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グリップの重要性について

Introduction
グリップ
グリップというと 初心者へのアドバイスという観もあるが 実は そんなに簡単に説明できるものではなく 上級者も時間をかけてじっくり研究すべきテーマである。グリップを変えるのは 距離調整のために 少し短めに持つ、そして、フックやスライスを打つためにグリップを変える程度と考えている人が殆どだろうが スイングプレーンとフェースターンなど クラブヘッドの動きに大きな影響を与えるものだから 多くの人が考えている以上に 奥が深いものである。例えば、チップショットも ピッチショットも 同じグリップで打つのが良いのか。そんなことを 貴方は 考えたことがあるだろうか。

ストロング vs ウィークグリップ

グリップに関しては 手と指のどの辺りで クラブを握るか また 左右の手の接点をどのようにするかなど 様々なチェックポイントがあるが、ここでは まず ストロング vs ウィークグリップという観点から話を始めることにしよう。右手の親指と人差し指は 下のイラストのように 逆 V 字を形成するが (A) のように その V が 右肩を指すようであれば ストロンググリップだし、(B) のように その V が顎(アゴ)を指せば ニュートラルグリップ、また、(C) のように V が 左肩を指すようであれば ウィークグリップである。



(A) ストロング

(B) ニュートラル

(C) ウィーク

スイングプレーン

スイングプレーンさて、グリップは 自分が考えている ショットのスイングプレーンと 腕の動かし方とのマッチングという視点から ベストな形にすべきだという考え方があるが、一般的には グリップがストロングになれば スイングプレーンは 寝てくるし、ウィークになれば 立ってくるというのが基本である。従って、グリップは なるべく意図したスイングプレーンに乗せ易いようにするのが正しい考え方だという理屈になる。例えば、ショートゲームでは かなり立ったスイングプレーンにクラブを乗せたい訳だが、それを実現させようとすれば ウィークグリップでなければ やり難くなるし、肩の回転のプレーンと同じ もしくは それに近いプレーンにクラブを乗せて ドライバーショットを打ちたいと考えているのであれば ストロンググリップが適しているという理屈になる。もちろん、フックボールを打ちたい時には ストロンググリップで クラブを持てば良く その逆も 然り。

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グリップの基本原則

一方、グリップは 軽めに握ることで 不必要な体(特に 肩、腕と手首)の力が抜け 所謂 正しい脱力が出来、クラブヘッドを上手く走らせ易いので 効率の良いスイングになるという考え方が基本である。その観点から パワーを効率良く伝えられるように クラブをリリースしつつも それを上手くコントロールするには 何が重要なのかを理解する必要がある。

グリップ・プレッシャー・ポイントロングゲームでは フィンガーグリップで クラブを軽めに 小鳥を持つイメージに例えられるが そんな感じで握って欲しい。掌の方へクラブのグリップがあまり行かないように 少し浅めに握るのがポイントで 中指、薬指、小指の 三本の指で やや軽めに握るイメージである。そうすることで クラブの感覚を失わずに クラブがコントロール出来るグリップになる。深く握れば クラブの先 即ち クラブヘッドの感覚がなくなり ヘッドを走らせることが出来なくなるし その動きを上手くコントロールすることも難しくなくなるだろう。左右の手のグリッププレッシャーポイント(クラブを握った時に圧力のかかるポイント)は それぞれ 右のイラストのようになる。

他方、左手のグリップを少し深めにクラブを下から握るようにすると グリップは よりウィークになるが リストターン、フェースターンを抑えたい時やスライスボールを打つために クラブフェースをオープンにしたい時などは そうした握り方が効果的になる。逆に、スライスが出ないようにしたい人は 左手のグリップを少し浅めに クラブを上から 左手のナックルがよく見えるような形で握り、同時に、その時の左手の V に対して 右手の V が同じ方向を向くように 右手を添えることで スライスの出難い ストロンググリップになる。

パター以外のクラブの握り方は すべて一緒というゴルファーも少なくないだろうが ショートゲームは コックを抑えて フェース面のターンも特殊なショットでない限り抑え さらに クラブのリリースも抑えて 飛距離が出過ぎないようにしつつも なるべく大きな筋肉の動きを利用して ボールを飛ばしたいショットだと言うことを忘れないで欲しい。それに適したグリップは どうあるべきか という考え方をすれば、グリップは 少なくとも ロングゲーム(パワーゲーム)、ショートゲーム、パッティングで 異なったグリップをすべきと言うことになる。さらに、ショートゲームでは 球を上げるショットと低く転がすショットでは グリップを変えるという発想も生まれるはずだ。他にも考えるべき点、工夫すべきことはあるだろうが、まずは 以上の観点から 自分のグリップを見直して欲しい。

深いラフからのショット

深いラフにあるボール例えば、ラフからのショットは グリップとスイングプレーンを工夫することで成功率が高くなる。深いラフからのショットは 難しいショットの一つだが その打ち方の基本は クラブフェースを少しオープンにして ボールをスタンスの中央か それより やや右寄りに置いて 普段より 少し ダウンブローに フェースターンを抑えて打つこと。そうすることで 芝の抵抗を最小限にすることが出来る。

そこで 試して欲しいのが グリップを普段より 少しウィークにして スイングプレーンを立てて ダウンブローに そして フォロースルーでは 右肘を抜くようにして フェースターンを抑えてボールを打つテクニックである。この時、注意して欲しいのは クラブフェースの向きが芝の抵抗に負けて変わらないように 確りと強めにグリップすること。前述のクラブを軽く握るというグリップの基本に反する発想であるが 状況に応じて そうした対応が必要になることもある。何が優先されるべきかは 置かれた状況によって異なる訳だが まずは 深いラフを想定したショットの練習で そのテクニックを学んで欲しい。マット上のボールしか打つことが出来ない練習場では 色々と試しながら 練習できないが ウィークグリップで フェースを開き気味に構えて クラブを強めに握り フェースターンを抑えて ダウンブロー ボールを打つテクニックを研究してみて下さい。ボールがどのように出て行くか、弾道や飛距離は どうなるか などが理解できるまで練習し そうしたショットの特徴を理解し なるべく何時も 同じ打ち方が出来るようになるまで練習しておくことである。

実戦での応用

勿論、ラフの状態によって出るボールも異なってくるが 基本的には クラブフェースを開いていれば ボールは 最初から右へ出て行くし フェード系のボールになって 飛距離も応分に落ちるだろう。ただし、深いラフの場合は 芝がボールと クラブフェースの間に入って 然程 サイドスピンは かからないから フェードの度合いも 少なくなるはずだ。何れにしても、ラフから出そうなボールの軌道を予測して 狙いを定めるということが実戦では 必要になる。ご存知のように ラフの状態によっては フライヤーになる(普通より飛び過ぎる)可能性もあるので ライを見て どのように判断するかが 結果を大きく左右することになる。

いずれにしても、ラフからのショットに限らず グリップを変えて ショットをするようなテクニックは 実戦から少しずつ学ぶべきことがあるのは言うまでもない。自分が置かれているライからは どんなスイング プレーンとフェースターンでボールを打つのがベストか、そして、そのショットをするには どんなグリップが適しているのか。まずは、そんな考え方が出来るようになるまで グリップの研究をして欲しい。その知識も意識もないまま プレーをしていたのでは 何時まで経っても 学ぶことの出来ないテクニックがあると言うことだ。様々なショットの対応力を上げたいのであれば 今回の知識をベースに 上述したことを意識して 色々な打ち方を研究して下さい。

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