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ダフり難い ゴルフスイング|タメとシャロ―ネス

Introduction
ゴルフのミスショットにも色々あるが 最もガッカリするし 自信を失くしてしまうものの一つが ダフりである。因みに、ダフったショットのことを英語では fat shot と言うが ボールの手前の芝や地面にクラブヘッドが先にあたり ボールに 最初にクラブヘッドが当たらないから ダフりの程度にも依るが 距離が応分にショートする。トップしたショット (thin shot) で運良く グリーンにボールが乗ることはあるが ダフりのショットで そうしたことが起きることは 殆どない。フルスイングのショットにせよ コントロールショットやチップショットなどのアプローチショットにせよ スコア的に そのインパクトは 非常に大きい。

ダフる原因

右肩の位置ダフる原因には (1) 体が左右に大きく動く、(2) 体が必要以上に上下に動く、(3) ボールの位置が悪い などがあるが、加えて、(4) 肩の回転と腕の振り方によって決まる スイング軌道とクラブをリリースするタイミングがある。(4) の観点からは (A) ダフり難い打ち方とスイング軌道、(B) ダフり易い打ち方とスイング軌道 というものがある。図 - 1 は インパクトの状態を示したものだが この形に注目して欲しい。インパクトまでに トップから肩は 90°ほど回転するが 下半身がダウンスイングをリードする形になれば 背骨が図のように右に傾くため 右肩は 少し下に沈み込む。その状態で 右肩 (S) を必要以上に下に沈み込ませないことが大切だ。沈み込みの量 (α) が必要以上に大きくなれば ダフり易いスイングになるのは 想像に難くないであろう。クラブをインサイドから振る必要はあるが その意識が強い人は 右肩が必要以上に 下がる傾向があるので 要注意だ。また、ダウンスイングからインパクトで クラブを振り下ろし その瞬間に 手の動きが 一瞬 止まるような打ち方をしている人も ダフることが多いはずだ。

ダフりを激減させるメカニズム

ダフり難いスイングそこで 着目して欲しいのが クラブをリリースするタイミング 所謂 タメとシャロ―ネス (shallowness) と言う概念である。インパクトのタイミングに対して 効率良くクラブヘッドをリリースさせながら 下半身、上半身、腕の順に体を動かせば 適度にダウンブローな ダフり難い 図 - 2 の (A) のようなスイング軌道でボールを打つことが出来る。適度なダウンブローとは 浅く シャロ―にクラブが落ちると言う意味だが それが出来ていないスイング軌道は (B) のようになり ソリッドにボールを打てるゾーンが狭いスイングである。図 - 2 の緑のラインは 前述のタメが上手く作れて シャロ―に適度なダウンブローで クラブフェースが長い間スクウェアに動いた時のスイング軌道だが これが出来れば ボールをソリッドに打てるゾーンは 大幅に広くなる

スイング軌道とヘッドスピードは 主に (a) 手首を中心とするゴルフクラブのシャフトの円運動、(b) 左肩の付け根を中心とする左腕の円運動とそれを助ける右腕の役割、(c) 首の付け根を中心とする肩の回転運動などの組合せによって決まるが 実は それを上手く行うために 重要なのが この後に詳しく説明する下半身のスイングのリードとヒッティングゾーンで 手を水平に動かしながら 絶妙のタイミングでクラブをリリースして 確りボールを捕まえることを可能にするテクニックである。

