ラウンド中の練習|ゴルフルール解説
♦ 練習ストロークとは
要注意 |
練習スイング ↕ 練習ストローク |
スイング練習 器具の携帯 |
♦ プレー中のホールでの練習
まず第一に、ホールのプレー中に練習ストロークをしてはならないというルール(規則 5.5a)がある。つまり、うっかりプレー中に見つけたロストボールやレンジ(練習用)ボールなどをクラブで打ってしまうとルールで禁止されている練習ストロークをしたことになり ペナルティ(2打罰)が課される可能性が高い。但し、以下は練習ストロークに該当しない:i) 球を打つ意思なしに行われる練習スイング、ii) 単に親切心で練習区域や別のプレーヤーに球を戻すために打つ、iii) ホールの結果が決定したプレーヤーがそのホールを終えるために行ったストローク。
♦ ホールとホールの間の練習
一方、ホールとホールの間、例えば、ティーショットをすぐに打つことが出来ずに待っている間の練習ストロークに関しては状況が異なり 例外として 以下の場所やその近くでのパッティングとチッピングの練習は(ローカルルールで禁止されていなければ)許されている。
(a) | プレーを終えたばかりのホールのパッティンググリーン |
(b) | 練習用のパッティンググリーン |
(c) | そのラウンドの次のホールのティーイングエリア |
ストロークプレーの場合、プレーを終えたグリーン上での練習やボールを転がす行為についてはルール違反と覚えている人も居るだろうが 実は ローカルルールで一般的には禁止されているだけで その規定がなければ ルール違反に該当しない行為である。ただ、ホールとホール間の練習ストロークをローカルルールで禁止することは珍しくないので 公式競技に出る場合は そうしたローカルルールについても 出来ればチェックしておきたいものだ。加えて、覚えておいて欲しいのは そうした練習が禁止されていない場合でも ホールとホールの間の練習でプレーを不当に遅らせればペナルティが課される (規則 5.6) 可能性があることだ。いずれにしても、競技ではルール違反になりそうな練習は(ルールを熟知していない場合は 特に)避けた方が無難である。
前述のように、ローカルルールで禁止されていなければ ホールとホールの間のティーイングエリアやその周辺で 前の組のプレーが終わるのを待っている間にパットやチップなどの練習をしても ペナルティは課されないが 同じ行為をセカンドショットやサードショットでグリーンが空くのを待っている間にすればペナルティの対象になるので間違いのないよう。
♦ ラウンド前の練習
また、ラウンド前の練習についても ストロークプレー競技当日のラウンドやプレーオフ前に競技の行われるコース上で練習をしたり、パッティンググリーン上でボールを転がしたり、グリーン面をテストしてはならないというルールがある。連日にわたり 2ラウンド以上のストロークプレー競技が行われる時も同様で 競技の行われるコース上での練習は(パッティンググリーン上での練習やグリーン面のテストを含め)ルール違反になる。そして、このルールに違反した時の罰則は 競技失格と厳しい。ただし、キャディーによるラウンド前のグリーン面のテストや練習に関するルールはない。キャディーの行為に対するプレーヤーの責任は 正規のラウンドの間のみに限定されている。
一方、ちょっと紛らわしいが マッチプレー競技では 当日 プレーヤーがラウンド前にコース上で練習を出来るというルールになっているので間違いのないよう。いずれにしても、競技ゴルフの場合は 練習場以外での練習、特にコース上での練習についてはペナルティが課される危険性があることをお忘れなく。
♦ 練習器具の携帯 及び 使用
コース上での練習に関連するトレーニング用クラブや右のようなバット、棒などの練習器具の携帯、及び、それらを使った練習スイングに係わるルールついても触れておこう。そうした行為は 規則 4.3「用具の使用」で定める違反行為に該当する可能性のあるものだが 以下のように整理出来る。
スイング練習器具のタイプ | 携帯 | スイング |
規則適合クラブになる練習器具 | 結果 15本以上のクラブ携帯になれば違反 | 無罰 |
違反クラブになる練習器具 | 携帯すれば 2 or 4打罰 | 失格 |
クラブと見なされない練習器具 | 携帯しても無罰 | 失格 |
また、トレーニング用具やスイング補助具のラウンド中の使用については 次のような規定もある。
加えて、以下のような規定もある。
つまり、加重トレーニングクラブでも クラブの形をしていて実際にボールを打つことも出来るスイング練習器具は クラブ規定に適合するものであれば ルール上は正規のクラブとして扱われる。従って、他のクラブと合わせて 14本以内なら ラウンド中に持ち運ぶことも出来るし ストロークに使ったりショットの前に素振りをしても無罰 である。
一方、クラブと見なされない練習器具は携帯しても問題ないが それで正規のラウンド中に練習スイングをしてしまえば 失格と厳しい罰則が適用される可能性があるから要注意である。そうした練習器具を携帯することは うっかり使用する原因を作っているようなものだから絶対に避けるべきだ。
また、ゴルフ規則のクラブ規定に適合しないクラブの形をしているスイング練習器具は ルール上 非適合の違反クラブとみなされるから それを持ち運んでいるだけで違反となり(違反 1ホールに対し 2打罰、最高 4打罰まで)さらに、もし その違反クラブでストロークしてボールを打ってしまえば 競技失格となるから そうしたものもキャディーバッグには入れないようにするのが賢明だと言えよう。