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打った球の動きが変えられた時|ルール解説

Introduction
二つのゴルフボール
自分の打った球が 人や道具に当たって方向を変えたり、止まったりすることがある。そんな時、どう対処したら良いのか。案外、間違え易いルールになっているが、対応を誤れば 当然 ペナルティが科される。そのルールの詳細は 規則 11「動いている球に係わる規則」に記載されているが、分かり難いので、ここでは その内容を分かり易く整理してみた。なお、新ルールになり変更されたポイントの解説もしているので その確認もして下さい。

状況の整理

当該ルールに関して まず 注意すべき点、覚えておくべきポイントは A) グリーン上からのプレーと B) グリーン以外の場所からのプレーで ルールの適用は 大きく異なると言うこと。そして、何によって 動いているボールが方向を変えられたり 止められたりしたのか によってもルールの適用が異なるので、その観点から 頭を整理する必要がある。対象物という意味では 下表の 1) ~ 7) の 7種類もの対象物があるが、当該ルールの要点を分かり易く整理したのが下表である。

状況 A) グリーン上から B) グリーン以外の場所から
1) 外的要因
人や動物、風で飛んできた物など
人や動物、風で飛んできた物(例えば、小枝や紙袋など)によって球の動きが変えられた場合は そのストロークを無効とし リプレー。ただし、ミミズや昆虫などの場合は 救済なし。 ボールが止まった所から そのままプレー続行。誰にも罰はないが、人や動物が止まっている球を 持ち去ったり 動かした場合は 元あったと思われる所に球をプレースして プレーを続行。
2) アテンドした旗竿や人 2 打罰で ボールが止まった所から プレー続行。アテンドなしの旗竿は 無罰。 同左
(旗竿にアテンドした時は 新ルールでも 当たれば 2打罰)
3) 自分の携帯品
道具やカート
新ルールになり無罰 - 球が止まった所から プレーを続行。 同左
4) 同伴競技者の球 2 打罰で 球が止まった所から プレーを続行。 無罰で ボールが止まった所から プレー続行。同伴競技者は元あったと思われる場所にボールをプレース。
5) 同伴競技者とそのキャディー アテンドしたケース以外は そのストロークを無効とし リプレー。 無罰で ボールが止まった所から プレーを続行。
6) マッチプレーの対戦相手、キャディーとその携帯品 偶然であれば、 無罰で球が止まった所からプレーを続行するか そのストロークを無効とし リプレーすることも出来る。(リプレーでは 球をプレース) 同左
(ただし、リプレーでは 球をドロップ)
7) 自分と自分のキャディー 新ルールでは無罰。但し、旗竿にアテンドしたキャディーに当たった場合は 2 打罰で 球が止まった所から プレー続行。 旧ルールでは 球が自分か自分のキャディーによって偶然に方向を変えられたり 止められた場合は 1 打罰だったが、新ルールでは無罰。その後は その球が止まった所から プレー続行。

球と球が当たった時

上表の 4) は 静止している球に動いている球が当たった時のことであるが、二つの動いている球と球の場合は 少し状況が異なる。グリーンの外からのプレーについては 4) の説明同様、球が止まった所から 無罰でプレーを続行することになるが、グリーン上で ほぼ同時にパットをしてしまった場合は 後から打つべき人は 球が当たる、当たらないに拘わらず 2 打罰で 球が止まった所からプレーを続行しなければならない。一方、正しい順番でプレーをした人は 無罰であるが、球が当たらなければ プレーをそのまま続行するが、球が当たった場合は その結果の如何を問わずそのストロークを取り消しとし リプレーとなる。

4) の静止している球に動いている球が当たることは 比較的頻繁に起こるが そうした場合は 上述の通り 無罰で 球が止まった所から プレー続行になる。球を当てられた同伴競技者は 元あったと思われる場所に球をプレース。以下は 止まっている球に球がぶつかって ホールインワンが出たシーンの動画である。

新旧ルールの変更点

ここで説明したルール―の内、新ルールの施行によって変更されたものには (a) グリーン上からのプレーで ピンは 必ずしも 抜く必要がなくなるので それに関連する規則違反は なくなったこと (b) 動いている球が 偶然 自分や自分の携帯品 または キャディに当たった場合に 旧ルールで科せられていたペナルティーは 新ルールになって 科せられなくなったこと (c) アテンドした人 or ピンに 球が当たった時の罰則とその後の処置がある。

特に、(a) (b) については 罰がなくなったので良いが、(c) については 覚えておくべきことがある。ピンにアテンドしてもらってプレーをする場合は 旧ルール同様 ピンやアテンドした人に球が当たれば 新ルールでも ペナルティーが科される可能性があるが、どんな時に 誰に どのようなペナルティーが科されるのかという意味では 新旧ルールでは 大きな違いがある。まず、新ルールでは ピンに球が当たっても それが偶然 (accidentally) 起きた場合は 誰にも罰はない。ただし、アテンドした人が ピンに当たると分かっているにも拘らず (英語では deliberately と表現される行為で JGA は それを故意と訳しているが) ピンを抜かなかったために当たったと判断されれば ペナルティーが科される。ピンにアテンドしたのが プレーヤーのサイドの人間であれば プレーヤーにペナルティーが科されるが、それが同伴競技者のミスの場合は 同伴競技者のペナルティーになる可能性がある。ルールを知らずにアテンドすることになり ピンに球が当たるのを見ていた場合や よそ見をしてピンに球が当たってしまった場合は ペナルティーになる可能性が極めて高い。ペナルティーは 旧ルールのように ストロークプレーであれば 2打罰 また マッチプレーであれば そのホールの負けである。また、ピンを残したままパットをしたにも拘らず ボールが止まる前に ピンを抜いた場合は そのボールが当たる可能性があったと判断されれば ピンを抜いた人(サイド)に ペナルティーが科されるので その点にも注意する必要がある。

なお、自分が打ったボールが アテンドしてもらったピンに当たって自分にペナルティが科されるケースは 打ち直しをせずに ボールが ピンに当たって止まった所から プレー続行となる。例えば、パットは入ったが キャディーにアテンドしてもらった ピンにボールが当たってしまった場合は そのストロークを数え、2打罰を付加し、そのホールをホールアウトすることになる。ピンに当たって ボールが入らなかった場合は ボールが止まった所から 2打罰で プレー続行が正しい処置である。

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