ゴルフ賞金王|変貌した男子ツアー
2022年には LIV GOLF TOUR が登場し 8試合が行われ その賞金王となった Dustin Johnson が 年間を通じて 同ツアーの賞金 35.6 百万ドルを獲得した。一方、FedEx Cup の最終戦・ツアー選手権を制した Rory McIlroy は PGA レギュラーシーズンの賞金 8.6百万ドル(6位)と その FedEx Cup ボーナス 1.7百万ドル、プレーオフの賞金 18.4 百万ドルの計 28.8 百万ドルの PGA ツアー賞金を手にした。
また、PGA レギュラーシーズンを 1位で終え、ツアー選手権で 2位タイになった Scottie Scheffler も シーズンを通じて 25 百万ドルを獲得している。さらに、シーズン終盤に LIV GOLF TOUR に移籍した Cameron Smith は PGA ツアーで 13.1 百万ドル、LIV GOLF から 7.4 百万ドルの計 20.5 百万ドルを手にした。いずれにしても、2022年は 誰が どれだけの賞金を獲得したのかは 非常に 分かりづらくなっている。つまり、PGA - LIV GOLF - DP World という3ツアーが シーズン中の賞金とポストシーズンに高額なボーナス賞金を出すフォーマットになったことと 複数のツアーに参戦する選手が居たからであるが 2022年の稼ぎ頭は 以下の通りであった。
2022年の賞金獲得・トップ4
選手 | PGA/メジャー | LIV GOLF | DP World | 総額 ($Mil) |
• Dustin Johnson | 1.6 | 35.6 | NA | 37.2 |
• Rory McIlroy | 28.8 | NA | 7.9 | 36.7 |
• Scotty Scheffler | 25.0 | NA | 0.1 | 25.1 |
• Cameron Smith | 13.1 | 7.4 | 0.2 | 20.7 |
実は、2022年の 5月まで PGA ツアーの試合に出場していた Dustin Johnson の 2022 年の賞金獲得額は 前述の数字よりも多い。プレーヤーズ選手権 9位、WGC-Dell で 4位、マスターズ 12位、他の賞金を加えると 1.6 百万ドル以上になるので それも合算すると 37.4 百万ドル、1ドル 135円で計算すると 約 50億円を稼いだことになる。ただし、これには チームで獲得した賞金の 7.1 百万ドルが含まれている。また、McIlroy も DP World Tour(欧州ツアーの新しい呼称)で 5.5 百万ユーロの賞金 + 2百万ドルのボーナス賞金をゲットしているので その賞金総額は Dustin Johnson に迫る 36.7 百万ドル前後であった。
男子ゴルフツアーの場合、PGA ツアーの賞金王が 世界の賞金王になるのが慣例だったが そうではなくなった。2022年 LIV GOLF TOUR の賞金獲得の 2位は Branden Grace で 16.6 百万ドル、さらに、Peter Uihlein の $12.8M、Patric Reed の $12.2M、Talor Gooch の $10.4M と続く。因みに、日本人で LIV GOLF TOUR に参戦した選手では 香妻甚一郎の賞金獲得額が最も多く 49位で 1.2 百万ドルで 日本ツアーの最終戦 JT カップを制した谷原秀人も 54位の 0.75 百万ドルを獲得している。
男子ツアーは このように大きく変貌した。LIV GOLF TOUR の選手は 少ない試合数で 高額の賞金を獲得することができる一方、各トーナメントのフィールドが 48人と少なく、今後は 成績の振るわない選手は シード権をなくすことになるから やはり 生き残って賞金を稼ぎ続けるのは 簡単なことではないだろう。とは言え、暫くは LIV GOLF TOUR の賞金王が ゴルフ界の賞金王になる可能性が高いだろう。