モチベーション|ゴルフの楽しみ方
♦ モチベーションとは
そもそも モチベーションとは 空腹を満たしたり 不快感を取り除いて快感を求めようとする人間の欲求 即ち 満たされていない人間のニーズ (needs) が素になって個人の信念と価値観 (values) に影響されて生じるものである。そして、モチベーションの原因になるのがモチベーター (motivator) である。スポーツの世界では 例えば オリンピックでメダルを獲得するとか チームを優勝に導くといった目標 (goals) の観点から 選手、環境 そして モチベーターの因果関係が どうなるかについて様々な研究がなされてきた。また、パフォーマンスとモチベーションとの因果関係に注目して モチベーションをどう高めるかと言うテーマは スポーツの世界だけでなく 経営や教育などの世界でも色々と研究されている。しかし、ここでは少し違った視点から「モチベーション」について考えてみたい。どうしたら もっとゴルフを楽しむことが出来るか、また、何をしたらラウンド後により高い満足感や充実感を得ることが出来るかと言うことと モチベーションの因果関係について考察し ゴルフの楽しみ方について考えて見ることにしたい。それは 全てのゴルファーに ゴルフを楽しむにはどう考え、何をしたら良いのかと言うことをジックリ考えて欲しいからに他ならない。
♦ 目標と努力
そこで まず始めに気付いて欲しいのが どんなレベルで何をするにしても 目指すものや目標 そして それを達成するための努力がなければ大きな満足は得られないという事実だ。ちょっと月並みなことに聞こえるだろうが 趣味や遊びの感覚で物事をしているとつい忘れてしまうポイントだが 大切なことだから最初に触れておきたい点である。なりたい自分像を持って それに一歩でも近付く努力をするという発想、そして、達成したい目標を成し遂げる努力を怠らないようにすることが ゴルフを本当に楽しむためには不可欠と言うことだ。それらが出来れば 目標が仮に達成できなくとも それなりの充実感や幸福感を得られる可能性は高くなる筈だ。
ゴルフも人生も より大きな満足を得ることが最も重要な目的の一つだとすれば そのために何が求められているのかを確り考える必要がある。アメリカのモチベーションの権威である ジグ・ジグラー (Zig Ziglar) は "What you get by achieving your goals is not as important as what you become by achieving your goals." と言った。つまり、目標を達成して得られるものは 目標を達成してなれる自分ほど大切なものではない と述べているのだが その通りだと思う。また、大富豪で 経済誌 フォーブス (Forbes) の発行人でもあった マルコム・フォーブス (Malcolm Forbes) は "Victory is sweetest when you've known defeat." と言ったが 例え 失敗や敗北と言う結果になったにせよ 目標に向かって努力をすれば(失敗や敗北から学べるものは 往々にして 成功や勝利から学ぶものより価値があることが多く)幸せになれる。逆に言えば、努力のないところに幸せはないということだ。努力=苦労、即ち、努力には 苦しさというネガティブな言葉の印象を持つ人が多いかも知れないが それは間違いで、女の又に力という字からも分かるように努力は満足の源と言っても良いものである。
加えて、個人の目標と努力が他人の目にどのように映るかは 然程 問題ではないと言うことも考えて欲しいことだ。大切なのは自分の信念と価値観である。つまり、自分は 何のためにゴルフをしているのか、自分にとって大切なものは何かと言うこと。例え、オリンピックの金メダルであろうとも それを何の考えも努力もなしに獲得したとしたら それから得られる幸せは 他人の目にどう映るかは別にして 大したものではないに違いない。他方、100 を切るために努力している人には(ゴルフを楽しんで 幸せを感じるという観点から それは大切な目標だから)絶対にそれをやり遂げるために頑張って欲しいと言いたい。単なる自己満足という人が居るかも知れないが ゴルファーに限らず 人間にとって自分が納得できる満足こそ最も大切にすべきもののはずだ。もし 100切りを達成して喜んでいる人を見て馬鹿にしているような輩が居るとしたら その考え方は根本から変える必要があると言うものだ。
♦ 夢や目標を持て
ところで ショットやパットをする時に集中できないという人は ある意味 ナイスショットをしようとか、このパットを決めようという気持ちはあっても そのモチベーションが低いからで それは良い結果やスコアを出すことに対するモチベーションの低さから来ていると言える。つまり、良いスコアを出すことに対して(自分にとっての良いスコアが上手な人の悪いスコアといったような状況であれば 尚更)然程の価値を見出していないという事実の裏返しでもあり そうした考え方を変えない限り 集中力を高めることは難しいという理屈にもなる。しかし、前述の考え方に基づいて なりたい自分像を明確にし 幾つかの実現性のあるより具体的な目標 (goals) を設定してみるという考え方が持てれば 自ずと自分の目標の重要性も変わる訳で 自然とモチベーションや集中力の問題は解決され 結果としてゴルフが楽しくなるだけでなく、どんどん上達する自分がそこには居るという結果になるだろう。例えば、シングルになる目標を立てた人は そのために必要と思われる幾つかの小さな目標を見つけることである。ドライバーショットの目標、アイアンショットの目標、ショートゲームの目標、パッティングの目標、スコアの目標といった具合である。考え方一つで ゴルフの楽しさは大きく変わる。
なりたい自分の夢や目標は モチベーター (motivator) 即ち 我々に積極的な動機づけの効果をもたらしてくれるものである。幸せは 夢が実現されるされないに拘らず 夢や希望を実現させるための努力の過程と一生懸命にやったという気持ちから得られる特別な充実感にあるとも言えるから 夢や目標を持つことこそ 幸せを得るための第一歩なのだ。どんな目標でも それが自分にとって意味のある物で それに向かって努力したいと思えるのであれば 必ず素晴らしい結果、つまり、満足という恵みをもたらしてくれる筈だ。そんな ゴルフの楽しみ方 そして 人生の歩み方について じっくり考えて見る価値はないだろうか。