ピッチショット|打ち方の基本と注意点
♦ システムの確立
ピッチ ショットは どれだけ正確に距離をコントロール出来るかが、その成否を決定するといっても過言ではない。距離をコントロールするためのシステムを確立し それを使って精度が出せる感性を養うことがポイント。ボールを転がす チップショットに対して ボールを上げる ピッチショットは 応分に 腕とクラブの振り幅が大きくなるが、ボールを飛ばし過ぎないテクニックを学ぶ必要がある。25 〜 50 ヤードまでの距離を 5ヤード刻みで コントロールできる能力を身に付けたいショットだ。
♦ 打ち方の基本と注意点
以下は ピッチショットを打つ時の基本と注意点を (1) アドレスから (7) フィニッシュまでの 7 つのステージに分けて 解説したものである。
基本 | 注意点 | |
(1) | セットアップでは、ボールをスタンスの中央に置き、前足(左足)に 60 - 70% の体重を掛けて構える。幾分ハンド・ファーストにセットするのが一般的だが、ボールを上げたければ、手は体の中央寄りに。 | ボールの位置は低いボールを出したい時以外はスタンスの中央。フェースは スクウェア(クローズドにならないよう)に置くこと。 |
(2) | 肩を大きく回転させるショットではないが、テイクバックは肩の回転が腕の動きをリードするように始動させる。クラブをインサイドに 腕をフラットに引かない。 | コックはバック スイングを通じて徐々に、緩やかに入れるようにすること。 |
(3) | トップの位置は ボールを飛ばしたい距離に応じて 腕とクラブの振り幅を変えるのであれば それによって異なるが、スイング プレーンは トップで グリップ・エンドがボールを指すような形でクラブを振る。 | 飛ばす必要のないショットだから体と腕の力を抜いて、体重移動は ここまで 全くしないようにすることで ブレを最小限に。 |
(4) | フォワード スイングでは腕をゆっくり落として行くが、クラブヘッドが手よりも遅れて落ちるように 腕と手の力を抜く。肩の回転に両腕が付いて行くイメージで 左右のバランスをキープする。 | 腕とクラブは出来る限り一定のスピードで振るようにし、インパクトの瞬間に合わせて力を入れたり、手首を反そうと言う意識は排除。 |
(5) | インパクトでは ヘッドが加速モードでボールを捕らえられるように、また、スイングの最下点がボールの先に来るように、腕とクラブをゆっくり振る。 | クラブは リーディング・エッジから打ち込んでいくのではなく、ソールをぶつけて ブラッシュするように。 |
(7) | インパクトからフォロースルー、そして、フィニッシュで左足をピボットに体をターンさせる。この時に、体重が後ろ足(右足)の方に移動しないよう注意。 | フォロースルーではラインを出すイメージでフェース面を 積極的には ターンさせないように。 |
(8) | フォロースルーからフィニッシュでは 左(前足)に少し体重を移動させるが、距離を抑えるために左腕は早めに折りたたむように。 | フィニッシュで体のバランスが崩れるようなら スイング全体の流れやバランスに問題がある。 |
以上が ピッチ ショットの打ち方の基本と注意点であるが (3) の解説 即ち スイング プレーンは トップで グリップ エンドがボールを指すような形でクラブを振ることについて補足すると、正しいスイング プレーンとは 右のイラストのようになることである。このように、オンプレーンに クラブが振れていれば ダウン (フォワード) スイングでは 腕を素直に下ろすだけで 確りとボールをスクウェアに捕らえることが出来るはずだ。
♦ 距離のコントロール
また、距離のコントロールは腕とクラブの振り幅、そして、腕を振るスピードを調整することで行えるが、その点についても正しい理解を持つ必要がある。つまり、腕とクラブの振り幅が同じでも ボディーターンと腕を振るスピード(以下、スイングスピードと言う)を下げれば ヘッドスピードはダウンし 距離も抑えられる訳で そうした調整可能な変数を上手く管理し 距離をコントロールするテクニックを学ぶことが課題である。
例えば、25 ~ 50ヤードのショットでは 腕とクラブの振り幅を 常に 一定にし スイングスピードを変えることで その間の距離の調整を行うことも出来るし、逆に、スイングスピードを一定にし、腕とクラブの振り幅を変えることで その調整を行うことも出来る。つまり、そうした変数の組み合わせを どのように管理し、距離を調整するのか。自分のスタイルを構築し、その使い方をマスターする必要があると言うことだ。バック スイングを あまり小さくすると テンポが早くなり、タイミングが悪くなるという人は スイングスピードをゆっくりする方法をマスターすれば良い訳だ。なお、飛距離を抑える手法として、フォロースルー側を小さくするテクニックもあるが、そうした場合は クラブヘッドが加速モードの状態でボールを打つのが 普通は 難しくなるから(ミスをし易く)あまり オススメ出来るものではない。
一方、深いラフではクラブ ヘッドのスピードが 減速される分 クラブを 普段より少し強めに握って、クラブを振り抜くように(少し強めに)打つ必要がある。草の抵抗を減らすためには ダウンブローに、また、ボールが浮いている訳だからバウンスを より利かせて打つようにすべきである。その結果、距離の調整が難しくなるが、つまり、それが深いラフにボールを入れた時のペナルティーということである。