スローモーション・ドリル
スローモーション・ドリル、即ち、ゆっくりクラブを振る素振りの練習は、数多くあるゴルフのドリルの中でも最も手軽に出来、且つ、有効な練習方法の一つである。実際にクラブを持って行うことが出来る場合は そうすれば良いが、クラブがなくとも出来るドリルである。特に、忙しくて練習をする時間がなかなか作れない人には 最適な練習だ。
このドリルは ボールの位置を(クラブのない時は使うクラブも)想定してスタンスを取り、アドレスの形を作ってから、スローモーションの素振りをするだけであるが、その時に注意すべき点が幾つかあるので、ここでは そうした点について 説明しよう。
第一に、ボールの位置とセットアップの姿勢やグリップが正しく出来ているかをチェックすること。ボールの位置は、ドライバーショットの場合は 左足のかかとの内側の前、そして、9番アイアンではスタンスのほぼ中央(背骨のラインの前)にボールを置くイメージで良いだろう。
次に、テイクバックからバックスイングであるが、左足のヒールはべた足になるようにして 上げないこと、また、(右利きの場合)右肘が体からあまり離れないようにすることがポイントだ。トップの位置は、左腕が時計の針の 9時から 10時の位置で止めるイメージ。そして、ダウンスイングは、左腕が時計の針の 8時のポジションで動きを一時止めるようにスローモーションの素振りを行い、その止まった時の(コックをリリースせずにインサイドからレイトヒットする)感覚を確認するように心掛けて見よう。出来る限り ゆっくり 動くことが大切だ。
以上の動きを 4回続けて行ったら、フルスイングでフィニッシュまでクラブを振ってみよう。フィニッシュまで行くモーションでは、両肘が前に出るようにして高いフィニッシュになるように心掛けよう。この場合も、スローモーションで ゆっくり フィニッシュの形に入るようにしよう。
この練習では、先日、紹介した格言の "STAY BEHIND THE BALL" の形が出来ているかどうかについても意識をしてみると良いだろう。つまり、体重は トップの時でも 左右の足に 50:50 前後の割合で乗っている感覚で、バックスイングの時に後ろ(右)足に体重移動をする必要はないと言うこと、そして、インパクト後に右腕を伸ばすこと、また、左足への体重移動はインパクトの後のステージで行われるということなどを確認しながらスローモーション・ドリルを何度も繰り返すと良いだろう。
このドリルの目的は ダウンスイングで足を確り地面に付けて、下半身を左(前)に移動させながら 上半身は "STAY BEHIND THE BALL" の形を作って、ボールをインサイドから手や腕の動きを抑えて(タメを効かせたスイングで)打つことを脳と体に覚えさせることだ。繰り返しになるが、出来る限り ゆっくり 動くことを心掛けて 繰り返し 練習して欲しいドリルである。