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ゴルフの間合と集中

Introduction
間合「間合」という言葉と概念がある。武道では 相手との距離や空間のことを意味することもあるが、適当な時期とかタイミングという ある種の微妙な 時間的間隔を言い表す時に良く使われる言葉であり 概念である。ここでは そんな「間合」そして ショットやパットを成功に導くための「集中」がどうあるべきかについて 掘り下げて考えてみたい。

プリショットルーティーン

ショットの準備と言う意味では プリショットルーティーン (pre-shot routine) のことが良く言われるが、ゴルフだけでなく 様々なスポーツで 取り入れられているのが ルーティーン という手法である。相撲の琴奨菊、ラグビーの五郎丸などのルーティーンを思い出して欲しいが、相撲であれば立ち合い、ラグビーでは ゴールキックのように 一瞬にして終わってしまう 極めて 重要な動作の質を高めるために それぞれの選手が 独自に考えだし 取り入れている 一連の準備作業だ。心の準備や集中力のアップ、また、不要な力を抜いて 好ましい間合で動作を開始するのに効果的だと言われており、毎回 毎回 同じように行うから ルーティーンと言う訳である。

ルーティーンの目的は 一連の準備作業を 毎回 同じにすることで スムースに大切な動作をスタートさせることだけでなく、その間のチェックポイントや思考パターンも同じにすることで ネガティブな考えなどが入り込む余地を排除し、集中力を最大限に高めることでもある。そんなルーティンを ゴルフで取り入れている人は 少なくないと思うが、ただ形だけを真似たようなルーティンでは その効果も 多くは期待できないだろう。最も大切なことは 一瞬にして終わってしまう 極めて 重要な動作の質を如何に高めるかである。

好ましい間合とは?

武道では 相手の技量、体格、動きなどによって 一つの間合が生じるが、自分が攻め込む間合を作ったり、相手に そうさせない為に 相手の間合にさせないと言うような駆け引きが勝負の決め手になる。しかし、ゴルフでは 相手が止まっているボールとコースだから 武道で言う「間合を盗む」と言うようなことは 必要ない。とは言え、間合と どのように対峙するかが 勝負の結果に反映されるのは ゴルフも同じだ。以下は べ・サンムン選手のショット前の素振りから 実際にショットをするまで動作を撮影した動画だが 素振りからショットまでの流れを上手く作って 自分の間合でショットするとは どういうことかを考える上で 参考になると思うので まずは これを見て欲しい。

ゴルフは 個人競技だが 同伴競技者と前後のグループの競技者のプレーに応じて 自分のプレーの順番が回ってくるまで待っていなければならない。プレーファーストに気を遣うこともある。そんな中でも 自分に最適な間合を作って ボールを打つことに集中することが望まれる。自分のプレーの順番が回ってきた時に 待ちのモードからプレーのモードにスイッチを切り替える必要があるが、それを上手くできる人は 案外 少ない。例えば、待っている間に 素振りをして 頭を整理し これから打つべきショットのイメージを作っておく。そして、そのイメージを上手く使って 雑念が入らないようにして 自分のプレーの順番が回ってきたら スムースにプリショットルーティーンのステップを踏んでショットをする。ツアープロのほとんどは プリショットルーティーンが完了してから スイングを開始するまでの時間は 短いが、それは 頭の整理も これから打つべきショットのイメージ作りも 事前に確り済ませているからである。そして、それが 上級者に共通する 間合なのだ。ボールの前で構えて動きを止めてから 10秒以上の時間を使って 色々なことを考えてから ショットをしている人を散見するが、そんな間合で ボールを打っても 良い結果が出る可能性は 低いと言わざるを得ない。

間合と集中

自分の順番が回ってきてから 全てを始める人が居るが それでは 好ましい間合と集中を作り出すことは難しい。待っている間に どのクラブで どんなショットをするかを考え、そのイメージを作る。必要であれば プラクティススイングをして 感触を確認しておく。そして、自分の順番が回ってきた時には 既に 何をすべきかが決まっているだけでなく、心と体の準備も完了した状態で そこから プリショットルーティーンのステップを踏んで 流れに乗って ショットを完結させる。フルスイングのショットも アプローチショットも なるべく そんなルーティーンでショットに臨むことが望ましい。

