ゴルフ用・ダウンジャケット
♦ ダウンジャケットの利点
ゴルフ用の防寒アウターには 防寒性能だけでなく スイングのし易さ、動き易さと言う 機能性の高さも 要求される。ダウンジャケットのように テカテカしない フリースや 中綿のジャケットの方が ゴルファーらしいと考える人が少なくないと思うが、ダウンは 防寒用 ゴルフウェアに求められる機能性において 突出した優位性がある。ゴルフの時に 胴回りが ゆったり目のジャケットを着用した場合は グリップエンドが ジャケットの裾に引っかかり パットや ショットの時に かなり邪魔になる。例えば、中綿のジャケットでは どうしても ある程度 ゆったり感を持たせないと 窮屈になってしまうので ピッタリと フィットするデザインにはできないのが宿命。比較的 バルキーにもなるし 胴回りが スッキリしないものになるという問題がある。一方、フリースのジャケットは デザインによっては かなり 動き易いものになるが 保温性と 防風性に 劣るので 真冬用の防寒服としては あまり好ましいものではない。
ダウンジャケットは ナイロンのような生地を キルティング加工し 内部に 保温性と透湿性に優れるダウンフェザーを詰めたものである。ダウンフェザーの圧倒的な軽量性と 表面が滑々した伸縮性を持つ合成繊維の生地という組み合わせだと(天然繊維で伸縮性のない製品もあるが)体に 比較的 ピッタリとフィットするようなデザインのジャケットでも 動き易さを 十分に確保出来るのが特徴である。ゴルフ用に作られたものは 見た目に 多少 モコモコ感があっても 実際に着て 動いてみると 驚くほど 動き易いと感じるのも特徴だ。ダウンの ゴルフウェアへの応用は 比較的 最近になってなされるようになったもので 馴染みのない人も居ようが 真冬の寒さの中で ゴルフをする人には 是非 試して欲しいアイテムだ。
♦ チェック項目リスト
さて、ダウンジャケットには 以上のような利点があるが 必ずしも ゴルフの動きがし易いものばかりではないので ゴルフに適したデザインのものを選ぶことがポイントになる。以下に その買い物の時に役立つ チェック項目 リストを作成したので まずは それを見て欲しい。
項目 | 選択肢 / 注意事項 |
1) デザイン | ゴルフ用は ブルゾンが主流 |
2) 動き易さ | 軽量で 適度な伸縮性とフィット感があり スッキリした胴回りのデザインのもの、部分的に 伸縮性の高い素材を使用したデザインも |
3) 保温性 | フィルパワーが 500以下は 低品質、600~700 なら合格、700 以上であれば高品質で、軽量 かつ 保温性に優れたジャケットになる |
4) 他の機能 | 防風性、撥水性、制電性が ポイント |
5) 表地 | ナイロン(光沢感が強いが 防風性、撥水性に優れる)、ポリエステル(シワや型崩れに強く、速乾性にも優れる)、ウール、ツイード、デニムは 動き難くなるので NG |
6) 価格 | 3,980~60,000円が 標準的(7,000~30,000円が売れ筋) |
7) ブランド | キャロウェイ、ミズノ、タイトリスト、ピン、ナイキ、アディダス、パーリーゲイツ、フィラ、ルコック、カッパ、オークリー、ユニクロ |
寒中でも 暖かく 保温性に優れるダウンを使用した軽量ジャケットは ユニクロが流行させたアイテムで 一時期は 安値競争の様相を呈し ¥3,980 のような価格で購入できるアイテムが多数あったが そうした 所謂 安物は 最近 姿を消した観がある。そんな経緯もあり、ダウンジャケットを品があるウェアだと思っていない人も居ようが 前述のように 機能性に優れている訳だから見直してみる価値はあると思う。
廉価なものは 保温性(フィルパワー)が低く、動き易さの面や見た目でも好ましいデザインのものを探すのは難しいが 緊急用の防寒アイテムとしてキャディーバッグに常時入れておくという使い方であれば それでも良いだろう。ただ、常用の防寒アウターということであれば 機能性とファッション性を考えて 低価格の商品は避けることをオススメしたい。なお、写真右のようば ユニクロ・ウルトラライトダウン(¥5,990 + 消費税)は ダウン90%、フェザー10%、フィルパワー 640 以上ということで 見た目もスマートだし 安物とは決して言えない品質だ。ただし、以前は ¥4,990 で買えた商品が 残念ながら 近年値上げされた結果である。
ダウンジャケットの暖かさは ダウンの質と量、それに、表地の防風性に大きく左右されるが 廉価なダウンジャケットは 一般的に その質と量において不足気味で もの凄く寒い日には ミドル(中間着)をより暖かいバルキーなものにする必要が出てくるだろう。結果として 着込んでしまえば動き難くなると言うことだから その点が難点だと言える。ある意味、ゴルフウェアというアプリケーションに最適なダウンの質と量があると言え、そうした機能性を追求(プラス、生地の質感と伸縮性への配慮)したものが好ましいゴルフ用のダウンジャケットと呼べるものである。
ゴルフ用・ダウンジャケットの表地には 一般的にナイロンかポリエステルが使用される。どちらの生地も機能性を高めたり 風合い変える目的で 機能剤や仕上げ剤などの化学物質を繊維に練り込んだり、糸となる段階で複数の繊維を複合させる技術を用いたりすることがあるから 主原料が何かだけで その特徴を決めつけられない側面はあるが、光沢、テカリの程度は ナイロンの方が大きいのが普通である。従って、ダウンの光沢、テカリが好きでない人には 表地がポリエステル系のものがオススメだ。ただし、ナイロンの特徴としてポリエステルより伸縮性があるので 動き易いウェアを作る目的からは より優れた素材だと言える。
♦ 着こなし
昔は 真冬のゴルフと言えば ももひきを履いてコーデュロイのような厚手のパンツ、それに タートルネックやハイネックのシャツの上に保温性の良さそうな厚手のセーターを着て さらに その上にウィンドブレーカーで防風対策。寒ければ どうしても そんな着膨れになるから 極めて動き難い中でのゴルフになるのが当たり前だった。ところが、近年は より高機能な防寒ウェアがあるから 工夫次第では動き易いのに寒くなく、しかも、ある程度 ゴルファーらしいお洒落までも出来るようになった。特に、高機能な防寒インナーとダウンジャケットの普及には 目を見張るものがある。
ゴルフ専用のダウンジャケットの多くは 量販店で売られている廉価なダウンより 保温性に配慮した厚手で少し重めのものが中心だが それでも適度な厚さでモコモコせず 十分軽くて伸縮性と保温性に優れ、しかも、風を通し難いものだ。従って、中間着をスッキリ、スリムに出来るので動けるのに 寒くないという着こなしが出来る理屈である。着膨れするような厚手のセーターなどを下に着たのでは 高機能ダウンを着る意味がないとも言える。中間着の量を減らし 動き易さを重視しても一定の温かさをキープ出来るのが「売り」のジャケットだから、そんな着こなしをして欲しい。また、寒い日に帽子をかぶらなければ 頭から大量の熱が奪われてしまうので せっかく保温性の高いダウンで防寒をしても効果が半減してしまうので そうした点にも配慮しよう。
なお、朝方は寒かったが日中になって暖かくなり ダウンジャケットが不要になるような時に 中が薄着だと 実は 困ることもある。そんな可能性のある天気予報であれば 薄手のジャケットやベストなどを別途持参しておくと重宝するだろう。» ゴルフ用・ダウンジャケット 商品を見る