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マッチプレーの知識

Introduction
マッチ プレーゴルフの代表的な競技方法と言えば ストロークプレーだが(» ゴルフの競技方法)マッチプレーの存在も忘れてはならない。ただ、多くの競技がボールを打った総数で競う ストロークプレーのゲーム方式で行われるし、我々がプレーをする時も 自分の最終スコアが数字で明確に出るストロークプレーのルールに従って行うから マッチプレーのルールや戦い方については 馴染みのない人も少なくないだろう。しかし、ゴルフの聖地とも言えるスコットランドで 長年にわたり伝承されてきたマッチプレーは ゴルフの原点とも言える競技方式で その人気も高い。以下は そんなマッチプレーについて解説した動画である。参考にして下さい。

マッチ形式で行われる競技

世界選手権・デル・マッチプレー世界ゴルフ選手権 デル マッチプレー (World Golf Championship-Dell Match Play)、また、ライダーカップ、プレジデントカップといた団体戦、さらに、全英、全米、日本アマチュア選手権大会、加えて、多くのクラブで そのチャンピオンを決めるクラブ選手権の競技方法としても良く採用されているものだ。マッチプレーは 対戦相手とホールごと(ホール バイ ホールと言う)の勝敗を競い、より多くのホールを勝ったプレーヤーがマッチに勝つというゲーム形式である。一般的には 18ホールで勝敗を競うが、個人戦の決勝のマッチだけは 36ホール(稀に 27ホール)で行うというフォーマットが良く見受けられる。以下は 2019年 Dell Match Play タイガー vs マキロイのマッチのハイライト動画である。

ラダートーナメント方式

勝ち残りトーナメントマッチプレー競技は ラダートーナメント方式で勝敗と順位を決めるのが一般的で それに出場する選手と その組合せをストロークプレーの予選で決める方式が良く取られる。その場合は 予選の順位に従って ラダートーナメントの選手のポジション(対戦相手の組合せ)を右図のように決めるのが普通である。

マッチプレー競技は 18ホールの短期決戦で 負ければ終わりということに加え ゲームの流れや運が結果を大きく左右する可能性も高く プロの競技方法としては ランキング上位の選手、つまり、人気選手が 早々 姿を消す可能性も高いので 視聴率を重視するスポンサーには リスキーなゲーム形式で敬遠される傾向にある。そうした中、2015年の世界ゴルフ選手権からは 各グループ 4名からなる予選リーグをラウンドロビン形式で行い(2人タイのタイブレーカーは 対戦同士相手の成績、3人タイのタイブレーカーは サドンデスのプレーオフ)その後に 16人でラダートーナメントを行うスタイルを採用している。

マッチプレー関連用語

一方、マッチプレーは 二人の個人が戦う個人戦と二人で構成するチーム同士が対戦するチーム戦があり、チーム戦の場合は 二人で交互に一つのボールをプレーするフォーサム (Foursome) と呼ばれるゲーム形式、また、二人がそれぞれのボールをプレーして 二人のベストボールのスコアで各ホールの勝敗を決するフォーボール (Fourball) のゲーム形式が 一般的には 採用される。

対戦中のマッチの進捗状況を説明する時に リードしているプレーヤーは リードを許しているプレーヤーに対してアップ (up) していると言うが、例えば、9ホール終わった時点で、3ホールに勝ち、4ホールを同スコアで分け、2ホールに負けたとすれば その状態は 1アップ (1 up) と言うことになる。逆に、負けているプレーヤーは それで 1ダウン (1 down) していることになる。ゲームは 一方のプレーヤーが逆転不可能となった時点で 各ホールの勝負にせよ マッチにせよ 決するのが マッチプレーの特徴である。そのため、相手に対して 次のパットを OK すること もしくは そのホールのプレーをホールアウトする前に ギブアップすることが頻繁に起き そうした負けを認める選手の決定をコンシード (concede / concession) と言う。また、勝負が 18ホールのマッチプレーにも拘らず 18ホールをプレーせずに勝敗が決まることも 多々ある。2アップして 残りが 1ホールであれば その時点で勝敗が決まる訳で その結果のことを 2 & 1 と言い、マッチは 17ホールで終わることになる。また、2アップで 残り 2ホールなど、アップ数と残りホールの数が同じになった時、そのホール (17番) で分けても 勝敗が決まる状況になるが、そうしたホールのことを ドーミーホール (dormie hole) と言い、17番ホールで ドーミーになったなどと言う。なお、日本では アップドーミーとか ダウンドーミー、つまり、そのホールで 勝つか 負けるかすれば勝敗が決するホールという意味の言葉もあるが 所謂 和製英語で 欧米では そうした言い方はしない。