言うまでもなく、プリショットルーティーン完了後 間髪を入れずに ストロークをするというのは いい加減にストロークをスタートさせると言うことではない。無心に近い状態で スイングを開始する準備が出来たら 余計なことを考え始める前に スイングをスタートさせた方が良いということだ。そして、スイングを完了させるまでの短い時間に 最大限 集中することが大切で その前の時間は リラックスして 心の乱れがない状態を作ることに努めるべきである。

ショットを成功に導く「集中」

さて、ここで考えて欲しいのが 自分にとって必要な「集中」が何かと言うことである。そこで、最初に 練習と実戦(ラウンド)では 求められる集中が違うと言う点について考えてみよう。練習では 体の動かし方について 色々と考え 試してみることが必要だが、同じような頭の使い方をラウンド中にしては ダメと言うことだ。目的が学ぶことにある場合は 毎度 毎度のショットの成功率を高めることは 然程 重要ではなく 体の使い方を学ぶことを優先に考えるべきでだが、そんな練習と同じような思考パターンでラウンドしても 望ましい集中が出来る可能性は低い。

集中するとは これからしようとすること以外のことに気を捕らわれないことだが、実は それだけでは 十分ではない。ラウンドの時に求められる集中は 目の前にあるボールを上手く打つためにのみ 脳を使って 効率良く体を動かすことである。効率的な体の動かし方が分からない 習得できていない という問題もあろうが、問題は それ以上に ショットの成功率を高めるために どんな「集中」をすれば良いのか、その理解が欠如している点にある。多くの人にとって ショットの成功と失敗が入り乱れる理由は その脳の使い方に問題があるからだ。

例えば、これから打つショットのミスのことを考えたり、前のショットの失敗を思い出したりすることは ボールを上手く打つために必要な集中の妨げになる行為で 絶対に避けるべきだが、一方、体の動かし方、例えば、腕の振り方と言ったことを ボールを打つ動作の直前や途中に考えるのは ゴルフでは良くあることで、そうした行為が 集中と言う観点から どんな影響を与えるのかを 一度 良く考え、頭を整理しておく必要がある。ショットの直前や途中で スウェイをしないとか オーバースイングにならないトップの形をイメージすると言ったような ボールを上手く打つために必要だと思うことについて考える、即ち、スイングソーツ (swing thoughts) を持つのが普通だが、それにより スイング全体のバランスや リズムが悪くなって ミスショットをするとすれば、それは 避けるべきことである。もし、スイング全体のバランスや リズムが 極めて 重要だと考えるのであれば その邪魔になるようなことは 考えないようにすべきである。しかし、問題なのは ショットを成功させるために役立つ考えが何で、失敗に繋がり兼ねない考えが何かが分かっていないということだ。

つまり、ナイスショットを放つために役立つ考えがどのようなもので、逆に、失敗を生むような考えが何なのかについて理解を深めることで 集中の質は高められることになる。失敗した時に どんなことを考えたのか。頭を整理してみよう。上手く行った時の考えについても 同様に 頭を整理して欲しい。そして、どんな考えで ショットに臨めば 成功率が高くなり、失敗率が低くなるのか。その頭の整理ができれば、ラウンド中に どんな考えで ショットに臨むべきかと言うことに対する答えも見えてくるだろう。そして、自分が持つべき スイングソーツが どうあるべきかについても 今までとは違った考え方が出来るでしょう。そうなれば、ショットの前に避けるべき思考パターンに陥った時に それに気付けて ショットをするのを止め 仕切り直す と言うことも出来るようになるだろう。

ショットを成功に導くために必要な集中は その方法論が分からなければ 中々出来ないものである。しかし、どのように集中すべきかが分かれば そう難しいことではないはずだ。集中すると言うことの理解が深まれば 間合の作り方に対する考え方も変わるだろう。集中を削がないように スムースに動作を始めるための間合が作れる プリショットルーティーンについて これを機会に 研究してみて下さい。

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