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クラブ・フィッティング|ドライバー編

その人に最も適したクラブを見つけて調整することがクラブ・フィッティングであるが、最近では、様々な計測機器やデータ解析の技術が進み、そうした機器がゴルフ専門店やフィッティング工房などに置かれるようになったために 一般ゴルファーでも かなり高度なクラブ・フィッティングのサービスを利用することが出来るようになった。

例えば、ドライバーショットでは ダウンブローに打つ人とアッパーブロー打つ人では、同じヘッドスピードでも打ったボールのバックスピン量や打ち出し角は大きく異なるし、また、人によっては どうしてもアウトサイドインのスイングしか出来ない(スライサーと言われる)人もいる訳だ。つまり、ヘッドスピードだけを見てシャフトのスペック、ロフト、フェース角などを決めても 自分に最適なクラブが選べる可能性は低いのだ。だから、そうした点を考慮し その人にとって最適なサイドスピン、バックスピン、打ち出し角度などを実現できるクラブを選んで調整すること(または、見つけること)がクラブ・フィッティングの狙いである。

何時も同じスイングが出来る訳ではないが、個人個人のスイングのパターンは文字を書くのに似ていて、ある特徴を持っている。中には 何種類かのスタイルを使い分ける人もいるだろうが、クラブ・フィッティングにおいては これだと思うスイングをベースにクラブの仕様を最適化することが原則である。ただし、二種類の打ち方のどちらもが 上手く打てるようなクラブを見つけることを考えたクラブ・フィッティングというのもあり得る訳だ。

いずれにしても、ドライバーの飛距離を考えた場合、注目すべきなのはバックスピン量と打ち出し角度の組み合わせである。ダウンブローで打つ人は、バックスピンの量が大きくなり過ぎるから、バックスピン量を減らして打ち出し角が高くなるようにすれば良い訳である。また、スライサーの人であれば、フェース角がクローズドになっているものやグースネックのクラブなどを選べば、スライスの原因になるサイドスピンの量を減らすことができる。

一方、忘れてならないのが、ボールを芯で捕らえることである。芯を外したショットは外し方の度合いにもよるが、概ね 20ヤードのロスと考えれる。最近のドライバーの中には、芯を外した時のダメージがミニマムになるような工夫がなされたクラブであるが。ドライバーのフィッティングにおいては、ベストスイングに対する最適化ではなくて、アベレージスイングに対するクラブの最適化ということを考慮することも大切だ。そうした意味で、例えば、シャフトの長さをあまり長くなり過ぎないようにすることが、ベストな結果を生む人もいるだろう。

最後に、ピュアリング (Puring) という少し高度なフィッティングの知識について簡単に説明しよう。シャフト、特に、カーボンシャフトには直線性や対称性の観点からの歪があるが、そうした歪のあるシャフトを無造作に装着するとスイング時のクラブフェースの向きや軌道に悪影響を与えることになり、安定性を欠くクラブになってしまう。ところが、その歪に対して ある方向にクラブヘッドを装着すれば 歪の影響は ほとんどなくなるという性質があるので、その点に着目したのがシャフトのピュアリングという調整方法である。一般的には まだ あまり普及していないが、アメリカのツアープロの間では ピュアリング・プロセス(Puring Process)と呼ばれ、ほとんどの選手が利用しているシャフトの取り付け方である。» ピュアリングの詳細

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