ゴルフ英語の基礎知識
♦ ゴルフ場の予約など
ゴルフ場の予約に限ったことではないが、まず、行く先の国の習慣やシステムなどを知ることが コミュニケーション力をアップするためのポイントである。例えば、コースの予約の仕方、コースに着いたら何をするのか、などは 日本とはかなり違うものである。そうした点を学んで理解しておけば ゴルフ場で相手が何を言おうとしているのかは 容易に想像できるし 聞き取りも上手に出来るようになる。そして、良く使われる用語やゴルフ特有の表現などを覚えれば 後は 思うより簡単に行くものである。因みに、アメリカでは 下の写真のような プロ ショップ (pro shop) で 予約、チェックイン、清算(前払い)をするのが普通で パブリックのゴルフ場では ロッカールームを使わないのが普通。また、料金が時間帯によって異なる(通常、午前中の方が高い)ことも少なくない。ゴルフ場の予約をする時にポイントとなるのは tee time という言葉とその使い方。また、話す時には 完全な文章にしない方が通じ易い時があることも覚えておいて欲しい。言いたいことをフレーズで言うのだ。例えば、Tomorrow, (is) tee time available in the morning? といった具合に、冠詞、単数・複数などはあまり気にする必要はないし、動詞がなくとも十分に通じるのである。同様に green fees が料金を意味する言葉だから How much (are) green fees for the afternoon tee times? と質問すれば十分で green fees for afternoon tee times? でも通じる。また、reservation(予約)という言葉の使い方も知っておいて欲しい。例えば、電話で reservation please と言えば、予約をお願いします。私は予約をしたいのです的な英作文は 不要だ。支払いを済ませたい時は check please。トイレが何処か知りたい時は mens room - ladies room?(語尾を上げる)で事足りる訳だ。 lavatory や toilet 等の言葉は避けた方が無難であるし、where is ... のような文章にする必要もない。スタート時に 1番ホールが何処かを聞くのも 1st hole tee? もしくは tee box? で通じるだろう。文章を簡略化することが意図を明確に伝えるのに有効な手段になることが多々あると言うこと。日本語でも 同じような会話は 多いはずだ。
♦ プレーに係わる単語・フレーズ
さて、ゴルフの会話では ピンまでとか、池までのような距離に関する会話、そして、高低差や風の状況、ライの状態などに係わる会話をすることが多くなるが、そうした会話を上手く行うために必要な知識と語彙があるので 以下に説明しておこう。
まず、距離、yardage (発音) にあったクラブの選択についてである。どのクラブを選択してショットをするかというのは club selection だが、間違った選択をした時に "over club" とか "under club" とかいう表現をするのが 一般的である。例えば、He should have used (the) seven iron instead of (the) six. It was too much club. "over club" の場合には You need less club. と言い、逆に "under club" であれば You need more club. と言うが 2番手上のクラブが必要な時は You need two more. などと言う。クラブがもう 2本必要という意味ではない。以下に ゴルフの more or less に関する関連用語を纏めたので参考にして下さい。
More Club | Less Club | 条件 |
uphill | downhill | 打ち上げ・下ろし |
headwind/upwind | tailwind/downwind | 風 |
into the wind/grain | with the wind/grain | 風・芝目 |
heavy air | thin air | 湿度・標高 |
cold/chilly | hot/warm | 温度 |
一方、ライに関するものは 前上がり、前下がり (above/below your feet lies)、左足上がり (uphill lie)、左足下がり (downhill lie)、芝が短く刈られた または あまりない (tight lie)、芝の全くない、裸地 (bare ground)、フワフワした (fluffy lie)、 打ったボールの挙動の予想が付かない (iffy lie)、バンカーの目玉 (fried egg lie)、ボールの周りに芝がまとわり付いた (nesty lie) などの表現が良く使われる。また、深いラフ (thick rough, deep rough)、セミラフ (first cut / intermediate rough) などの表現も覚えると良いだろう。
♦ キャディーとの会話
キャディーが付くゴルフ場は 一部のプライベートクラブか 超一流のリゾートコースに限られるが、キャディーとの会話で 最もよく行うものが 距離に係わる会話である。How far to the pin? と聞いても通じるが yardage という単語が便利だ。例えば、What is the yardage to the pin? または yardage to the pin? と言った具合で それに対する回答は 125 yards - slightly uphill. のようになる。
