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ドロップゾーン|ゴルフルール解説
ペナルティーエリアや修理地で時々見かけるドロップゾーン (Dropping Zones) に係わるルールは 2019年の時に若干の変更があった。しかし、当該ルールは ゴルフ規則の本文のセクションに載っていないローカルルール関連の事項なので ゴルフ規則の細則「委員会の措置」の中で扱っているアイテムである。従って、新旧ルールでの変更点でも説明されることが殆どないものである。ここでは そのドロップゾーンに係わる細則の内容と変更点について説明する。 (新旧ルールの変更点だけを確認したければ 最後のセクションを)
♦ ドロップ区域に係わる規定
前述のように、ドロップゾーンに係わる規定は ゴルフ規則の本文中にない。それは 規則の「委員会の措置」のセクション 8 の 8E 特別な救済措置や義務となる救済措置、その E-1「ドロップゾーン」英語版では "dropping zones" に記載されているアイテムである。ペナルティーエリアや修理地などに(それ以外にも適用されるケースはあるが)ボールが入った時の救済で 規則に従って処置することが不可能 または 実際的でないと委員会が考えた場合、ボールをドロップできる または しなければならない 右のようなドロップ区域が設置されることがある。ただし、このようなドロップゾーンは 特殊なケースを除き 強制的なものというよりは 基本のルールに基づいて適用できる処置に追加される救済の選択肢で(他の選択肢より有利な選択肢になることが多いが)通常は そこからプレーをする義務はないものである。
♦ 規定の具体的な内容
前述の 8E 特別な救済措置や義務となる救済措置、E-1「ドロップゾーン」には まず 関連する規則を以下の通り列挙し、加えて、ボールのドロップ、再ドロップについて 以下のように規定している。
規則 13.1f | 目的外グリーン (Wrong Green) |
規則 16.1 | 異常なコース状態 (Abnormal Course Conditions - Including Immovable Obstructions) |
規則 16.2 | 危険な動物の状態 (Dangerous Animal Condition) |
規則 17 | ペナルティーエリア (Penalty Areas) |
規則 19 | アンプレヤブルの球 (Unplayable Ball) |
さらに、ローカルルール例 E-5 のストロークと距離、ロストボール、アウトオブバウンズ、F-23 テンポラリーの動かせない障害物が関連する。 |
ドロップゾーンを使用する場合、球のドロップ または 再ドロップに関しては 次の規定が適用となる。
球をドロップする場合、プレーヤーは そのドロップゾーンの中に立つ必要はない。 |
プレーヤーがドロップゾーンを使うことにした場合、救済エリアは そのドロップゾーンによって定められ、球はそのドロップゾーンの中にドロップされ、そのドロップゾーンの中に止まらなければならない (規則 14.3 参照)。 |
ドロップゾーンを地面に引いた線で定める場合、その線は そのドロップゾー ンの内側となる。 |
♦ 旧ルールの規定
当該規則を旧ルールでは 付属規則 I - ローカルルール;競技の条件、(B) ローカルルールの参考例、8 ドロップ区域 (用語もゾーンではなく区域となっていた) で扱っており、その内容は 以下の通りだった。
(a) | プレーヤーは球をドロップする際に ドロップ区域内に立つ必要はない。 |
(b) | ドロップされた球は ドロップ区域内のコース上の箇所に最初に落ちなければならない。 |
(c) | ドロップ区域が線で定められている場合、その線はドロップ区域内である。 |
(d) | ドロップされた球は ドロップ区域内に止まる必要はない。 |
(e) | ドロップされた球が規則 20-2c (i-vi) に規定されている場所、即ち、(i) ハザード内に転がり込んで止まった場合; (ii) ハザード内から転がり出てハザードの外側に止まった場合; (iii) パッティング グリーン上に転がり込んで止まった場合; (iv) アウト オブ バウンズへ転がり出て止まった場合; (v) 規則 24-2b (動かせない障害物) や規則 25-1 (異常なグラウンド状態)、規則 25-3 (目的外のパッティング グリーン)、ローカルルール (規則 33-8a) により救済を受けた、その状態による障害のある場所に また転がっていって止まった場合、または 規則 25-2 (地面にくい込んでいる球) により球を拾い上げたそのピッチマークの中にまた転がり戻って止まった場合; (vi) ドロップした際に球がコース上に最初に落ちた箇所から 2クラブレングス以上転がっていって止まった場合は、再ドロップしなければならない。 |
(f) | ドロップされた球は その球がコース上に最初に落ちた箇所から 2クラブレングス以内に止まり、(e) で規定される所に止まらなければ、ホールに近づいて転がってもよい。 |
(g) | (e) と (f) の規定のもとで、ドロップされた球は 次の (i) - (iii) の場所よりもホールに近づいて転がりこんで止まってもよい。(i) 初めの位置 または 推定された位置 (規則 20-2b 参照); (ii) 救済のニヤレストポイント または 最大限の救済を受ける地点 (規則 24-2、規則 25-1 または 規則 25-3); (iii) 初めの球が ウォーターハザード または ラテラル・ウォーターハザードの限界を最後に横切った地点 (規則 26-1) |
要するに、上記の (d) 〜 (g) が削除された訳だ。
♦ 新旧ルールの変更点
つまり、旧ルールでは ドロップゾーン内に球が止まらなくとも 旧ルールの球のドロップの条件に係わる規定を満たしていれば良く、加えて、ゾーンの境界線の外に出てホールに近い所にまで転がった球でも その球がコース上に最初に落ちた箇所から 2クラブレングス以内に止まっていれば良かったのだ。新ルールでは ゾーン内に球が落ちて その中に止まらなければ 再ドロップが要求されるので 旧ルールの知識を持っている人は間違いのないように。
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