腕の振りとクラブのリリース

どんな打ち方をするにせよ 体の回転と共に 腕を上下に振る訳だが その時に腕とその手首は 多くの人が考えている以上に様々な動き方をする。その動きを分かり易く説明する目的で作成したのが右図であるが ここに示した三種類の動きを組合せることで 手と腕は 様々な動きをすることになる。A は 腕のローテーションによる手の甲のアップ・ダウンの動きで、B は 手首の左右の動き、そして、C は 手首の縦のアップ・ダウンの動きである。そこで まずは 前腕のローテーションという観点から 一番左上の図に示したように 左手の甲が上を向いた状態を A1、左右の手の甲が横を向いている状態を A0、左の甲が下を向いている状態を A-1 と定義することにしよう。A1 と A0 の間には A.9 〜 A.1 また A0 と A-1 の間には A-.1 〜 A-.9 があると考えて欲しい。同様に 手首の左右の動きは B1 〜 B0 〜 B-1、そして、手首の縦のアップ・ダウンの動きでは C1 〜 C0 〜 C-1 のように動かすことが出来る。これら A/B/C 三種類の動きをスイング中にどのように組合せて腕を振るかで 異なったスタイルのスイングになる。そう考えた時、通常は スイングのアドレス 〜 (バックスイン) 〜 トップ 〜 (ダウンスイン) 〜 インパクで 腕を A0/B0/C0 〜 AX/BY/C1 〜 A0/B0/C-1 のように動かすことになる。ここで 確認して欲しいのが 前述のクラブのリーリースと適度にダウンブローなスイング軌道ということに関係する C1 〜 C-1 の動き 即ち コックのリリースである。Z1 〜 Z3 で 手は ほぼ水平に横に動いているのに クラブは ダウンブローに動くが それは そこで C1 〜 C-1 の動きが入るからである。ヘッドスピードを一気に上げつつ インパクトの後も ダウンブローで ターフが取れるのは 腕を振り下ろしているからではなく その間 手が水平に動き続けると同時に C1 〜 C-1 の動き 即ち アンコックのモーションが続いているからである。そして それこそが ダフり難いスイングをするための鍵なのだ。

クリティカルな形そうした中、右図の Z1 〜 Z3 をヒッティングゾーンと呼ぶことにするが そこで 腕と手首が どのように動くべきかを考えてみよう。 説明上、手が右の太ももの前に落ちてきた時 即ち ヒッティングゾーンに入る直前の入口の時点を Z1、インパクトを Z2、そして 手が左の太ももの前のヒッティングゾーンの出口に来た時を Z3 とする。また、トップから Z1 までは ダウンスイングだが その後のヒッティングゾーンのスイングは フォワードスイングと呼ぶことにしたい。そうした時に Z1 での腕と手首の形とクラブの位置関係が重要になる。それは Z1 〜 Z2 〜 Z3 でのクラブヘッドの挙動がショットの良し悪しを左右するからである。フォワードスイングの A/B/C の動きをどうすれば ダフり難く 曲がり難い ショットが出来るのかを考えて見ると まずは Z1 で前述のタメを作りたいのだから そこでは B1/C1 に近い形が望ましいのは 明らかである。一方、A に関しては Z2 のインパクトまでにスクウェア 即ち A0 の形にしたいのだから それを勘案すれば Z1 でも A0 に近い形になるのが望ましい。つまり、Z1 = A0/B1/C1 が理想の形になるという仮説が成り立つ。その後は 概ね Z2 = A0/B.5/C-.9 さらに Z3 = A0/B0/C-1 くらいになれば望ましいクラブのリリースが出来たことになるだろう。

ここで 特に拘るべきポイントは Z1 で A0/B1/C1 に近い形を作ることであるが それは 多くのアマチュアゴルファーにとって とても難しいことである。この時に A.5/B0/C0 のような形になる人が圧倒的に多いはずだが ここで A.5 のようにフェースが少し上を向いて開いていると そこからインパクトまでの短時間で A0 にすべく前腕とフェースのローテーションを積極的に行わなければならないのも好ましいことではないが それ以上に問題なのは ここで 既にクラブのリリースが半分終わって B0/C0 のような状態になることと その状態からクラブをリリースしようとする動きである。そうなれば 手の動きを止めて 半分くらい残ったタメを使って クラブをリリースして インパクトを迎えようとするだろうが、それでは ヘッドスピードは 上がらないだろうし ボールをソリッドに打てるゾーンは 狭くなってしまうだろう。そこで Z1 では A.5/B0/C0 のような形にならないために トップの形とダウンスイングの仕方を工夫する必要がある。さらに、Z1 〜 Z3 の間で 手の動きが止まらないように クラブをリリースする工夫も必要になるだろう。それができれば 今回のテーマのダフり難いスイングが出来るようになるはずだ。