グリーンの傾斜によってボールが右から左へ(right-to-left)または 左から右へ(left-to-right)転がる時、そうしたラインをフックラインとか スライスラインと日本では言うが それは 所謂 和製英語で通じない表現である。単純に、フックラインは right-to-left のラインと表現する。また、下りのパットは downhill putt、上りのパットは uphill putt、そして、順目は with the grain、逆目であれば into the grain ということになり、早いパットは fast putt そして 遅いパットは slow putt と表現する。
また、 グリーン上で パッティングラインに関しては right center とか left center とかいった表現を使うが、要するに どこを狙ってパットしたら良いかということの説明である。right center といったら、真ん中と右のエッジの中間を指す訳で 僅かにフックするラインということになる。また、inside right といった場合は エッジより僅かにセンターよりという意味で right center より 多少 曲がりが大きいことになる。また、更に 曲がるラインの場合は two balls right とか a cup right などとも言う。ほんの少しという時に smidge とか a toutch と言うような言葉も良く使われる。なお、遅い(slow)グリーンで 強めに打つという表現には firm という言葉を使い、例えば、This putt is into the grain and slower than you think. You've got to make it firm. などと言う表現になる。
♦ 使える英語のフレーズ
ゴルフの英語には 面白い表現がある。例えば、トップしてしまった場合や 少し薄めにクラブが入って打球が低めに出てしまった 所謂 thin shot の時などには bite(発音)と叫ぶ。バックスピンでボールが止まることを bite という言葉を使って表現するからだ。ミスショットのトップは(top という単語を使っても 言い方次第で 通じるが)thin shot と言えば良く、ダフったショットは fat shot である。
stay という単語も 止まってくれと言う意味合いで良く使われるものだが stay on the (intended) line、つまり、曲がらないで という意味合いでも ショットやパットを打った後に 発せられる言葉である。そうした意味では hang on というフレーズもある。ボールが風に流されそうな時に ボールに向かって(頑張って)流されないで のようなニュアンスで言うフレーズである。
ところで PGA のテレビ中継で 選手が be right と言うのを耳にしたことがないだろうか。ピンに向かってボールが真っ直ぐ出て行った時、つまり、ナイスショットをした時に言う決まり文句のようなものである。距離が be right であれば最高と言うことだ。また、get down というのも良く耳にするフレーズで フライヤーのボールになって飛び過ぎると思った時などに叫ぶようにして言う言葉だ。
チョロした時は dribbled、テンプラならば skied、チーピンフックなら duck hook などと言うし、空振りすることを missed とか whiffed などいう言葉で表現する。ナイスショットという表現は 和製英語だという人も居るが、もちろん通じるし(good shot の方が一般的なだけで)間違った表現ではない。Beauty などと言えば ネイティブのゴルファーらしい表現になる。また、すごい ドライバーショットをした時などは You killed (crushed や nuked という表現もある) ! などと表現するものだ。
また、池ポチャの時は "I believe your ball has found water." などと言われるかも知れない。グリーンを外して どうしても 寄せワンでパーを取りたい時は "I have to get up and down." グリーンに乗せた人に対しては "Your ball is on the dance floor." などといった言い回しも良く使われる。
さらに 距離が ピッタリであれば "pin high" などが決まり文句。また、有名な格言に "Never up, never in."(短いパットは入りようがない)"Drive for show - putt for dough."(ショットが良いのは 格好だけ、稼ぎたいならパット)なども有名な言い回しだ。因みに "dough"(発音)は お金という意味である。
最後になったが、和製英語、そして、日本独特のカタカナ読みで 発音的に ネイティブスピーカーには通じないゴルフ用語が日本では使われていることも知っておいて欲しい。例えば、パーオンではなく green in regulation (GIR) または greenie と言うこと。特に、パー 3 のティーショットで 一番近いボールのことを 日本では ニアピンと言うだろうが、それも通じない和製英語で グリーニ― (greenie) と言うべきところである。また、パー 3 を ショートホール、パー 5 をロングホールと言うが、それらは距離の短い、長いホールという違った意味に取られてしまう言葉で これまた 通じない和製英語である。一方、ディボット (divot) や レイキ (rake) などといった言葉は発音が難しいもの。我々の殆どは 知っていなければ正確に発音できない単語である。因みに、divot の発音は ほとんど ディビッ...で (発音)、rake は レイク (R の発音) である。