腕のエクステンション|スイング理論
♦ トップで左腕の肘を曲げない
まず、バックスイングの後半から トップに至る段階で 左腕の肘が大きく曲がるアマチュアが多いが そうしたスイングでは 切り返して ダウンイングが始まって すぐの段階で その曲がった肘が伸びる動きが入る。そうなると 何が起きるのか。その時点で コックが解けることになって タメを作れない スイングになってしまう。一方、肘が曲がらないスイングは 曲がった肘が伸びる動きが入らない訳だから 腕を振り下ろす時に 好ましいタイミングで コックを解くことが出来るので 十分なタメが作れる理屈だ。
それでは どうしたら 左腕の肘を曲げずに バックスイングを完了できるのかを 考えてみよう。左腕の肘が曲がる問題は 肩を十分回転させずに 腕を振って トップの形を作ろうとすることに起因することが多いが、まずは 自分の腕の振りと 肩の回転が 10 : 7 のような関係になっていないか 確認してみよう。もしそうだとしたら 意識の持ち方を 腕の振りが 10 で 肩の回転が 7 のスイングから 肩の回転が 10 で 腕の振りが 7 のスイングに変えるイメージでスイングしてみよう。それでも 肘が 大きく曲がるようであれば 腕の振りは 5 くらいに抑えても 良いかも知れない。以下の動画は 以上の説明について考えるのに適したものと思うが、腕の振りは このくらいで 十分と言うことである。
♦ インパクト後に腕を伸ばせ
一方、腕のエクステンションと言うと 前述の左腕の肘を曲げずに 大きな バックスイングを行うことばかりを考える人が多いと思うが、実は よりクリティカルとも言えるのが インパクトからフォロースルーにかけての両腕のエクステンションである。そうした観点から もう一度 上の動画を見て欲しい。
動画や 右のイラストのように 腕をエクステンドする訳だが 好ましい ゴルフスイングでは インパクトの後に 両腕が伸びると言う形が見られる。これは 腕と体が調和の取れた動きをしていなければ出来ないことであるが、多くの人は インパクトの直後に どちらかの腕 または 両腕が 直ぐに 曲がってしまうという問題を抱えている。
インパクトの直後に 右腕が曲がるスイングでは 右腕のパワーを上手く活用できない訳だが それは 肩の回転するパワーを使うことばかりを考えている人が陥り易い落とし穴である。ボディーターンと 一緒に 右腕を 少しローテートさせながら ターゲットの方に押し出すイメージで スイングすれば 改善できる可能性は 高い。一方、インパクト直後に 左腕が曲がるスイングは 手首を インパクトの時に反そうとすると出易いもので、それも 小さな スイング アークの原因になるから 大きなパワーのロスにつながるものだが、同時に 方向性が悪くなるという問題を生むものだ。また、インパクトの直後に 両腕が直ぐに曲がるスイングは 最も好ましくないもので 精度も パワーもない 最悪のスイングになるだろう。
インパクト後に 両腕が確り伸びるスイングは 素晴らしいゴルファーに共通するもので 上のイラストのように スイングの このステージで 両腕を 少しローテートさせながら 伸ばして、クラブヘッドを ターゲットの方に、また、遠くに放り出すように リリースすることで 可能になるスイングである。
♦ 正しいスイングが身に付くドリル
上の動画のように スイングをするためには 体と腕を なるべく コンスタントなスピードで動かすことだが、スイングの途中で 腕の振りを 変に減速したり、加速させれば 腕が曲がる原因になる。また、正しい腕のエクステンションという観点からは インパクト直後の左右の肘の距離が アドレス時のそれと同じになるようにすべきで、例えば、両腕の肘の距離が一定になるよう 右のような練習器具を使った練習も それを学ぶのに有効であろう。
また、Trail Hand-Off Drill (右利きの右手オフ) という ドリルも オススメな練習法の一つだ。インパクトで 右手を クラブから離すドリルで それによって両腕、特に、左腕のエクステンションの感覚を養うための練習である。下の動画は その説明をしたものだが 7 番アイアンを 7 ~ 8割の力で スムースに振り インパクトで 右手を離して クラブをリリースする。そんな練習をすることで after-impact extension の感触を学ぶことが出来るはずだ。
いずれにしても、大切なことは 腕を伸ばすことだけではなく 体と腕の動きの調和がとれた スイングをすることである。エクステンションと同時に 腕を 少しローテートさせることも させ過ぎは 逆効果だが ポイントになるだろう。そんなことも念頭に このページで説明したドリルなどを行い 腕のエクステンション というテーマについて 色々と研究して下さい。