
他にも、インプレーの球の定義をよく理解していれば判断のつくルールが幾つもある。例えば、ティーイングエリアでティーアップしたボールを打つ前にティーから落としてしまった時は(ストロークによって落としていない限り インプレーの球ではないので)無罰になるなど。いずれにしても、インプレーの球ということの意味、よく覚えておいて下さい。