エージ シュートの記録
♦ エージ シュートとは
エージ シュートという言葉と概念は 昔からあって、とにかく自分の年齢以下のスコアを出せば それで良し という観がある記録だ。それでも、良く言われるのは 公認されるには 18ホールで 距離が 6,000 ヤード以上のコースでのスコアと言うことだが(女性は 5,200 ヤード)パーの数は 距離の条件を満たしていれば 関係ないようだ。また、年齢は満年齢だが(文化の違いもあり)例えば、韓国のように 数え年での達成を認めるところもある。ただし、公認記録と言っても 誰が どのような規定に基づいて公認すれば権威があるものなのかは 明確でない。ツアープロが 公式試合で出した記録などは 別にして 多くのアマチュアゴルファーが出した様々な記録は 自己申告によるもので その評価や比較は アバウトにしか出来ないものだと言えよう。エージ シュートの達成は それを達成する条件によって 難易度が大きく異なることは言うまでもない。また、日本には 日本エージシュート協会なる一般社団法人もあるが、そのホームページなどでも エージ シュートの記録の定義や公認条件などを明記してはいない。
♦ エージ シュートの様々な記録
エージ シューティングの記録の中には 59歳で 57 とか 59 という凄い記録もあるが、60歳代の時でも それを達成するのは極めて困難なことで、そんな記録は ほんの一握りの人達だけが達成できるものだ。殆どの場合は 70歳代後半以降も 健康とゴルフの腕を維持することで 達成するものである。そんな人の中には 何度も エージ シュートを 記録する人も少なくないが、その世界記録は なんと驚愕の 3,359回。まず、一生の間に それだけのラウンドをすることさえ 出来ないのが普通で、信じ難い記録としか言いようのないものだ。他にも 特記すべき エージ シュートの記録が色々あるので 以下に纏めてみた。
エージ シュートの記録 | エージ シューター | 年齢・スコア・達成年など |
最も若い (ベストスコア) 記録(旧) 最も若い (ベストスコア) 記録(新) |
Bob Hamilton Patrick Wills |
59歳/59 (1975) 59歳/57 (2015) * |
年齢との差が大きい記録 | Ed Ervasti | 93歳/72 (2007) |
年齢との差が大きいギネス記録 | James D. Morton Keith Plowman |
89歳/72 (2001) 89歳/72 (2007) |
最高齢の記録 | Arthur Thompson | 103歳 (1972) |
最多回数の記録(旧) 最多回数の記録(新) |
Frank Bailey Edison Smith |
2,623回 (79歳 - 98歳/2006) 3,359回 (68歳 - 95歳/2011) |
最多回数の記録(日本) 記録更新中 |
植杉 乾蔵 | 1,000回 (89歳 - 2013/1 達成) 1,472回 (95歳 - 2019/1 時点) |
Champion's Tour (ベストスコア) |
Walter Morgan | 61歳/60 (2002) |
Champion's Tour (最大差) | Bob Charles | 76歳/66 (2012) |
PGA Tour | Sam Sneed | 67歳/66 (1979) |
日本シニア (ツアー制度確立前) | 中村 寅吉 | 66歳/65 (1981) |
日本シニア (ツアー制度確立後) |
青木 功 杉原 輝雄 |
65歳/65 (2007) 66歳/66 (2008) 71歳/70 - 71 二日連続 (2008) |
JGTO - 日本ツアー | 尾崎 将司 | 66歳/62 (2013) |
♦ 特記すべき記録の内容
ボブ・ハミルトン (Bob Hamilton) は 1944年の全米プロゴルフ選手権のチャンピョンだが 1975年にインディアナ州のエバンスビル (Evansville) にある Hamilton Golf Club で 59歳の時に 59 という記録を 公式試合ではないが 達成している。この記録が 長年 最も若くして達成したエージ シュートの記録であったが、2015年 6月 22日 に アメリカ・バージニア州にあるパブリック・コース (Laurel Hill Golf Club) で行われた GolfStyleOnline.com 主催の Solstice Survival Tournament という大会で +4 ハンデのアマチュア・ゴルファー、パトリック・ウィルス (Patrick Wills - 59歳) が 57 を出し、記録を更新したそうだ。この記録が信じ難い内容で、ホールインワンが 3つ、その内、2つは ミドルホールで出た アルバトロスだったそうだ。» 詳細記事(英語)
一方、日本では 2013年 4月に行われた つるやオープン ゴルフトーナメント(於 山の原ゴルフクラブ - 6793ヤード、パー 71)の初日に 尾崎将司(66歳)が 62 というスコアを出し、男子 (JGTO) レギュラーツアーで史上初のエージシュートを達成した。その内容は 1 イーグル、9 バーディー、2 ボギーの 9 アンダーという これまた 凄い記録である。他方、アマチュアの最多記録では アメリカ、ミネソタ州のエディソン・スミス (Edison Smith) という人が 2011年に 95歳でなくなっているが やはり もの凄い記録を達成している。彼は 68歳の時に最初のエージ シューティング (68) を記録したが、その後の 27年間に 3,358回のエージ シュートを成し遂げた。単純計算すると 毎年 平均で 125回くらいのエージ シュートをしていたことになる。
日本人のアマチュア、植杉乾蔵という人が 2013年の 1月 14日に 89歳で 1,000回目のエージ シュートを達成し、2015年には 91歳で 1,300回目、そして その記録をさらに更新し 95歳になった 2019年 1月までに 記録を 1,472回までに伸ばしたそうで それが日本の最多記録である。前述のスミス氏のペースでエージ シュートをし続ければ 110歳で 同氏の記録に追いつける計算だが、どこまで その記録を伸ばせるだろうか。
♦ 99歳で 100切り達成
厚生労働省によると 2018年の日本人の平均寿命は男性 81.25歳、女性 87.32歳である一方、健康寿命、即ち、自立した生活ができる期間は (2016年) 平均で男性が 72.14歳、女性が 74.79歳となっているから 平均的な健康寿命で エージ シュートをするのは スクラッチ ゴルファーと言えども 簡単なことではない。しかし、80歳を越えても 元気なら、多くのゴルファーにとって決して達成できない目標ではないはずだ。ゴルファーなら誰もが何時か達成したいと夢見る偉業、エージ シューティング。定年後から ゴルフの腕を磨いても 健康管理とセットで行えば 決して出来ないものではない。99歳になって はじめて 100切りなんていう記録でも良い訳だ。貴方にも 何時の日か エージ シューターになれるチャンスがあることを お忘れなく。