マッチプレーのルール

マッチプレーには ストロークプレーのルールしか知らない人には ちょっと驚くような 独特なルールが幾つかある。(» マッチ プレーのルール)例えば、ホールからの距離をベースに「遠球先打」が ゴルフの原則だが ホールに近い人が先にショットをしてしまった場合、その対戦相手に対して そのショットを無効とし 自分の後にもう一度プレーをし直すようにクレイムすることが出来る。一方、そのショットがミスショットだった時には そのままプレーを続行させるのが常套手段になる。つまり、パットなどで対戦相手が自分より短いパットを先に沈めた場合は それを無効とし、もう一度やり直しを要求するし、逆に、そのパットが外れた場合は そのボールをインプレー(有効)とすることになる。プレーの順番が定かでない時、つまり、どちらのボールがホールに対して遠い (Away と言う) かが疑わしい時は 対戦相手に自分のボールの方がホールまでの距離が長いこと、アウェー であることを確認してからプレーすることが鉄則である。対戦相手の順番にも拘らず 自分がボールを先に打った場合は そのボールを有効にも 無効にもする権利が相手にある訳だから マッチプレーでのプレーの順番は 非常に大切と言うことだ。

通常、ストロークプレーで 2打罰のルール違反がマッチプレーでは そのホールの負けになるが、ゴルフ用具に係わる違反など、特定のホールの負けでなく、1ホール分、もしくは、2ホール分のダウンという形で罰則が科せられる違反もある。因みに、同じルール違反が ストロークプレーであった場合は 2打罰 または 4打罰となり、ペナルティーは 1ラウンドにつき 最高 4打 (2ダウン) までと定められている。

その戦い方

マッチプレーでは 自分の対戦相手とホールごとの勝敗を競う訳だから、例えば、相手のダブルボギーが確定している時や そうなる確率が非常に高い時には ボギーより良いスコアを出せば良いのだから そうした作戦に出ることも 場合によっては 有効になる。つまり、相手が OB した場合などは 安全策でプレーすることが有効なこともある。ただ、そうした策に溺れて 失敗することもあるから マッチプレーの作戦の立て方には 細心の注意を払う必要がある。

さらに、先に グリーンに乗せて相手にプレッシャーをかけたい時などは 相手よりもティーショットを短めに打つなどといった作戦もある。また、バーディーを決める必要のないパットの時(相手のボギーが確定している時)などは 距離を合わせて 間違いなく ツーパット以内でホールアウト出来るように 距離重視で 最初のパットを打つ (lag putt という) ような作戦が 常套手段になる。また、メンタル面では 先にアップをすれば 気が楽になるのは 事実だろうが ダウンしているからといって焦る必要はなく、じっくり勝機を待つようにプレーをすれば良い。例えば、3アップしていた選手が、2ホール落として 一気に 1アップにまでなった時などは 個人差はあるだろうが スコア以上に 精神的な面で劣勢に感じてしまう人が 多いのである。ゲームの流れ、勢い (momentum) を 自分の味方に付けるようにプレーをすることが マッチプレーに勝つ秘訣とも言える。

ゲームの終盤でドーミーになったら、リードしているプレーヤーは そのホールを分ければ マッチに勝てるという理屈だから そうした場合には ドーミー独特のゲームの駆け引きが出てくる。また、リードを奪った後に 自分がパーを取り続けることが出来れば 相手は バーディーを取らなければならないという気持ちが強くなり 守りを忘れたコースマネジメントになって自滅することも起こり得るから そうした作戦もある。しかし、逆に 守った結果、自分は バーディーを出せず、相手にバーディーを出され負けることもある。つまり、ストロークプレーでは ほとんど必要のない 心理作戦や マッチに勝つためのコースマネジメントの実践などが要求されるから マッチプレーでなければ味わえない独特の駆け引きと面白さがあると言うことだ。

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