そこで考えて欲しいのが Z1 で A0/B1/C/1 の形を作るのに都合の良いトップの形である。よく言われる好ましいトップの形は 右肘が地面を指し 左手の甲は 内側に折れないものだなどと言われるが それを A/B/C の観点から分析すると A = 0 〜 1、B = .5 〜 1、C = 1 になる。この時 A の値を 1 に近くすると B の値を 1 に近くし易くなるが、その場合は ダウンスイングで 腕を大きく旋回させる必要性が高くなるので その点がデメリットになる。一方、多くの人は 骨格や柔軟性からの制限により A の値を 0 に近くすると B の値を 1 に近い値にするのは 難しく 0 に近い値にならざるを得ないだろう。従って、ダウンスイングで B の値を大きくするようにして タメを作る必要が生じる。ただし、多少であれば それをするのは そう難しいと感じない人が多いだろう。どちらのスタイルも上手く行えば Z1 で A0/B1/C/1 に近い形を作れるが 安定性と再現性の観点からは 後者の腕の旋回を少し抑えるスタイル、つまり、トップで A.5/B.5/C1 のような形が 多くの人には A1/B/1/C1 より オススメと言えるかも知れない。また、人によっては A.2/B.8/C1 のような形が作れる人もいるだろうが それが無理なく出来るのであれば そちらの方が好ましいのは 言うまでもない。以上のように 色々な選択肢があるが どのスタイルを選択するかは それぞれの体の特性や好みに合わせて決めれば良いだろうが ポイントは Z1 で A0/B1/C/1 の形を作るのに都合の良いトップの形という発想で ベストなトップの形を模索することである。

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その他 注意点と研究課題

他方、ダフりは 多くの場合 ボールをすくい上げようとする体や腕の動きが原因になっているものだ。チップショットでも アイアンのフルスイングでも、ボールを右手ですくい上げようとすれば 前述のハンドファーストの形を作ることは出来ず A の値が マイナスになり ダフりかトップになる可能性が 極めて 高くなるだろう。ボールをすくい上げようとするのではなく、肩をレベルに回転させながら 手を水平に動かし続けて クラブを正しいタイミングでリリースさせ クラブのロフトでボールを上げるイメージを常 持つようにすると良いだろう

ボールをアイアンのフェースの芯で捕らえるためには ボールをインパクト時の背骨のラインに合うような位置に置いて 肩が地面に対して より平行に 右肩が下がり過ぎないように 構えると良いだろう。シャロ―なダウンブローのスイング軌道でクラブが振れれば ボールを右足寄りに置く必要はない訳で ソリッドにボールを打てる ヒッティングゾーンを有効に使える所にボールは 置くべきである

一方、ボールを上げたい時に ボールをスタンス中央より 左に置く人も居るだろうが それも 正しいボールの位置とは 言えない。STAY BEHIND を強調すれば ボールは 普通の打ち方をした時より 高く上がるだろう。ロフトのあるクラブで アプローチショットをする場合などは 手でボールを上げようとする意識が強くなるので タメを作れなくなる可能性が高くなるが ロフトを使って ボールを上げるという意識を持てば そうした問題は 発生しないはずだ。チップショットや ピッチショットのダフりを減らすためにも 手を動かし続けながらタメをリリースすることと スイング軌道のシャロ―ネスの概念は 極めて重要だが アプローチショットの基本の構えや動作については 本サイトのアプローチショットの基本が参考になるはずだから アプローチショットで ちょくちょく ダフる人は その内容も 一度 チェックしておくと良いだろう。

なお、ダフるのではないかという失敗のイメージを持ってスイングをすれば 失敗する可能性が 益々 高くなるのが ゴルフであるから、ダフりで悩んでいる人は その失敗のイメージが脳裏から消えるまで練習するつもりで 前述の点に注意を払い 納得が行くまで 練習をして欲しい。ダフりが激減すれば ゴルフの内容も 楽しさも 大きく改善するはずだから 是非 時間を割いて ダフり難い ゴルフスイングのメカニズム|タメとシャロ―ネス と言う概念について 研究して下さい。

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